次回のブログ更新は9/29(木)です。内容:現場で使えるダイアライザ使い分けマニュアル

合成高分子膜6種類の特徴《PS・PES・PEPA・EVAL・PMMA・PAN》現場目線

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ダイアライザー
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  • 合成高分子膜6種類の特徴が分かる
  • EVAL膜 販売停止の理由もあるよ

ダイアライザーの膜の種類は大きく分けると2種類あり、セルロース系膜と合成高分子膜に分かれます。
そして合成高分子膜は6種類に分かれます。

それぞれの特徴について、現場の感想も踏まえてまとめました。

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合成高分子膜6種類

  1. ポリスルホン(PS)
  2. ポリエーテルスルホン(PES)
  3. ポリエステル系ポリマーアロイ(PEPA)
  4. エチレンビニルアルコール共重合体(EVAL)
  5. ポリメチルメタクリレート(PMMA)
  6. ポリアクリルニトリル共重合体(PAN)

合成高分子膜はβ2-MGなど、低分子量タンパクの除去に優れています。
合成高分子とは、石油から得られる低分子化合物(単量体)を重合させ、高分子にして紡糸することで、繊維構造を形成させたものです。

①ポリスルホン(PS)

最も多く使われている膜で、種類も一番あります。

・ 小分子から低分子タンパクやβ2-MGの除去能に優れるが、アルブミン漏出も多い

・ 「旭化成」のAPSシリーズ・VPS、「フレゼニウス」や「東レ」も販売

・ 透析導入の際にも使用されるし、基本的に使用しやすい膜

・ PVPが含まれている

PVP

・ PVP(ポリビニルピロリドン)

PVPが含まれていることによって生体適合性が良く残血も少ないといわれています。
実際現場で使用していると、PS膜・PES膜は生体適合性は変わらないです。(PES膜の方が若干いいような)

なのでその患者さんに合うかどうか、個人差です。

目に見える残血は少ないという意味です。

実際白血球とか血小板とかを経時的にモニタリングすると、PVPの含まれているダイアライザーの方が優れているのかなとは思います。(個人の見解です)

PVPによる生体変化

PS膜ダイアライザーを使用した透析患者で、透析中の急激な血圧低下血小板減少などのアレルギー反応が出現する事例が報告されています。

その原因として、PS膜に親水化剤として配合されているPVPの溶出が影響しています。
患者さんの個人の体質などが関係しています。

②ポリエーテルスルホン(PES)

・PS膜によく似た特性だが、PS膜に比べて血小板変動補体活性化が少ない

Alb漏出が多い

・ 現場ではペス膜って呼ばれてる

ニプロのPESシリーズが代表

・ PES膜もPS膜同様にPVPが含まれていますが、PS膜よりは少ないです

【PES膜はPS膜に比べてPVP含有量は少ないのに、PS膜と同等の生体適合性を示
PES膜はPS膜と似た化学構造を有する疎水性の膜素材です。
そのため、親水性ポリマーとしてPVPが使用されています。

しかし、PES膜はPS膜に比べると親水性が高いためPVP含有量は少ないです。
にも関わらずPS膜と同等の生体適合性を示します。

【ニプロPESシリーズの性能表はコチラ】

③ポリエステル系ポリマーアロイ(PEPA)

・ 小分子物質から低分子タンパク・β2-MGの除去能に優れていて、Alb漏出が少ない
→ 少し栄養状態が悪めだけど、BUNなどが高めの人に使用するのも良い

・ エンドトキシンカットフィルタ(ETRF)としても使用可能

・ 現場ではぺパ膜って呼ばれてる

日機装が販売

PEPA膜だけ唯一使用したことがないんです!どんな感じか教えてほしいです。

➡PEPA膜についてフォロワーさんから、特徴を教えていただきました!

twitterでのやり取りを乗せます。(ご本人許可済み)

PEPA膜は、アルブミンが抜けずらいので、高齢な栄養状態イマイチといった感じの人向けなのですね!
「りぼんさん」ありがとうございました!(^^)

④エチレンビニルアルコール共重合体(EVAL)

EVAL膜は現在販売中止されています。

・ 抗血栓性に優れる

・ 拡散・分画特性に優れ、血漿分離機にも利用できる

・ 一過性の白血球減少も軽度

・ 現場では「エバール」って呼んでます

・ 川澄のkfシリーズが代表です

・ 抗血栓性を売りにしてますがぶっちゃけ使用してて、血栓めっちゃ多いです!もう使わなくなりました。

現在販売中止しています

EVAL膜販売停止の理由は?

【これは前の職場の先輩から聞いた身の毛もよだつ話なんですが…】
このEVAL膜ですが、数年前透析学会の偉い人たちが、「抗血栓性に優れていてマイルドなEVAL膜を状態の悪い患者さんに使用していこう!」と5年データを取る計画を立てたそうです。

しかし、計画を立てて3年目で患者の死亡率がかなり上がったそうです。
そして3年で計画打ち切りになったそうな、、、めでたしめでたし。

これは、前の職場の先輩から聞いた話です。

その先輩はとある県の学会役員で結構有名なので、本当の話だと思います。

実際使用していても、かなり残血が多く生体適合性は悪いなぁといった印象でした。

⑤ポリメチルメタクリレート(PMMA)

・ 生体適合性に優れ、β2-MG炎症性サイトカインの除去ができる

掻痒症の患者さんに使用

・ UFRが低いので除水量が多すぎるとTMP上昇が見られる

東レのNFシリーズで販売

・ 東レNFシリーズあるある➡透析液側の気泡かなり叩いても、無くならない(手痛い✋)

PMMAはβ2-MGと炎症性サイトカインも吸着する(炎症性サイトカイン忘れがち)

⑥ポリアクリルニトリル共重合体(PAN)

・ 一過性の白血球減少、補体活性化が少なく生体適合性に優れている

・ 現在販売されているホスパルやセプザイリスはAN69膜(PAN膜の中にAN69膜がある)

ACE阻害薬を使用すると血圧低下を招くので使用禁忌(後で説明)

ナファモスタット(フサン)は吸着されるので、使用はNG!

・ 現場ではパン膜って呼ばれてる

・ 唯一の積層型ダイアライザー

・ 販売はバクスター社のホスパルだけです。みんな現場ではホスパルホスパル言うてますね。

手動でプライミングする場合、プライミングや開始時に特別な手技が必要ですので、しっかり知識を持ち合わせておく必要があります!

AN69膜の大きな特徴は2

① 高い親水性に由来する良好な生体適合性
陰性荷電を有するので尿毒症物質の吸着による除去です。

生体適合性がすごくいいです。
つまりダイアライザを使って、アレルギー反応が合ったり、残血が多かったり、体に合わないといった人にとっておきです。

また、陰性荷電を有しているので、吸着によって老廃物を除去しています。(効率は悪いです)

〔適応〕
・不安定な循環動態
・慢性炎症
・高齢で緩徐な透析

近年、注目を浴びています!

AN69膜は1969年に開発された透析膜で、積層型という独自の構造を持っています。

AN69膜の69は1969年に発売された数字からとってるよ!

PAN膜とACE阻害薬は禁忌

PAN膜は陰性荷電が強く、プラジキニンの産生を刺激します。

ACE阻害薬はプラジキニンの産生を阻害するキニナーゼⅡを阻害します。

結果的にプラジキニンがキニナーゼⅡによって阻害されないので、血中にプラジキニン濃度が増大します。

プラジキニンは一酸化窒素(NO)を介した血管拡張・透過性亢進が生じるので、血圧が低下し、アナフィラキシーの症状が出ます。

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