はじめに
ダイアライザには膜の性質上PVP(ポリビニルピロリドン)という物質を添加させないと、透析できないものがあります。
簡単に言うと、水の通りをよくしてくれる物質です。
ではこのPVPとはなにか?解説していきます。
PVPってなに?
PVP:ポリビニルピロリドン
PVPとは親水化剤のことです。
PS膜やPES膜は疎水性の膜です。
なので親水化剤であるPVPを添加しないと、水になじむことができず、透析治療をすることができません。
水の通りをよくするためにもPVPが配合されています。
PVPの長所と短所
長所は以下の通りです。
- 生体適合性が良くなる
- 残血が少なくなる
PVPを配合していることによって生体適合性が向上したり、それに付随して残血が少なくなったりします。
短所はアレルギーを起こす可能性があるということです。
透析中の急激な血圧低下や血小板減少、発熱、頭痛などのアレルギー反応を起こすことが知られています。
膜からPVPが溶出してアレルギーが起こる人とそうでない人がいます。
アレルギーを起こす人にはPS膜やPES膜の使用は禁忌です。
PVPのアレルギーがあり、透析中に血圧低下を起こす人は透析開始して30分程度で血圧低下やショック症状が起きます。
除水を停止して補液したりして血圧が回復すれば、そこから除水再開するっていう感じですね。
PVPアレルギーの対策
- 大量プライミング(3L以上)
- 透析膜を変える
PVPのアレルギーがあった患者さんには原則PVP含有ダイアライザの使用は禁忌です。
なので、ダイアライザをPVP非含有のものに変更します。
また、3L以上の大量プライミングでPVPの量を低減できるともいわれています。
PVPが配合されている膜
- PS膜
- PES膜
- PEPA膜(FLX以外)
PS膜PES膜には全てPVPが配合されています。
PEPA膜には配合されているものとそうでないものがあります。
PEPA膜はFLX以外にPVPが含まれています。
【ダイアライザの特徴はコチラで解説しています!】
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