はじめに
透析患者では慢性腎不全の影響から、活性型ビタミンDの生成が乏しくなります。
活性型ビタミンDは、カルシウムを腸から血液中に吸収させる働きがあります。
活性型ビタミンDが作られないとCaが血液中に吸収されないので、血液中のCa値が低下します。
なので、活性型ビタミンD製剤を使用し、血液中にCaを補ってあげます。
なぜビタミンD3製剤を使う?
理由は二次性副甲状腺機能亢進症の悪化を防ぐためです。
透析患者さんは腸管からカルシウムの吸収ができないので、低カルシウム血症になります。
このビタミンD3製剤は、腸管からのカルシウム吸収作用を促進し、血中のカルシウムを適正値に保持することで、PTHの過剰分泌を防ぎます。
そして、二次性副甲状腺機能亢進症の悪化を防ぎます。
【二次性副甲状腺機能亢進症についてはコチラの記事を参考にしてください】
投与するときの注意点
- カルシウムと共にリンの再吸収も亢進させるため、高リン血症がある場合はさらに悪化しないように食事指導やリン吸着剤の内服が必要です。
- 高Ca血症出現時は減量ないし、中止をしてください。
ビタミンD3製剤【内服薬】
【アルファロール】【ワンアルファ】【アルファカルシドール】【カルシトリオール】
肝臓で代謝されて活性型に変わり、作用を発揮します。
【ホーネル】
活性型ビタミンD3のフッ素誘導体。
従来の経口ビタミンD3製剤よりも強力なPTH抑制作用を示し、高カルシウム血症や高リン血症が生じにくいとされています。
ビタミンD3製剤【注射薬】
【オキサロール】
ビタミンD3の誘導体のことです。
静脈注射で一過性に血中カルシウム濃度を上げることで、従来の経口パルス療法に比べて、PTHが抑制されると言われています。
【ロカルトロール】
活性型ビタミンD3そのものです。
代謝を必要とせずに直接作用を発揮します。
オキサロールはビタミンD3の誘導体で、ロカルトロールはビタミンD3に直接作用します。
作用の力はオキサロールよりもロカルトロールの方が強力です。
なので、オキサロールでコントロールできなければロカルトロールにするといった流れになります。
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