試験対策集はコチラ

自己血管内シャント(AVF)を解説《吻合方法3つ・作製部位・タバチエールシャントなど》

スポンサーリンク
バスキュラーアクセス
この記事は約5分で読めます。
スポンサーリンク

はじめに

【この記事でわかること】
・ 基礎知識が身につく
・ シャント作製部位がわかる
・ 吻合方法がわかる
・ タバチエールシャントってなに?

などなど、基礎知識が身につきますよ。

透析治療を行う上でVAの種類は様々ありますが、一番使用されているのが、自己血管内シャント(AVF)です。

VAの中で90%の患者さんがAVFです。

自己血管内シャント(AVF)ってなに?

AVFは、自己の血管の動脈と静脈を直接吻合(くっつけて)させて、シャント血管を作製します。

VAを作製する中で、第一選択されます。

通常は、聞き手と逆の手に作製するのが一般的です。

↓AVFが第一選択される理由

  • 開存成績が良好(つぶれる心配が少ない)
  • 人工物を使用しないので感染のリスクが少ない
  • 血管が発達するので穿刺が容易(穿刺困難な例もあります)

AVFが選択されない場合もあります

↓AVFが選択されない時はどんな時?

  • 心機能が低下している場合 → 著名な溢水が無いにもかかわらず、左室駆出率(EF)30%以下の著名な心機能低下
  • 穿刺困難 → 作製しても穿刺困難と予想される場合。肥満があれば静脈走行が深い場合がある
  • 血管の径が小さい → 橈骨動脈が1.5mm以下、駆血後の静脈径2.0mm以下ではシャント作製を考慮

シャントを作製しているということは、血流量が早くなるので、心臓に返る血流量も速くなります。

つまり、心負荷がかかるということです。

なので、心機能が低下(目安はEF30%以下)している場合に、シャントを作製すると、心不全をきたす場合があるので、作製を考慮します。

シャント作製部位

まずは上肢の血管の解剖を知っておきましょう。

通常は利き手と逆の手の、前腕手首付近に作製します。

【血管作製部位】

  • 橈骨動脈 × 橈側皮静脈(一番多い)
  • 尺骨動脈 × 尺側皮静脈
  • 上腕動脈 ×橈側皮静脈

などなどありますが、血管の状態を見て最初から肘の中枢や、上腕に作製したりもします。

※術前に血管の太さ、狭窄や石灰化の有無など総合的に判断し、シャントを作製します。

最初に手首(末梢)付近に作製する理由は…

  • 穿刺する箇所が限られてくる(最初から肘の辺で作製してしまうと)
  • シャントが閉塞(つぶれてもう使えない状態)してしまった場合、再びシャントを作製するのが困難になってしまう
  • 過剰血流やスチール症候群を避ける

などの理由があって、中枢付近の作製では血流量が速くなり、過剰血流やスチール症候群になる可能性が高くなります。

なので、最初に手首付近で作製し、閉塞するたびに中枢へと作製し直します。

先に中枢で作製し、閉塞したので、末梢に作製というのはしません。

AVFはシャントを作製し、5年後も50%以上の患者さんが使い続けていますし、1度の手術で20年もっている人もいます。

タバチエールシャントってなに?

昔はタバチエールが第一選択とされていました。

タバチエールシャントとは、親指の付け根(解剖学的タバコ窩)で吻合を作製する方法です。

この部位に作製したシャントをタバチエールシャントといいます。

このタバチエールの部位は「嗅ぎたばこ入れ」とも言われ、たばこの粉末を吸うのにこの部位を使用していてそこから由来するものです。

フランス語です。

【タバチエールシャントの特徴】

  • ・解剖学的タバコ窩に作製するシャント
  • ・橈骨動脈 × 橈側皮静脈
  • ・最も末梢のシャント
  • ・比較的、若い患者が適応になる(高齢者や糖尿病患者では血管が細いため、作製するのが困難な場合が多い)

吻合の方法(3種類)

シャントを作製するには、動脈と静脈を吻合(くっつける)する手術をします。

吻合方法は3種類あります(上図)

  1. 側端吻合:動脈の側面と静脈の端っこを吻合するので「側端」
  2. 側々吻合:動脈と静脈の側面を吻合するので「側々」
  3. 端々吻合:動脈と静脈の端っこを吻合するので「端々」

この中で最も多く使用されるのは側端吻合です。

ちなみに手術の容易差の順で並べると、側々・側端・端々です。

①側端吻合(第一選択)

  • 吻合の容易さ
  • 初期不成功率の低さ
  • 合併症の少なさ

これらの条件から第一選択とされます。

②側々吻合

  • 過剰血流になる傾向
  • 中枢の閉塞で静脈高血圧症や、ソアサム症候群になる可能性がある

③端々吻合

  • 末梢静脈を結紮けっさつ(結ぶ)するのであまり用いられない
  • 十分な血流量を得るのが難しい(動脈径が小さいので吻合部径が規定される)
  • スチール症候群・吻合部瘤は生じにくい  

他の吻合系は4~6mmに対し、端々吻合では2.5mm程度となります。

ちなみに、一番最初(1970年くらい)は側々吻合でした。

AVFの発達に影響する因子

AVFが使用可能となるためには十分な発達が必要とされる

【AVFの発達に影響する因子】
・患者因子:年齢、性別
・血管因子:血流量、静脈径、血管の深さ
・血液因子:凝固因子、血清脂質、尿素、クレアチニン、電解質
・リスクファクター:糖尿病、高血圧、末梢動脈疾患、喫煙、肥満
・その他の因子:内皮障害、カテによる透析の既往

血管の発達に時間がかかることが予想される場合には、より早期の作製が望まれる

↓ 「標準法と変法」「吻合血管ごとの特徴」などはここで解説しています ↓

【関連記事】

コメント

タイトルとURLをコピーしました