はじめに
【この記事でわかること】
- カテーテルの適応がわかる
- 挿入部位がわかる
- 清潔を大事にする
- 長期と短期の違いが分かる
- 留置部位、挿入部位が分かる
シャントが作成困難な場合はカテーテルという選択肢もあります。
今回はカテのあれこれを学習していきましょう!
カテーテルの適応
カテーテルは「長期」と「短期」に分かれます。
- 長期カテーテル(カフ型カテーテル):長期間の使用を想定
- 短期カテーテル(非カフ型カテーテル):短期間の使用を想定
適応も長期と短期とではその役割が変わってきます。
【長期カテーテルの適応】
① シャントが造設不可能な時
② 高度の心不全 → 左室駆出率(EF)30%以下
③ 四肢拘縮や認知症などがあり穿刺困難な時や、抜針のリスクがある時
④ 小児透析
【短期カテーテルの適応】
① 緊急透析の導入時
② 他のVAが使用不可能になったとき緊急用のVA
シャントが作成できない場合は、動脈表在化かカテーテルの選択になります。
どちらがその患者に適切かを判断しなくてはなりません。
カテーテル挿入部位・留置部位
- 挿入部位の第一選択:右内頸静脈
- 先端部(留置部位):右心房付近または上大静脈
なぜ右内頸静脈が第一選択か?
- 右内頸静脈 → 第一選択:右心房付近にたどり着くまでに屈曲がないので、血栓のリスクが少ない
- 左内頸静脈 → 右心房付近にたどり着くまでに屈曲が2回あるので、血栓性閉塞のリスクがある
- 左鎖骨下・右鎖骨下静脈 → 血栓性閉塞のリスクがある、また鎖骨下は狭窄すると静脈高血圧症のリスクがあり、シャント作成に弊害が出ることがある。さらに誤穿刺による気胸のリスクあり。
- 大腿静脈 → 感染の危険がある
よって、第一選択は右内頸静脈です
穿刺部位と合併症
穿刺部位ごとに合併症の発生率が異なるので、患者の状態などに応じて適切な部位を選択する必要があります。
優先順位
「On-line HDFを急性肝不全の患者に施行する際の診療ガイド」では、優先順位は…
①右内頸静脈
②大腿静脈
③左内頸静脈
④鎖骨下静脈
ですが、実際多いのは、(すみません私の感覚ですが…)
①右内頸静脈
②左内頸静脈
③大腿静脈
④鎖骨下静脈
実際は2と3が入れ替わってますね。
実際は大腿静脈よりも、左内頸静脈が優先されることが多いようですね。
感染を避けたいという観点から大腿よりも左内頸が優先されています。
これはドクターの好みにもよるとは思います。
長期留置カテーテル
長期留置カテーテルは、長期的な血液浄化を目的に、3ヵ月以上の期間留置使用されることが推奨されています。
カテーテルは長期間にわたって使用していると、感染症のリスクが多いです。
できるだけ感染のリスクが少なくなるように、また身体の中に埋め込むことで抜けないように使用できるようにしたのが「長期留置カテーテル」です。
長期留置カテーテルはカフ型カテーテルとも呼ばれ、カフがついています。
カフってなに?
カフは皮膚の下に皮下トンネルを形成しています。
静脈からカテが出て、皮膚から出るまでの間にカフが存在します。
カフがあると、感染しにくく、組織にしっかり癒着するので抜けにくくなります。
短期留置カテーテル
短期留置カテーテルは、非カフ型カテーテルとも呼ばれ、主に緊急時に使用するので、カフがついていません。
短時間でカテを入れることができますが、カテを入れている間は入院が必須で、お風呂も入れません。
短期は、およそ2週間~1ヶ月の間です。
管が詰まり、感染を起こしやすいためです。
発熱・感染の兆候がないか要確認する必要があります。
留置期間は施設によって異なります。
長期と短期の違い
感染に注意
カテーテルで注意しなければいけないことは感染です。
VAの中で最も感染しやすいのがカテーテルです。
人工物でなおかつ、体内と体外を交通しているという点で感染のリスクは高いです。
感染を予防するために…
- 出口部の発赤・浸出液の有無を確認
- カテーテル挿入部の痛み・熱間の有無を確認
- 清潔操作を徹底する
とにかく清潔操作が大事です。
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