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【シャント合併症】狭窄《種類・原因・頻発部位など》

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シャント合併症
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はじめに

透析患者さんのシャント合併症で最も多いのが狭窄です。

簡単に言うと血管が「細くなる」ことです。

狭窄が強くなると(血管が非常に細くなる)、シャント閉塞を起こします。(血管が完全に詰まること)

今回はシャント狭窄について、「どこが狭窄しやすいか?」など解説していきます.

  • 「シャント狭窄」を図やイラストで分かりやすく学習するならコチラ
9分の動画で解説

狭窄ってなに?

狭窄とは、前後の血管径に比べて50%以上の狭窄が見られて、かつ臨床症状を有する場合です。

一般的には「前後の血管径に比べて50%以上の狭窄」「狭窄径は1.8mm以下」が基準です。

ここでいう臨床症状とは以下のような場合です。

  • 脱血不良(それによる透析量の低下)
  • 静脈圧の上昇
  • 静脈高血圧症
  • 再循環 など

これら臨床症状を有する場合はVAIVTの適応になります。

狭窄が進むとどうなる?

狭窄が進むと血流が低下して、シャント閉塞します

狭窄部から末梢は血液が淀み、血流が低下します。

すると、血栓の形成が促進され、狭窄部から中枢は血流がなくなります。

シャント閉塞を起こすと、以下のような対処をします。

  • ウロキナーゼ + ヘパリン投与
  • シャントマッサージ
  • VAIVT 施行

狭窄4種類

狭窄の種類は上図の4種類で内膜肥厚が一番多いです。

内膜肥厚静脈弁狭窄が主と考えられます。

また、血管収縮(spasm)は、発生機序が未解明です。

  1. 内膜肥厚:動脈の流入により内膜が肥厚する
  2. 静脈弁狭窄:非生理的な血流によって弁が肥厚し、開いた状態で固定
  3. 血管石灰化:血流によるストレスや、異所性石灰化の影響
  4. 血管収縮(spasmスパズム):血管そのものの収縮

参考:透析会誌 51(5):305~311,2018 自己血管内シャントに対するシャント血管マッサージの有用性に関する検討

内膜肥厚

狭窄の原因は内膜肥厚が一番多いです。

以下のような原因によって内膜が肥厚します。

  • 吻合部へ流入する動脈血による乱流が、血管内膜に傷害を与えている
  • 血小板や白血球などの細胞から放出されるサイトカインの影響

流れの速い動脈血が静脈に直接流れ込みます。

静脈の血管壁は薄くてやわらかいため、動脈血が流れることで、乱流や渦流が起き、厚みと硬さを増します。

動脈は血流量も多く頑丈な血管ですが、静脈は動脈に比べて脆弱ぜいじゃくです。

動脈から速いスピードの血液が静脈に流れるので、静脈にとっては大きなストレスになります。

このストレスに耐え切れず内膜肥厚を起こし、狭窄します。

また、穿刺による血管の一時的破損も内膜肥厚を起こす原因です。

同じ場所に穿刺し続けると、狭窄を起こしやすくなります。

狭窄を起こしやすい部位

AVFでは以下のような部位が狭窄が起こりやすくなります。

  • 吻合部:70%
  • 吻合部近傍:13%
  • 橈側皮静脈:11%
  • CAS:6%

※CAS(Cephalic arch stenosis) =上腕橈側皮静脈が腋窩静脈と合流するアーチ部分の狭窄

狭窄は乱流が起こりやすいところにできます。

動脈の速い血液が流れてくる吻合部が一番狭窄が起きやすくなります。

AVGでは以下のような部位が狭窄が起こりやすくなります。

  • G-V(V吻合部):60%
  • G-A:30:30%
  • CAS:10%

グラフトでは静脈側吻合部が一番狭窄が起きやすくなります。

なぜかというと、血管径の小さい静脈にグラフトを吻合していて、速い血液が流れ、乱流が起こるので狭窄が起きやすくなります。

シャント狭窄で見られる症状

シャント狭窄で見られる(疑われる)症状は以下のようにいくつかあります。

  • 脱血不良➡吻合部近くの狭窄か?
  • 穿刺困難➡今まで入ってたのに急に失敗するようになった
  • 静脈圧上昇➡V針より中枢(下流)血管の狭窄か?
  • 再循環
  • 止血時間の延長➡5分だったのが10分に

また、聴診器をあて「診て、聴いて、触って」を実施してください。

【診て】
駆血することで狭窄部位が明確になります

【聞いて】
シャント音を聴診します。
狭窄音では隙間風のような「ヒューヒュー」「キュンキュン」「ザッザッ」といった音がします。

【触って】
スリルが変化する場所に狭窄の可能性があります。

また、狭窄部では硬く触れることが多いです。

聞くよりも、とにかくシャントを「触る」ことを徹底しましょう!

動脈表在化の狭窄

シャント狭窄ではないですが、、、

AVF の静脈に比べると表在化動脈は穿刺部が短いため動脈瘤や狭窄ができやすくなります。

動脈の合併症は、治療を困難にするので、可能な限り広範囲への穿刺が推奨されます。

表在化動脈が使用できなくなる理由は、動脈側の問題では、瘤や狭窄、穿刺困難、血腫などがあります。

また、表在化動脈に問題がなくても静脈の荒廃のために使用しなくなる場合もあります。

なので表在化では、静脈の確保は非常に重要です。

【表在化はコチラ】

【他の合併症はコチラ!】

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