はじめに
透析を続けていると合併症が起こります。
その種類を簡単に説明します。
詳しく知りたい場合は、リンクを貼り付けているので、そこから飛んでください(^^)
合併症13種類
- 不均衡症候群
- 高血圧
- 低血圧
- 出血傾向
- 搔痒症(かゆみ)
- 便秘
- 筋けいれん
- 感染症(発熱)
- 腎性貧血
- 二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)
- アミロイド骨関節症(手根管症候群)
- 心血管疾患(心不全)
- シャントトラブル
これでほぼ全部かなと思います!
一つずつ簡単に説明していきます。
詳しく知りたい場合は、各項目のリンクから飛んでください!
①不均衡症候群
透析の導入期には、透析中や透析終了後12時間以内に、頭痛や吐き気などの症状を訴えることがあります。
この「頭痛」や「吐き気」などを、不均衡症状といい、そこから「不均衡症候群」と名付けられています。
不均衡症候群は、透析導入(開始)してから、2週間以内で起こることがあります。
自然に回復するので心配はありません。
【不均衡症候群はコチラの記事で解説しています】
②高血圧
透析を始めた時は、高血圧がみられます。
《症状》
✅イライラ・頭痛
✅吐き気
✅不眠 または眠りが浅い
高血圧の主な原因は、水分や塩分の摂りすぎです。
これらが腎不全の影響で排泄されないので、体液量が増加することで起こります。
【高血圧はコチラの記事で解説しています】
③低血圧
低血圧は最も発症頻度の高い合併症です。
低血圧は、透析中にも見られますし、透析中以外でもみられます。
《低血圧を起こしやすい患者の特徴》
✅高齢
✅糖尿病
✅低栄養
✅貧血
✅心機能障害
《症状》
✅あくび
✅吐き気・嘔吐
✅頭痛・動悸
✅冷や汗
特に透析中では「生あくび」「冷や汗」が多くみられます。
【低血圧はコチラの記事で解説しています】
④出血傾向
透析では、血液を固まりにくくする薬(抗凝固薬)を持続的に投与するので、出血傾向をきたす場合があります。
透析療法では、血液を体外に取り出し、装置に組まれてある回路や透析膜に血液を通します。
その最中に血液が固まらないように、血液を固まりにくくする薬(抗凝固薬)を投与します。
薬の作用が透析中や透析終了数時間(薬の種類によって時間は異なる)、体内にも残ります。
なので、出血した場合は血が止まりにくくなるので注意が必要です。
⑤掻痒症そうようしょう(かゆみ)
「かゆみ」は、多くの透析患者さんが訴えます。
かゆみの原因は、様々あります。
《透析患者のかゆみの原因》
✅皮膚の乾燥
✅リン(P)の蓄積
✅老廃物の蓄積
✅血液と透析膜の接触による炎症作用
特定するには、患者さんの状態や所見を細かく見る必要があります。
【透析とかゆみの関係はコチラの記事で解説しています】
⑥便秘
透析患者さんは食事制限などによって、便秘になりやすい傾向にあります。
《便秘になりやすい原因》
✅食事制限(カリウムの制限:カリウムは、食物繊維が多い食材に含まれています)
✅水分制限
✅薬の副作用(リン吸着薬など)
【透析と便秘の関係はコチラの記事で解説しています】
⑦筋けいれん
透析導入期や水分の除去量(除水量)が多いとき、血液中の電解質のバランスが崩れた場合などに起こりやすい症状です。
筋けいれん=筋肉がつる のと同じです。
《症状》
✅下肢の筋肉のけいれん(主に足のつりが多い)
✅筋肉のこわばり
✅透析中以外での筋肉のけいれん
【透析と下肢つりの関係はコチラの記事で解説しています】
⑧感染症(発熱)
透析患者は正常人に比べて、免疫力が弱く観戦への抵抗力が低下しています。
そのため感染にかかる割合も多くなります。
《感染の種類》
✅シャント感染
✅尿路感染
✅肺炎・結核
✅インフルエンザ
✅肝炎
など
【透析と感染症の関係はコチラの記事で解説しています】
⑨腎性貧血
貧血は、透析をしている患者さんの多くに見られます。
《なぜ貧血になるのか?》
透析患者さんは腎臓の機能が低下していて、造血刺激ホルモン(エリスロポエチン)が産生されないからです。
正常な腎臓では、エリスロポエチンが産生され、骨髄で赤血球が作られています。
腎臓から由来している貧血なので「腎性貧血」といいます。
⑩二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)
二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)とは、副甲状腺で作られる副甲状腺ホルモン(PTH)が大量に分泌される病気です。
PTHが大量に分泌されると、骨粗鬆症になったり、異所性石灰につながります。
【二次性副甲状腺機能亢進症についての記事はコチラで詳しく解説しています!】
⑪アミロイド骨関節症(手根管症候群)
「β2-MG」の蓄積が原因で、アミロイドという物質が産生されます。
手首部の腱や骨、関節などにアミロイドが沈着し、痛みやしびれが起こります。
アミロイド骨関節症は、「アミロイド症」や、「透析アミロイド症」とも呼ばれます。
【アミロイド骨関節症はコチラの記事で解説しています】
⑫心血管疾患(心不全)
透析患者では、糖尿病や、二次性副甲状腺機能亢進症などが原因で、心血管トラブルが多発しやすい状況にあります。
また、透析患者の死亡原因の1位が「心不全」です。
【詳しくはコチラの記事です】
⑬シャントトラブル
透析患者のVA(バスキュラーアクセス)の9割以上がシャント血管です(自己血管・人工血管)
シャントは、血流を確保するために動脈と静脈を吻合しているため、様々なトラブルが起きます。
シャント音が「キュンキュン」といった高い音がする場合や、スリルが触れない場合は、シャント狭窄が疑われます。
また、シャントトラブルは狭窄だけでなく、「血管瘤」や「スチール症候群」など様々あります。
【シャントトラブルの一覧はこちらです!】
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