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ESA製剤 種類と特徴まとめ《エスポー・エポジン・ネスプ・ミルセラ》

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薬関連
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はじめに

透析患者では腎不全によって赤血球が作られなくなる、腎性貧血になります。

なのでESA製剤を投与し、赤血球の増殖を促します。

そうすることでHbを基準値まで保ちます。

今回はESA製剤の種類や特徴をまとめていますので、ぜひ薬の名前だけでも覚えて帰ってください。

  • 「ESA製剤の特徴」を透析学習塾で動画で学習することができますよ
誰でもスライド保存できます

ESA製剤の種類

ESA製剤の種類
  1. エスポー(エポエチンアルファ)
  2. エポジン(エポエチンベータ)
  3. エポエチンアルファBS(エポエチンカッパ)エスポーの後発品
  4. ネスプ(ダルベポエチンアルファ)
  5. ミルセラ(エポエチンベータペゴル)

ESA製剤の違いは半減期投与間隔です。

名前半減期投与間隔この3つ覚えるだけで構いません。

①エスポー・エポジン・エポエチンアルファBS

  • 半減期:約7時間
  • 投与間隔:毎透析ごと(週3回)

3種類とも半減期がさほど変わらないので、まとめて7時間と覚えておきましょう

この3つとも有効成分に違いがあるだけで、効果は同じです。

  • エスポーの有効成分:エポエチンアルファ
  • エポジンの有効成分:エポエチンベータ

糖鎖の違いがあるだけで他は変わりません。

エポエチンアルファBSはエスポーの後発品です。

②ネスプ

  • 半減期:約25時間
  • 投与間隔:週1回

ネスプは半減期が25時間と長いので、投与間隔が週に1回でかまいません。

患者や医療スタッフにとっても楽になった!

毎透析ごと投与のエスポーやエポジンでは、その都度準備がいりますし、患者にとっても負担がありました(副作用があるから)。

症状が安定していても週に3回打たないといけない…。

ネスプでは作用時間が長いので、少ない注射回数でOKとなりました。

骨髄異形成症候群にも適応がある

ネスプは腎性貧血だけの投与ではなく、骨髄異形成症候群にも投与が可能です。

適応が広いのも特徴の一つです。

③ミルセラ

  • 半減期:168~217時間(約200時間でいいです)
  • 投与間隔:月1回

ミルセラはネスプよりもさらに半減期が長くなり、月に1度の投与でOKです。

治療初期や他剤からの切り替え時でも2~4週に1回の投与でいいので、最も注射の負担が少ない造血薬剤です。

しかし、月に1度なので投与を忘れてしまったりという注意点もあります。

一番使いやすいのはネスプ

個人的な感想にはなりますが、一番使いやすいのはネスプです。

まずエポジンやエスポーでは毎透析ごとの投与なので、

  • 準備に時間がかかる
  • 投与に手間がかかる
  • 患者の負担がある(副作用など)
  • 廃棄量が増える

などのマイナス点があります。

またミルセラでは月に一度なので、投与忘れがあったりします。

なので、以上の点を踏まえて、ネスプが一番使用しやすいのです。

エポジンからネスプへの切り替え

エポジンからネスプへの切り替え換算表

他院から来た患者さんがエポジンを使っていて、うちではネスプを使っているみたいなときありますよね。

エポジンからネスプへ切り替えるとき、どのくらいの量になるのか上の表にまとめました。

注意点はこのエポジンの単位数は合計の単位数なので注意してください。

例えば1回1500単位でそれを週に3回なら、4500単位になります。なのでネスプでは15μgです。

といった見方になります。

また、腎性貧血はESA製剤の治療だけでなく、内服が可能なHIF-PF阻害薬が新たに販売されました。

HIF-PH阻害薬はコチラでまとめていますのでぜひ参考にしてください。

腎性貧血には鉄も重要です。

いくらHbあっても、鉄が十分な量ないと全身に運ぶことができません。

鉄についてはコチラでまとめています。(結構人気記事です)

【他の薬剤のまとめはコチラ】

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