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鉄の囲い込み(ACD)ってなに?

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鉄に詳しくなる
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はじめに

透析患者の鉄代謝は特殊です。

透析患者では、慢性的な微炎症状態による鉄の囲い込み(ACD)になっている場合があります。(全員ではありません)

ではACDとはなにか、解説していきます。

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7分で解説

鉄の囲い込み(ACD)ってなに?

ACD(anemia of chronic disease)とは、慢性炎症(疾患)に伴う貧血のことです

  • anemia:貧血
  • chronic disease:慢性病

透析患者ではACDによって「Fe(血清鉄)の低下」「フェリチンの増加」が起きている場合があります。

これには「鉄利用障害」「鉄の囲い込み」が存在しています。

では「鉄の囲い込み」とは何か?

「鉄の囲い込み」とは、鉄が血管内に少なく、細胞内に無駄に溜まっている状態のことです

このため細胞内に鉄が無駄に溜まり、血管内に入ってこないので、「Fe(血清鉄)の低下」「フェリチンの増加」が起きます。

これにはヘプシジンという物質が関与してきます。

ヘプシジンってなに?

ヘプシジンとは、肝臓で合成される20-25アミノ酸からなるペプチド(たんぱく質)ホルモンです。

貯蔵鉄の増加炎症により合成促進されます。

鉄の動き

ヘプシジンの作用を理解するには、上図の、鉄の動きを理解しなければ話は進みません。

まず通常では、血液中の鉄が少なくなると細胞内鉄(フェリチン)から血液中に鉄が供給されます。

これが通常の動きです。

しかし、炎症のある透析患者さんは、血液中の鉄が少なくなっても、フェリチンは血液中に鉄を供給できなくなる場合があります。

なぜかというと、ここにヘプシジンが関与しています。

ヘプシジンは、細胞内から血液中への鉄放出を抑制します。

つまり炎症が起き、ヘプシジンの合成が亢進すると、鉄の利用を障害するというわけです。

また炎症だけでなく、鉄過剰によってもヘプシジンは産生されます。

鉄過剰(高フェリチン)→ ヘプシジン発現 → 血管への鉄の吸収を抑制する

ACDになるとどうなる?

ACDになると、細胞内の鉄が囲い込まれている状態なので「細胞内鉄は上昇」そして「Feは低下」します。

これらが骨髄での鉄利用障害を引き起こす貧血の原因になります。

炎症がある場合(CRP↑↑)は、「Feの低下」「フェリチンの増加」が起きているときがあるので、患者さんのデータを見てみてください!

また鉄の囲い見込みが長期にわたって起こると、以下の様な障害が出てきます。

  • 網内系 → 鉄の利用障害、鉄の機能性欠乏
  • 白血球 → 易感染性
  • 血管内皮細胞 → 動脈硬化
  • ミトコンドリア → エネルギー産生障害

鉄剤と鉄の囲い込み

透析では血液回路から鉄剤の投与が可能なため、他の疾患患者よりも安易に静注鉄剤が使用されやすい環境にあります

一旦体内に投与された鉄は過剰状態でも、生理的に体外へ排泄されることがありません。

なので慢性炎症状態では、投与された鉄剤は造血に使用される割合が低く、鉄の囲い込みが起こり、組織の機能障害の原因となっている可能性があります。

安易な鉄剤の補充は、ACDの引き金になるので注意です。

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