はじめに
透析患者では腎臓の機能が落ちているため、尿中にカリウムが排泄されず血液中に蓄積します。
すると血液中のカリウム濃度が高くなり(高カリウム血症)、不整脈や心停止など重篤な症状が現れます。
カリウム吸着薬は血液中のKを吸着して、うんちとして排泄することによって、血液中のKを下げてくれます。
服用した際は、低カリウムにならないように注意してください。
カリウム吸着薬の種類
①カリメート、アーガメイトゼリー
②ケイキサレート
③ロケルマ
①カリメート、アーガメイトゼリー
🌟 一般名:ポリスチレンスルホン酸カルシウム
🌟 体内のカルシウムをカリウムと交換して便中に排泄
🌟 副作用:便秘に注意
このお薬はスチレン樹脂にスルホン酸基を付加した不溶性の陽イオン交換樹脂です。
高カリウム血症に投与することで、下部結腸付近においてカリウムイオンを結合し、そのまま体外に排泄されます。
【アーガメイトゼリー】
アーガメイトゼリーは、「カリウム吸着薬がどうにか飲みやすくならないか」という思いの元開発された薬です。
薬がゼリー状になっているので服用しやすい!
カリウム吸着薬は散剤しかなく非常に飲みにくいのが特徴
散剤の薬はというと...
口に入れた瞬間の熱感と砂のようなザラツキ感があり、服用量の多さから患者さんは大変😢
【それなら錠剤やカプセルにしたらいいんじゃないか?】
1回の服用量が5~10gと多いため錠数やカプセル数が膨大になってしまう。
【アーガメイトゼリーの利点】
✅ 高齢者の嗜好性の高いゼリー状なので抵抗が少ない
✅ 口のザラツキ感が少ない
✅ 服用時の飲水量が低減される
②ケイキサレート
🌟 一般名:ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
🌟 体内のナトリウムとカリウムを交換して便中に排泄する
🌟 副作用:便秘に注意
先ほどとの違いは、ナトリウムを交換するかカルシウムを交換するかの違い
【アーガメイトゼリーとケイキサレートは災害時にも活躍!】
災害時には食糧が不足しエネルギー不足となることや透析が通常通り実施できず、透析不足になることが想定されます。
そのため高カリウムになる危険性が高まります。
なので、非常持ち出し袋に常時入れておくことをお勧めします!
【消化器関連の副作用に注意!】
ケイキサレートは消化器関連の副作用が多いことでも知られています。
過去には「腸出血」や「腸管裂孔」「腸閉塞」などを合併した人もいるので、飲む場合は注意が必要です。
③ロケルマ
アストラゼネカから2020年に発売
🌟 一般名:ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物(覚えなくて大丈夫)
🌟 消化管内のカリウムイオンと「水素イオン」「ナトリウムイオン」を交換して便中に排泄する
【特徴】
✅ 血中MgやCaへの影響が回避される
1価の陽イオンを選択的に補足し、2価の陽イオン(Mg2+,Ca2+)への影響を与えないからです。
今までのカリウム吸着薬はMgやCaも補足してしまっていたので、血中の濃度に影響があった(多少ではあるが)
カリウム吸着薬比較一覧
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コメント
ロケルマを毎日飲んでしまいました。
その後左足、腰の激痛で悩んでます。
どのようなことが怒ってるのでしょうか
ロケルマ自体に筋肉症状があるというのは添付文書にも記載されていません。
しかし、ロケルマ服用によってKが下がり過ぎてしまい、低K血症の症状が出ている可能性はあります。
低カリウム血症の症状の一部として筋肉症状があります。
その症状が出ている可能性はあります。ロケルマはKを下げる薬の中でも一番下がりやすいです。