毎週月曜更新!次回のブログ更新は10/21(月)内容:透析患者の高血圧

BV計の基礎を解説

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DW(ドライウェイト)
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はじめに

透析において、血圧低下を起こすことなく透析治療を終えることが理想です。

BV計は血圧低下予測になったり、DW、除水量を決定する大事な指標として活用されています。

今回はBV計について解説していきます。

  • 「BV計」を透析学習塾で動画で学習することができますよ
7分で解説

BV計ってなに?

BV:Blood Volume

BV計は、除水によって起こる血管内容量(ブラッドボリューム)の変化を、経時的に評価しています。

Ht(ヘマトクリット)の差を見て、どれだけ濃縮しているか(減っているか)を表しています。

BV計はコンソールに入る「in側」と「out側」のHtの差を見ています。

なので以下のような式になります。

〔(Ht in / Ht out)-1〕×100(%)

例えば、以下のような条件だとすると、

・ Ht in:35%
・ Ht out:40%

答えは「-12.5%」になります。

基準値は-15%以内なので、この場合は除水量は適切かなといった1つの指標にはなります。

BV計の見方、基準値

BV計の見方と数値を以下に示します。

BV計の波形
  • 基準:一般的には-15%以内が基準値。-15%程度で終了が良いと言われる
  • 除水がきつい:-15%以上は血圧が下がる危険エリア。除水がきつい、DWが合っていないかもしれない
  • 除水がゆるい(あまい):プラズマリフィリングが速い。つまりDWが緩く、体液過剰になっている可能性がある

このような見方をします。

なのでBV計は、血圧が下がるかもしれない危険エリアを知らせてくれます。

循環血液量が少なくなってるよ~!

血圧低下するよ~!

という風に、血圧低下を知らせてくれます。

短時間(15分くらい)に6%以上の低下は、血圧低下のサインです。

また日機装社のコンソールでは、以下のようなリファレンスライン(エリア)があります。

リファレンスエリアは、この範囲でBV波形が推移すると血圧低下がなく、透析できますよといった予測になります。

絶対ではないですが、参考になります。

ただDWは、何かの指標で一発で決まるわけではありません。

いろんな指標と合わせて見て、BV計もその参考指標の一部になります。

BV計が-15%付近だからといって、「DWオッケー」ではありません。

BV波形の例

BV波形が下がる時は、以下のようなことが考えられます。

  • 血圧低下や再循環:開始直後の低下
  • 血圧低下:透析中~後半
  • 体位変換:透析中や透析中の食事

開始直後の低下では、再循環を疑います。

なので回路を逆につないでいないか、などをチェックします。

透析開始直後でも血圧低下が起きることはあるので、患者さんの状態も合わせてチェックします。

また、体位変換でもBV波形は下がります。

特に臥位→座位(または半座位)に変わった時です。

昼食のため坐位になると、重力の影響によって約500~800mLの血液が、胸腔内から下肢や腹部内臓系へ移動し、心臓への還流血液量が約30%減少する

と言われています。

一方で波形が上昇する時は、補液した場合や下肢挙上、座位→臥位になった場合などです。

つまり循環血液量が増えた場合に、波形は上がります。

この他の「BV計はなぜHtを見ているのか?」や「プラズマリフィリングの速さ」などは、コチラの動画で分かりやすく解説しています。

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