次回は10/24(日)更新! 内容:透析と心不全《透析患者の死亡原因第1位》

合成高分子膜の種類と特徴《現場の意見・感想・裏側含む》

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ダイアライザー

ダイアライザーの膜の種類は大きく分けると2種類あり、セルロース系膜と合成高分子膜に分かれます。
そして合成高分子膜は6種類に分かれます。

それぞれの特徴について、現場の感想も踏まえてまとめました。

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合成高分子膜の種類

合成高分子膜はβ2-MGなど、低分子量タンパクの除去に優れています。
合成高分子とは、石油から得られる低分子化合物(単量体)を重合させ、高分子にして紡糸することで、繊維構造を形成させたものです。

①ポリスルホン(PS)

最も多く使われている膜です。
✅小分子から低分子タンパクやβ2-MGの除去能に優れるが、アルブミン漏出も多い
✅「旭化成」のAPSシリーズ・VPS、「フレゼニウス」や「東レ」も販売しています。
✅透析導入の際にも使用されますし、基本的に使用しやすい膜です

旭化成
フレゼニウス
東レ


PVP(ポリビニルピロリドン)が含まれています】
PVPが含まれていることによって生体適合性が良く、残血も少ないといわれています。
実際現場で使用していると、PS膜・PES膜・CTA膜はぶっちゃけどれも生体適合性は変わらないです。

なのでその患者さんに合うかどうか、個人差です。

目に見える残血は少ないという意味です。

実際白血球とか血小板とかを経時的にモニタリングすると、PVPの含まれているダイアライザーの方が優れているのかなとは思います。(個人の見解です)

PVPによる生体変化

PS膜ダイアライザーを使用した透析患者で、透析中の急激な血圧低下血小板減少などのアレルギー反応が出現する事例が報告されています。
その原因として、PS膜に親水化剤として配合されているPVPの溶出が影響しています。

②ポリエーテルスルホン(PES)

✅PS膜によく似た特性ですが、PS膜に比べて血小板変動と補体活性化が少ないです
✅Alb漏出が多い
✅現場では「ペス膜」って呼んでます
✅ニプロのPESシリーズが代表です
✅PES膜もPS膜同様にPVPが含まれていますが、PS膜よりは少ないです

【PES膜はPS膜に比べてPVP含有量は少ないのに、PS膜と同等の生体適合性を示しています】
PES膜はPS膜と似た化学構造を有する疎水性の膜素材です。
そのため、親水性ポリマーとしてPVPが使用されています。

しかし、PES膜はPS膜に比べると親水性が高いためPVP含有量は少ないです。
にも関わらずPS膜と同等の生体適合性を示します。

【ニプロPESシリーズの性能表はコチラ】

③ポリエステル系ポリマーアロイ(PEPA)

✅小分子物質から低分子タンパク・β2-MGの除去能に優れていて、Alb漏出が少ないです
✅エンドトキシンカットフィルタ(ETRF)としても使用可能です
✅現場では「ぺパ膜」って呼んでます
✅日機装が販売しています

PEPA膜だけ唯一使用したことがないんです!どんな感じか教えてほしいです。

➡PEPA膜についてフォロワーさんから、特徴を教えていただきました!

twitterでのやり取りを乗せます。(ご本人許可済み)

PEPA膜は、アルブミンが抜けずらいので、高齢な栄養状態イマイチといった感じの人向けなのですね!
「りぼんさん」ありがとうございました!(^^)

④エチレンビニルアルコール共重合体(EVAL)

✅抗血栓性に優れる
✅拡散・分画特性に優れ、血漿分離機にも利用できる
✅一過性の白血球減少も軽度
✅現場では「エバール」って呼んでます
✅川澄のkfシリーズが代表です
✅抗血栓性を売りにしてますがぶっちゃけ使用してて、血栓めっちゃ多いです!もう使わなくなりました。
✅現在販売中止しています

これは前の職場の先輩から聞いた身の毛もよだつ話です…
このEVAL膜ですが、数年前透析学会の偉い人たちが、「抗血栓性に優れていてマイルドなEVAL膜を状態の悪い患者さんに使用していこう!」と5年データを取る計画を立てたそうです。
計画を立てて3年目で患者の死亡率がかなり上がったそうです。

そして3年で計画打ち切りになったそうな、、、めでたしめでたし。
これは、前の職場の先輩から聞いた話です。

その先輩はとある県の学会役員で結構有名なので、本当の話だと思います。

⑤ポリメチルメタクリレート(PMMA)

✅生体適合性に優れ、炎症性サイトカインの除去に優れます
✅掻痒症の患者さんに使用できます
✅β2-MGは吸着除去されます
✅東レのNFシリーズで販売されています
✅東レNFシリーズあるある➡透析液側の気泡かなり叩いても、無くならない(手痛い✋)

⑥ポリアクリルニトリル共重合体(PAN)

✅一過性の白血球減少、補体活性化が少なく生体適合性に優れます
✅PAN膜はAN69膜とも表記されます。同じ意味です
✅ACE阻害薬を使用すると血圧低下を招くので使用禁忌です(後で説明します)
✅ナファモスタット(フサン)は吸着されるので、使用はNG!
✅現場では「パン膜」ってみんな読んでますね
✅唯一の積層型ダイアライザー
✅販売はバクスター社のホスパルだけです。みんな現場ではホスパルホスパル言うてますね。
手動でプライミングする場合、プライミングや開始時に特別な手技が必要ですので、しっかり知識を持ち合わせておく必要があります!

AN69膜は1969年に開発された透析膜で、積層型という独自の構造を持っています。

大きな特徴は2つ。
①高い親水性に由来する良好な生体適合性
陰性荷電を有するので尿毒症物質の吸着による除去です。

適応は、不安定な循環動態慢性炎症を有する患者さん。
また、高齢で緩徐な透析を実施する患者さんです。

近年、注目を浴びています!

PAN膜とACE阻害薬は禁忌です

PAN膜は陰性荷電が強く、プラジキニンの産生を刺激します。

ACE阻害薬はプラジキニンの産生を阻害するキニナーゼⅡを阻害します。

結果的にプラジキニンがキニナーゼⅡによって阻害されないので、血中にプラジキニン濃度が増大します。

プラジキニンは一酸化窒素(NO)を介した血管拡張・透過性亢進が生じるので、血圧が低下し、アナフィラキシーの症状が出ます。

【ダイアライザにについてのスライドはコチラ】

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