- BUNが高値になる原因がわかる
- BUNの基礎知識がわかる
BUNが高値になる原因4つ
- 消化管出血
- 脱水
- CRPなどの炎症反応の上昇
- タンパク質の食べ過ぎ
①消化管出血
消化管出血を起こすとBUNが高くなります。
なぜかというと、小腸が血液を吸収するからです。
小腸が血液を吸収し、血液に含まれるたんぱく質が腸内で分解されてアンモニアになるので、尿素が増えます。
消化管出血の特徴的な検査値はBUN高値+ Hb・Ht低値です。
出血しているのでHbとHtも下がります。
この2つの動きが見られたら消化管出血を疑います。
BUN高値はだいたい140~160くらいまで上がっているのを見たことがあります。経験上ですけど。
実際、消化管出血を起こしたら、何らかの症状がすぐ出るので、「検査値で最初に発見!」というのはあまりないですけどね(;^ω^)
②脱水
脱水になると腎臓の血流量が減るので、尿量が減ります。
そのため尿素を捨てにくくなり、体内に残るので、BUNが高値になります。
脱水の場合は、BUN高値 + Hb・Ht高値がみられます。
脱水はシャント閉塞にもつながるので、避けたいところです。
③CRPなどの炎症反応の上昇
CRPが高いと、タンパク質が分解されてBUNも高値になります。
インフルエンザとかにかかった患者さんでBUN160以上とかも見たことがあります。
④タンパク質の食べ過ぎ
BUNはタンパク質の分解物なので、タンパク質を摂取しすぎると高値になります。
高値になるといっても、いつも60の人が80になるとかくらいです。
タンパク質の摂取で急激な上昇が起こることはまずないと思います。
尿素窒素(BUN)の基礎知識
【基準値】
透析前:70~90mg/dl
透析後:20mg/dl未満
除去率60%以上目標
★分子量:約60
筋肉や血液などの体の主要組織を作るタンパク質は、役割を終えると老廃物となって血液中に現れます。
この老廃物を測る指標が「BUN」です。
また、十分な透析ができているかの透析効率の指標になります。
タンパク質の分解の流れ
タンパク質が分解されて、尿として出されるまでの経過を簡単に説明します。
★タンパク質が経口摂取されて分解され、腸管から吸収される
⇩
★最終的には「カス」として血液中にアンモニアが産生される
⇩
★アンモニアは有毒物質のため、肝臓に運ばれ無毒化され「尿素」となる
⇩
★最後には腎臓から尿と共に体外へ捨てられる(尿がアンモニア臭くなるのはそのため)
この尿素はほとんど腎臓から捨てられますが、腎機能の悪い人は、捨てきれず体内に残ります。
この仕組みを利用して、血液中に残っている尿素の量を測定すれば、腎機能障害の程度がわかります。
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検査値もそうですが、考え方まで詳しく説明されています。
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