次回のブログ更新は11/28(月)です。内容:#2 透析配管の汚れの原因3つ

Vチャンバの残血対策 原因と対策5選《回路交換の8割は穿刺トラブル》

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透析装置
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透析治療をしていると頻回に出くわすのが、残血です。

残血は箇所によって原因が異なります。

Aチャンバ、ダイアライザ、Vチャンバのこの3つが残血のできる場所ですが、一番多いのがVチャンバの残血です。

回路交換の原因(凝血)で一番多いのがVチャンバの凝血です。

つまり、頻回に出くわすVチャンバの凝血をしっかり対策することが重要です。

そしてなぜ残血が起きているか、発生原因ごとの対策がありますので、そこもしっかり押さえておく必要があります。

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残血があったときまずどうする?

返血をした時に残血があった場合、まず確認するのはどこにどの程度残血があるのか、です。

①どこに(Aチャンバ・Vチャンバ・ダイアライザ)
②どの程度(1+,2+,3+であらわします)

2つが確認できたら、再現性があるのかどうか次回の残血も確認します。

そこで残血がなかった場合、変に対策をするより様子見をします。

残血はその日の患者の体調や穿刺の具合で変わってきます。

例えば、その日たまたま風邪ひいてたとか、穿刺のミス(A側)があった場合は残血に繋がります。

残血が起こる原因5選

①ヘパリン量が不足している

ヘパリン量(抗凝固量)が不足していると抗凝固の作用が弱くなるので、血液が固まりやすくなり残血に繋がります。

②CRPが高い(炎症反応)

炎症反応が起きている場合は、血球にストレスが加わっています。

血液が回路(異物)に触れたり、空気に触れた場合の凝固反応は通常の時よりも敏感です。

③穿刺(A側)の失敗や時間がかかった

回路凝固の約7~8割は穿刺時のトラブルです。

A側穿刺を失敗した、または内筒を出し入れした、ぐりぐりした時は凝血が非常にできやすくなります。

なぜかというと、血球にかなりのストレスがかかるからです。

また内筒の出し入れや、ぐりぐりして時間がかかった場合は針先に血栓ができ、その血栓が回路に流れ込み、他の血液も凝血しやすくなります。

血管内の血栓を引き込む可能性もあります。

④脱血不良

脱血不良がある時は回路内が陰圧になります。

陰圧になると空気(微小気泡)が発生し、空気と接触した血液は凝固反応が促進します。

血球は陽圧には強いが、陰圧に弱いという性質があります

⑤血液の濃縮(除水量が多い、オンラインHDF時)

除水量が多いと血液が濃縮(どろどろの状態)します。

血液が濃いと回路凝固を起こしやすくなります。

またオンラインHDFでは補液量が多いと、その分濾過する量も多くなるので、血液が濃縮します。

Vチャンバの残血対策

血液回路の残血や、透析が継続できないほどの凝血(回路交換)は、ほとんどがVチャンバで起こります。

タイトルにもありますが血液回路の交換(透析が継続できないほどの凝血)の部位のほとんどがVチャンバの凝血で、その原因の約7~8割が「穿刺時のトラブル」です。

あくまで回路交換の原因ですけどね。

残血(回路交換に至らないまでのもの)に関しては様々な原因があります。

残血対策

①抗凝固剤の見直し

②補液(開始1時間目)

③補液(終了1時間前)

残血対策は主に上の3つです。

しかしこの3つは、穿刺時のトラブルがない、脱血不良がないのを念頭に置いての対策です。

Vチャンバ残血の原因と対策5選

原因①:穿刺時(A側)のトラブル

原因②:ヘパリン量(抗凝固量)が足りていない

原因③:除水量が多い、オンラインHDFの場合は補液量が多い

原因④:CRPの上昇

原因⑤:脱血不良

原因①:穿刺時(A側)のトラブル

【対策:穿刺部の変更、様子見】
穿刺時のトラブルは残血に繋がります。

タイトルにもある通り、回路凝固の約8割は穿刺時のトラブルです。

ここを改善することが一番重要です。

スタッフのスキルもあるのでたまたま失敗して残血がある場合は様子見しましょう。

毎回そこの部位で失敗がある場合は、穿刺部を変更したほうがいいです。

A側穿刺に時間がかかった場合、そのままつないでませんか?

A側も生食で洗浄することをお勧めします。

Vの時はよく生食洗浄してからつなぎますよね。Aもした方が良いです。

なぜかというと、A針でできたコアグラ(血栓)が回路内に流れて、このほんの小さな血栓が引き金となり、回路が凝血します。

今度、穿刺時に1発で入らずにごそごそしたときは、A側生食洗浄してみてください。

血栓が取れますよ。

原因②:ヘパリン量(抗凝固量)が足りていない

【対策:ヘパリンの増量】
ヘパリンの量が足りていないときは、適正範囲内で増量しましょう。

注意点としては、ヘパリンの増量をする場合は止血時間も考慮しましょう。

止血時間がもともと長い人にヘパリンを増量しては、さらに止血不良を助長してしまいます。

原因③:除水量が多い、オンラインHDFの場合は補液量が多い

【対策:QBの見直し、補液量が多い、DWの見直し、補液をする】
除水量が多く 過濃縮して凝血が起きたりもします。

QBが除水量に対して低すぎたりしないか確認します。

除水が1時間に1LかかっているのにQBが100とかでは濃縮に繋がります。

低すぎる場合はQBをアップしましょう。

また、オンラインHDFで補液量が多い場合も濃縮につながるので、補液量を下げるなどの対処が必要です。

DWがきつすぎると除水していくうちに体内の水分量が無くなるので、濃縮に繋がります。

そもそもDWが合っているのか?も視野に入れる必要があります。

透析中に補液を100mlする方法もあります。

いつも濃縮がかかるタイミング(だいたい透析開始3~4時間目)で補液を100mlします。

濃縮がかかるタイミングは、回路の血液の色の濃さ、静脈圧の変動などをみて精査しますが、大体終了1時間前からです。

原因④:CRPの上昇

【対策:ヘパリンの増量、補液】
CRPの上昇(なんらかの感染等)があると、血液凝固しやすくなります。

CRPが落ち着くまでヘパリンを増量するか、透析開始時1時間で補液100mする方法もあります。

透析が開始して1時間目までに血小板などが変化し、凝血作用が促進されます。

なので、開始1時間目で補液することは非常に有効な方法です。

CRPが落ち着いたら元に戻して再評価してみましょう。

原因⑤:脱血不良

【対策: シャント状態の確認、穿刺部の見直し、QBの変更 】
脱血不良があると、微小気泡が発生したり、回路内圧が陰圧になったりして血液が固まりやすくなります。

🌸シャント状態の確認
🌸穿刺部の見直し
🌸QBの変更

脱血不良がある場合、その場の対応としてはQBを下げ回路に陰圧がかからないように調節します。

QBは脱血不良が起こらない程度に下げてあげます。

次回穿刺する場合は穿刺部の変更もします(場合によっては同部位に穿刺して再現性があるかどうか確認します。たまたまかもしれないので)

続く場合や、シャント狭窄が見られる場合はエコーや造影をオーダーします。

これらがありますが、その場面に出くわさないと何とも言えないので、慎重に精査する必要があります。

残血対策はほとんどが透析開始1時間の間に起きたイベントが原因です。

なので最初の1時間が非常に大切です!

【Aチャンバの残血対策はコチラです!】

【ダイアライザの残血対策はコチラです】

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