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β2-MG吸着療法(リクセル)を解説《原理・吸着量・保険適応3つ など》

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はじめに

β2-MGを除去する手段は、ハイパフォーマンス膜を用いた透析療法以外にもβ2-MG吸着カラムを用いた吸着療法があります。

この吸着カラムのことをリクセルといいます。

今回はこのリクセルについて解説していきます。

【β2-MGはコチラの記事で詳しく解説しています】

リクセルってなに?

β2-MG吸着カラム「リクセル」(カネカメディックスHPより引用)

現在市販されているβ2-MG吸着カラムは「リクセル(カネカメディックス)」のみです。

容量が異なる3種類のみです。

  • S-35:177ml
  • S-25:105ml
  • S-15:65ml

使い分けは以下の通りです。

  • S-35:一般的にはS-35を用いる
  • S-25:S-35で血圧低下などの副作用が出た場合S-25を用いる
  • S-15:S-35,S-25で血圧低下などの副作用が出た場合S-15を用いる

また、リクセルはβ2-MGだけでなくサイトカインも吸着します。

ここ重要です。(後で説明)

リクセルの配置

リクセルは通常「Aチャンバ」と「ダイアライザ」の間に装着します。(上図)

リクセルはβ2-MGを吸着することによって、透析アミロイドーシスを予防します。

透析アミロイドーシスとは、アミロイドが全身(骨や関節)に沈着し、痛みや運動制限などの障害を起こす病気のことです。

このアミロイドの前駆蛋白(原因物質のこと)が、β2-MGになります。

アミロイドは手首や肩、肘などの骨や関節に沈着し、運動障害を引き起こします。

【透析アミロイドーシスはコチラの記事で説明しています】

吸着の原理

様々な分子の中には、その表面に、水と親和性のない部分疎水性を有するものがあります。

このような疎水性の部分は、水を避けて相互に接着する性質があります。

リクセルのカラムの中には、直径460μmの多孔質セルロースビーズが充填されています。
(国試で多孔質セルロースビーズ出てきたな…)

セルロースビーズの表面にはヘキサデシル基が結合されていて、セルロースビーズの表面は「疎水性」になっています。

孔のサイズが均一に調整されています。

なので、孔径以上の大分子タンパク質(アルブミン)は孔内に進入することができません。

1. 孔径による分子ふるい効果
2.孔に入り込んだ疎水性部分を有する分子とヘキサデシル基

この2つの疎水性相互作用が働きます。

よって、セルロースビーズの孔径より小さな、かつ分子表面に、ある程度以上疎水性部分を有する物質が選択的に吸着・除去されます。

リクセルによる吸着・除去量

では、リクセルはどのくらいの吸着量を発揮するのか?

以下の3つと比べてみましょう。

  1. ハイパフォーマンス膜ダイアライザのみのβ2-MGクリアランス
  2. リクセルのみのクリアランス
  3. リクセル+ダイアライザのクリアランス

《1. ハイパフォーマンス膜ダイアライザのみのβ2-MGクリアランス》
ハイパフォーマンス膜ダイアライザのみのβ2-MGクリアランスは、45ml/minです

《②リクセルのみのクリアランス》
リクセルのみのクリアランスは以下の通りです。

  • S-15:28ml/min
  • S-25:44ml/min
  • S-35:60ml/min

《③リクセル+ダイアライザのクリアランス》
以下のようになります。

  • S-15+ダイアライザ:61ml/min
  • S-25+ダイアライザ:78ml/min
  • S-35+ダイアライザ:84ml/min

上記の結果から、HDだけよりもリクセル+HDの方が吸着量は、はるかに優れています。

S-25を用いたβ2-MGの平均除去率は、71%との報告もあります。

リクセルによるサイトカインの吸着・除去

先ほどにも説明しましたが、リクセルはβ2-MGとサイトカインも吸着します。

サイトカインのうち分子量が30,000ダルトン以下の「IL-8」「IL-1β」「IL-1Ra」IL-6がリクセルにより高率に吸着・除去されます。

「IL-6」は透析でよく出てくるので名前だけでも憶えておきましょう!

これは、セルロースビーズ表面の、孔のサイズに基づくふるい効果によって、選択吸着されています。

サイトカインの分子が大きくなるにしたがって、吸着量は低下します。

保険適応3つ

リクセルは誰にでも自由に使用できるのではなく、以下の a~c 全てにあてはまる透析患者がリクセル療法の保険適応となります。

a)手術または生検により、β2-MGによるアミロイド沈着が確認されている
b)透析歴が10年以上であり、以前に手根管開放術を受けている
c)画像診断により骨嚢胞像が認められる

ただし、リクセル療法は血液透析と併用しなければならず、また初回使用日を起算として1年間を上限とする。

1クール1年の治療終了後は透析アミロイドーシスの病態に応じて、更に1年を限度とした治療が可能となる。

3度目以降も同様の取り扱いとなる。

また、再度の治療導入の際には b)および c)の要件を満たしていることを確認する必要がある。

と、上記説明文が書かれていますが、わかりやすく説明すると…(下記画像)

最初の1年はa~c全て当てはまっていることで保険適応となります。

それで1年続けて、2年目も続けたいとなると、bとcの両方を満たしていることで、保険適応となり、治療が再開されます。

そして、最初の1年が終わって、2年目も継続するときは、1か月の休止期間があります。

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