次回は10/24(日)更新! 内容:透析と心不全《透析患者の死亡原因第1位》

「ビタミンE固定化膜」について解説!《臨床効果》フリーラジカルが分かればすべてがわかる!

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ダイアライザー

【こんなことがわかる!】
✅ビタミンE固定化膜ってなに?
✅ビタミンE固定化膜の効果は?メリットは?

【ビタミンE固定化膜】…そのベールはまだ謎に包まれているはず…。笑

そのベールをはがして解明いたします!

なんでビタミンEを固定化するの?
固定化したことで何がどうなるの?
って感じですよね!?

ビタミンEを固定化しているのは、この2つだけ理解していれば大丈夫です。

✅活性酸素
✅フリーラジカル
この2つだけです!

途中、高校の化学が入ります!

ということで、ビタミンE固定化膜についてまとめました!

かなり有益な記事になっていると思います(^^)

レッツラゴー!

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ビタミンE固定化膜開発の背景

最初に用語の解説!
✅「活性酸素」「フリーラジカル」は後で解説します!

✅抗酸化酵素➡活性酸素とフリーラジカルを消去してくれる酵素のこと(良いヤツ)

✅過酸化脂質➡コレステロールや中性脂肪といった脂質が、活性酸素によって酸化されたもの(悪いヤツ)

「なぜビタミンEを固定化したのか?」

結論から言えば、活性酸素」「フリーラジカルの消去をするためです。
(活性酸素・フリーラジカルはのちに説明します)

生体内では恒常的に活性酸素・フリーラジカルが発生しています。

一方、生体の各組織には活性酸素・フリーラジカルを消去する酵素抗酸化酵素が存在します。

この抗酸化酵素が、活性酸素やフリーラジカルの発生を消去してくれています。

しかし、全ての活性酸素とフリーラジカルが、抗酸化酵素によって消去されるわけではありません。

一部の活性酸素とフリーラジカルは抗酸化酵素による消去から逃れて、次々と酸化反応を繰り返しています。

そして、過酸化脂質を生成し、細胞膜に障害を起こしています。

透析患者では、透析中に血液がダイアライザと接触することによっても、活性酸素・フリーラジカルが発生しています。

その結果、過酸化脂質の産生が増加し、細胞膜に障害を起こしています。

つまり、体内の酸化ストレス過剰に産生される状態です。

ビタミンE
・ビタミンC・βカロチン・グルタチオンなどは、活性酸素・フリーラジカルを消去し、過酸化脂質の生成を抑制します。

透析患者で、活性酸素・フリーラジカルの消去を促進するために、PS膜にビタミンEを固定化した膜(VPS-HA・VPS-VA:旭化成)が開発されました。

活性酸素ってなに?

活性酸素とは他の物質を酸化させる力が非常に強い酸素のこと」です

私たちは呼吸によって酸素を取り入れていますが、そのうちの約2%が活性酸素になります。

活性酸素の役目
殺菌力が強いので、体内の細菌やウイルスを撃退してくれます。

しかし、活性酸素が増えすぎると、正常な細胞や遺伝子を攻撃(酸化)してしまいます。

フリーラジカルってなに?

フリーラジカルは、化学の授業を思い出してください。

フリーラジカルとは、不対電子をもつ原子や分子のこといいます。

どういうことかというと…

✅原子の中心には原子核があり、原子核の周囲には電子が2個ずつ、一定の軌道で収容されています(下図)

✅しかし、電子が奇数しかない場合、一番外側の軌道には1個の電子しか収容されません。(下図)

このような不対電子をもつ原子や分子をフリーラジカルといいます

フリーラジカルは電子を奪って安定化する

《フリーラジカルの性質》
フリーラジカルは不安定な状態にあるので、他から電子を1個奪うか、あるいは電子を1個与えて、安定化しようとします。

フリーラジカルは非常に反応性が強く、細胞膜や組織を構成する脂質やタンパク質を攻撃するために、様々な病気や老化の原因となります。

この電子を他から奪うことを酸化するといいます

フリーラジカルによる細胞膜の障害

電子を奪われ、不対電子をもった物質は、フリーラジカルになります。

これが酸化反応の開始です。

そして、フリーラジカルによる細胞膜の破壊が始まります。

【フリーラジカルによる細胞膜の破壊】
✅赤血球の膜破壊➡貧血
✅肝細胞破壊➡肝障害
✅胃粘膜破壊➡胃潰瘍

こういったことに繋がります。

ビタミンE固定化膜の効果

ビタミンE固定化膜がもたらす良い効果は次の通りです。

貧血改善(一番有力)
✅末梢循環改善
✅抗酸化作用
✅血圧安定化
✅栄養状態の改善

これらが挙げられ、長期予後の改善につながる言われています。

しかし、まだ研究が少ない、データが少ないのか、確かな情報が得られていません( ゚Д゚)

この中で一番有力で、データが確かなものであった貧血改善だけ紹介します。

ビタミンE固定化膜と貧血

【ビタミンEの貧血に対する効果】
✅赤血球膜の安定化
✅赤血球寿命の延長

これらが貧血の改善になります


ビタミンE固定化膜の長期使用で、ESA投与量が減少した報告があります。

透析患者での酸化ストレスによる貧血に対して、ビタミンEはこれら一連の酸化連鎖反応を止めます。

これが、赤血球膜の安定化赤血球寿命を延長すると考えられます。


透析患者は赤血球寿命が短縮されます。

透析患者は酸化ストレスにより、赤血球膜の脂質過酸化が亢進します。

すると、赤血球膜が不安定になります(脆弱化ぜいじゃくか

赤血球膜が不安定になると、赤血球の粘土や形態異常が生じ、溶血します

これが、赤血球寿命短縮の流れです。


ビタミンE固定化膜は、赤血球寿命を延長してくれます。

ビタミンEは細胞膜脂質の酸化連鎖反応を止めることによって、赤血球膜が安定します。

これが、赤血球寿命の延長に繋がります。

ちょっと難しいですが、下記のような効果が生まれます。
✅赤血球形態異常の改善による赤血球粒度分布幅の低下
✅溶血の改善による間接ビリルビンの減少
✅赤血球寿命の延長による赤血球内クレアチン濃度の低下

ビタミンE固定化膜の短期的な臨床効果

1. 補体活性の抑制
2. IL-1βの産生減少
3. 白血球からの顆粒球エラスターゼの放出抑制
4. 血液凝固となる原因の接触相の活性化抑制➡抗血栓性
5. 活性酸素の産生減少
6. 赤血球膜を構成する脂質の過酸化を抑制
7. 酸化LDLの産生抑制

炎症の抑制がされているようですね。

VPSシリーズの紹介

ビタミンE固定化膜は、旭化成さんだけで膜は2つあります

(1)VPS-HA
(2)VPS-VA

機能区分Ⅰa型の「VPS-HA」のみが販売されていたため、β2-MGを積極的に除去する治療を望む患者さんに対して、使用できませんでした。

更なる除去性能の向上のため「VPS-VA」機能区分Ⅱa型が開発

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