月と木に更新中。次回のブログ更新は2/6(月)です。内容:【透析】DW(ドライウェイト)の指標《hANP・BNP・NT-proBNP》

透析患者の電解質を解説《Na・Cl・K・Mg・P・Ca》 KはpHの影響を受ける

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検査値
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はじめに

透析患者の検査値は一般の方とは違います。

今回は電解質に焦点を当て、解説していきます。

Na(ナトリウム)基準値:136~145mEq/L

Naとは食塩のことで、体の水分に影響を与えて血液量や体液量を決める電解質です。

塩分を多く摂れば、体の濃度が濃くなるので喉が渇きます。

すると、体を薄めようとして水を飲むように脳が指令を出します。

基準値(透析患者):136~145mEq/L

尿が出ない透析患者は、飲料分が体に溜まるので塩分の摂りすぎは要注意です。

食塩を多く摂り、その分水分も多く摂りすぎるとむくみ体重増加」「血圧上昇になります。

また循環血液量が多くなれば、一回拍出量もおおくなるため、心臓にも負荷がかかります。

体に水分が多くある状態ではNa値は低くなり、脱水などで血液が濃くなると、Na値は高くなる傾向にあります。

ちなみに、食品表示でNa〇〇mgと書いてありますが、Na1000mgで塩分2.4gです。

Cl(クロール)基準値:98~108mEq/L

通常血中のClは、Naと並行して変化します。

Naと同じで、体に水分が多くあると低値を示します。

K(カリウム)基準値:3.5~5.5mEq/L

基準値(透析患者):3.55.5mEq/L

Kは筋肉や神経の興奮、伝達、収縮に関係する電解質です。

正常人では摂取量と同量のKが尿中に排泄されてうまくバランスが取れます。

しかし、透析患者は上記でも示したように尿が出でないのと、Kの約90%が腎臓から排泄されるのでKが蓄積されて、高カリウム血症になります。

高カリウム血症の特徴的な症状は以下の通りです。

  • 四肢・口唇のしびれ
  • 筋脱力感
  • 悪心・嘔吐などの胃腸症状

これらの症状が見られたときはすぐに病院に連絡して下さい。

心臓の伝導系を阻害して脈が乱れるので(不整脈)、重篤な場合は心臓が停止します。

カリウム値の上昇を防ぐには、食事を気を付けましょう。

カリウムを多く含む食材は以下の通りです。

  • 果物(バナナやメロンは特に多い)
  • 生野菜
  • 豆類

透析患者の高カリウム血症は、食事による過剰摂取だけでなく、降圧薬や便秘によっても起こります。

透析前カリウム値が6.0以上の場合は要注意です。

7.0以上で不整脈の症状が現れると言われます。

透析患者は低カリウム血症にもなる恐れがあります。

それは、食事量が十分に摂れていない人や、下痢・嘔吐などの症状がある人です。

低カリウム血症では、脱力感」「不整脈などの症状が現れます。

透析中のカリウム値はpHの影響を受ける

血中カリウム値は、血液pHに影響されます。

なぜ血中カリウム値は、血液「pH」に影響されるのか?

アシドーシスになると、水素イオンが細胞内に入る代わりに、Kが細胞外に排泄されます。

これによってpHが0.1下がるとKは0.6mEq/L上がると言われています。

透析患者は、代謝性アシドーシスの状態になります。

先ほどの説明とは逆で、透析患者ではアシドーシスが是正されていきます。

アシドーシスが補正されると(pHが上がると)、Kは急速に細胞内に戻るのでKは低下します。

透析患者はアシドーシスの状態(pHが低い状態)にあって、透析液によりpHが補正されpHが上がります。

これによって、Kの血中濃度は下がります。

つまり、Kは拡散による除去量とは無関係に、低下します。

しかし、P(リン)と同様に、K値も透析終了30分後から再上昇します。(リバウンド現象)

【他の透析による検査値の変動を知りたい方は、コチラの記事を参考にしてください】

Mg(マグネシウム)基準値:1.8~2.5mg/dl

腎不全ではMgが溜まりますが、明らかな症状なく5mg/dlを超えることは極めてまれです。

検査値においては、あまり重要視はされていないイメージがあります。

しかし、近年では骨代謝に関与していることで研究されています。

低Mg血症は石灰化に影響すると言われています。

P,Ca,PTHと一緒に見て、評価することが大切です。

P(リン)基準値:3.5~6.0mg/dl

基準値:3.5~6.0mg/dl

5.0だともっといいです。

リンは生命維持に欠かせないミネラルの一種です。

血液中のリンの濃度は、腎臓の調節機能によって一定に保たれています。

しかし、腎機能が低下するとリンが尿中に排泄されず、血液中に蓄積されます。

リンが基準値より高くなる高リン血症の状態は、透析患者では避けることができません。

また、リンの異常値は腎疾患以外はまず考えられません。

リンの体での役割は以下の通りです。

  • 重要なミネラルの一種
  • 体内のミネラルの中でCaに次いで2番目に多い
  • 骨や歯を硬くするもとになっている
  • 細胞内にも存在し、DNAや細胞膜の成分となる
  • 細胞が働く時のエネルギーとなる

透析患者では尿が出ないので、リンが血液中に溜まってしまう高リン血症になります。

高リン血症になると起こることは、主に以下の2つです。

  • 骨粗鬆症 → 骨がもろくなり骨折しやすくなる
  • 異所性石灰化 → 体の組織や臓器にCaが沈着し、臓器障害が起こったりする

【リンの詳しい解説はコチラです】

Ca(カルシウム)基準値:8.4~10.0mg/dl

基準値:8.4~10.0mg/dl

カルシウム(Ca)は人体に含まれるミネラル(無機質)の中で最も多いです。

体の中のカルシウムの99%は、骨や歯に分布しており骨の強度を維持しています。

残りの1%は血液や筋・神経に存在しており、筋肉の収縮や神経伝導に関与しています。

血清カルシウム(総Ca)は遊離カルシウムイオン(イオン化カルシウム)アルブミン結合型カルシウムに分けられます

  • 高値:便秘・嘔気・嘔吐(消化器症状)や意識障害
  • 低値:神経・筋が過敏になり、筋痙攣や手指のしびれ感、下肢つりなど

低Ca血症は透析中の下肢つりを引き起こします。

なぜかというと、透析中では除水による影響と透析剤の影響で、pHがアルカローシスに傾きます。

すると、筋肉の筋小胞体という部位からCaイオンが放出され、筋肉が収縮し続けて、下肢つりになります。

Caイオンが正常値にあると、これを食い止めることができます。

透析中の下肢つりに関しては下記のリンクから飛んで見てみてください

透析患者では腎不全の影響で、活性型ビタミンDが産生されません。

なので、Caを腸から血液中に吸収できずに低Ca血症になります。

すると、PTHが分泌されて骨からCaを取り出して血液中に入れます。

すると、骨のCaが少なくなり骨粗鬆症になったり、骨折につながってしまいます。

【Caの詳しい解説はコチラです】

【他の検査値一覧を確認!】

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