TMPってなに?
TMPとは直訳すると「膜間圧力差」といいます。
透析膜の中空糸に加わる圧力のことです。
下記画像の中空糸の赤線の部分に加わっている圧力のことです。

計算方法

ダイアライザ内の圧力から透析液圧力を引けばTMPは算出されます。
除水をしていると、血液側の圧力が高くなるので、必ず陽圧が出ます。
(除水がゼロの場合は、0と出たりマイナスになることもありますが、これは誤差範囲です)
一方、逆濾過が起きているとTMPは陰圧の値が出るのでマイナスが出ます。
また、透析液圧は入り口も出口も濃度が同じなので圧力もほぼ同じです。
なので、入り口と出口を割る2しなくても、透析液圧で良いでしょう。

血液側入口圧は「Aチャンバの圧力」、血液側出口圧は「Vチャンバの圧力」と思ってください。
TMPから何がわかる?
①膜の目詰まり(ファウリング)を教えてくれる
②TMPが高い=中大分子物質の除去も増えている
TMPが低いと膜に対する負荷(圧力)がかかっていません。
一方、高いと膜に対する負荷が加わっているということになります。
除水量が多かったり、オンラインHDFで補液量が多かったりすると血液が過濃縮し、除水(濾過)をするのに、多くの圧力を加えなければなりません。
この時、中空糸の孔には多くの圧力が加わっています。
過度に圧力が加わると、アルブミンなどの大きい物質のタンパク質が抜けていく可能性があります。
これをアルブミンリークと言います。
なので、TMPが高い=中大分子の除去が増えているということになります。
またこの時、中空糸の孔にタンパク質が付着し、膜が目詰まりを起こしている可能性があります。
これをファウリングと言います。
除水量や補液量が多い➡血液過濃縮➡膜が目詰まり➡除水に多くの圧を加えなければならない➡中大分子物質の除去が増える
簡単に表すとこのような流れになります。
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