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【透析と低血圧】透析中に血圧が下がる原因5つ

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合併症
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はじめに

低血圧は、最も発生頻度の高い合併症です。

また透析中の過度な血圧低下は生命予後悪化因子です。

今回は透析中に血圧が下がる原因5つまとめました。

  • 「透析中に血圧が下がる原因5つ」を透析学習塾で動画で学習することができますよ
8分の動画で解説

血圧低下を起こしやすい患者の特徴と症状

血圧低下を起こしやすい患者の特徴や、自覚症状はどんなものがあるか、下記にまとめます。

血圧低下を起こしやすい患者の特徴

  • 高齢
  • 糖尿病
  • 低栄養
  • 貧血
  • 心機能障害

症状

  • あくび
  • 吐き気・嘔吐
  • 頭痛・動悸
  • 冷や汗

特に透析中では生あくび冷や汗が多くみられます。

透析低血圧ってなに?

透析中に血圧が低下することを「透析低血圧(IDH:intradialytic hypotension)」と言います。

透析低血圧の定義を以下に記載します(K/DOQIガイドライン)

透析中に収縮期血圧が20mmHg以上あるいは、症状を伴って平均血圧が10mmHg以上低下する場合

と定義されていますが、実際現場で働いていると、20mmHg以上の血圧低下はざらにあるので、この定義はどうなんでしょうか(;^ω^)

実際に、この定義に根拠はないみたいです。

透析中の顕著な血圧低下は、臓器への血液還流が急激に低下して、心虚血脳血流の減少を招きます。

透析中に血圧が下がる原因5つ

透析低血圧の原因は大まかにいうと5つです。

  1. ドライウェイトが低すぎる
  2. 除水量が多すぎる(一番多い)
  3. 低アルブミン血症(栄養障害)
  4. 貧血
  5. 降圧薬の影響

では1つずつ解説していきます。

①ドライウェイトが低すぎる

ドライウェイトの設定が低すぎると、透析の後半に循環血液量が著しく減少するので、血圧が下がります。

透析終了前に毎回のように低血圧になったり、下肢つり(筋痙攣)が起きたり、声がかれる、強い倦怠感などの症状が起きたりします。

適切なドライウェイトを設定することが大事です。

【ドライウェイトはコチラの記事を参考にしてください】

②除水量が多すぎる

低血圧になる原因として最も多いのは、除水量が多いことです。

除水量が多いとプラズマリフィリングが、除水量に追い付かず血圧が下がります。

プラズマリフィリングとは、血管外(細胞外液)から血管内に水分が移動する現象のことです。

除水速度は15mL/kg/hr以下にとどめるのが理想なので、体重50kgの人だったら1時間当たりの除水量が0.75L/h以下になるようにします。

除水量が多すぎることの原因は体重の増えです。

体重の増えが大きいと、その分除水量が多くなります。

体重の増加は中1日で3%、中2日で4~6%を守るように心がけることが大事です!

体重が50kgの人は、中1日で1.5kg、中2日で2.5kg以上増えてこないように指導することが大切です。

【プラズマリフィリングはコチラの記事!】

③低アルブミン血症(栄養障害)

栄養不良になり、※1低アルブミン血症になると、血管の膠質浸透圧が低値となり、※2プラズマリフィリングレートが減少します。

すると、血管内への体液移動が不十分になり(血管内への体液移動が除水に追い付かない)、血圧低下を招きます。

※1. アルブミン値が2.5g/dL未満で、高度の栄養障害です。
(病態栄養認定管理栄養士のための病態栄養ガイドブック,2016)

※2. プラズマリフィリングレートとは、プラズマリフィリングの速さのことです。

低栄養による、低アルブミン血症は死亡リスクを増加させます。

やみくもに体重制限をするのではなく、塩分と水分は制限しても、栄養は十分に摂取するように指導することが大切です。

【アルブミンについてはコチラの記事で解説しています】

④貧血

貧血と血圧は、直接的に作用するのではなく、間接的に作用します。

腎不全になると、造血を促すエリスロポエチンの産生が低下するので、腎性貧血を起こします。

そして、貧血と血圧は間接的に作用します。

貧血になると、全身の酸素の運搬が減少します。

すると、酸素の透過性を良くするために血管を拡張します。

こうすることで、酸素を効率よく取り込めるようにします。

結果、血管が拡張するので血圧が低下します。

⑤ 降圧薬の影響

降圧薬を飲んで透析をした場合、降圧薬の効果が透析中も持続している場合があります。

スタッフやドクターに内服のタイミングなどを相談してみましょう。

プラズマリフィリングってなに?

プラズマリフィリングとは、血管外(細胞外液)から血管内に水分が移動する現象のことです。

透析で除水をするときは、血管の血液から水をひきます。(詳しくは、血液の中の血漿成分を抜く)

すると循環血液量は減少しますが、その減少した分を補うために、血管の外にある細胞外液(間質液)が血管内に移動します。

この、水分の移動減少をプラズマリフィリングといいます。

体重65kgの患者さんだと、血液量はおよそ5,000mlです。

除水が2,500mlだと、血液量の半分がなくなってしまいますよね。

しかし実際は、プラズマリフィリングが起きているので、水分がきちんと血管内に移動して保持されているので、循環血液量は保たれています。

  • プラズマ=血漿
  • リフィリング=再充填または補充
  • プラズマリフィリング=血漿の補充(除水は血液中の血漿成分を抜くので)
  • プラズマリフィリングレート=プラズマリフィリング(水分移動)の速さ

体重増加が多く除水が多い人で、後半に血圧が下がる人は、この「プラズマリフィリング」が間に合ってない状況です。

除水のスピードが、プラズマリフィリングレートを上回ってしまうので、血圧が下がります。

例えば、、、除水が0.5L/hでかかっていて、プラズマリフィリングレートが0.5L/hだと血圧は維持できます。

しかし、除水が0.5L/hにも関わらず、プラズマリフィリングレートが0.2L/hだと、血液循環量は少なくなってしまうので、血圧が下がります。

【透析と高血圧の記事はコチラ!】

【他の合併症はコチラ】

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