次回は10/24(日)更新! 内容:透析と心不全《透析患者の死亡原因第1位》

β2-MG吸着療法(リクセル)について解説《原理・吸着量・保険適応》

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治療

【学習ポイント】
✅リクセルを理解する
✅原理がわかる
✅吸着量は違うのか?
✅保険適応

β2-MG吸着カラム「リクセル」

β2-MGを除去する手段は、ハイパフォーマンス膜を用いた透析療法以外にもβ2-MG吸着カラムを用いた吸着療法があります。

「Aチャンバ」と「ダイアライザ」の間に装着します。(下図)

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リクセル

現在市販されているβ2-MG吸着カラムは「リクセル(カネカメディックス)」のみです。

容量が異なる3種類のみです。

【容量】
✅S-15➡150ml
✅S-25➡250ml
✅S-35➡350ml


【使い分け】
★S-15➡透析中に血圧が低下する傾向にある患者
★S-25・S-35➡循環動態が安定している患者

リクセルはβ2-MGだけでなくサイトカインも吸着します。(☜ここ重要!)
(後で説明)

吸着の原理

様々な分子の中には、その表面に、水と親和性のない部分疎水性を有するものがあります。

このような疎水性の部分は、水を避けて相互に接着する性質があります。

リクセルのカラムの中には、直径460μmの多孔質セルロースビーズが充填されています。

mori
mori

国試で出てきた「多孔質セルロースビーズ」がここで出てきたぜ…。



セルロースビーズの表面にはヘキサデシル基が結合されていて、セルロースビーズの表面は「疎水性」になっています。

孔のサイズが均一に調整されています。

なので、孔径以上の大分子タンパク質(アルブミン)は孔内に進入することができません。

1.孔径による分子ふるい効果
2.孔に入り込んだ疎水性部分を有する分子とヘキサデシル基

この2つの疎水性相互作用が働きます。

よって、セルロースビーズの孔径より小さな、かつ分子表面に、ある程度以上疎水性部分を有する物質が選択的に吸着・除去されます。

リクセルによる吸着・除去量

では、リクセルはどのくらいの吸着量を発揮するのか?
以下の3つと比べてみましょう。

①ハイパフォーマンス膜ダイアライザのみのβ2-MGクリアランス
②リクセルのみのクリアランス
③リクセル+ダイアライザのクリアランス

《①ハイパフォーマンス膜ダイアライザのみのβ2-MGクリアランス》
ハイパフォーマンス膜ダイアライザのみのβ2-MGクリアランスは、45ml/minです

《②リクセルのみのクリアランス》
リクセルのみのクリアランスは以下の通りです。

✅S-15➡28ml/min
✅S-25➡44ml/min
✅S-35➡60ml/min

《③リクセル+ダイアライザのクリアランス》
以下のようになります。

✅S-15+ダイアライザ➡61ml/min
✅S-25+ダイアライザ➡78ml/min
✅S-35+ダイアライザ➡84ml/min


上記の結果から、HDだけよりもリクセル+HDの方が吸着量は、はるかに優れています。

S-25を用いたβ2-MGの平均除去率は、71%との報告もあります。

リクセルによるサイトカインの吸着・除去

先ほどにも説明しましたが、リクセルはβ2-MGとサイトカインも吸着します。

サイトカインのうち分子量が30000ダルトン以下の「IL-8」「IL-1β」「IL-1Ra」IL-6がリクセルにより高率に吸着・除去されます。

「IL-6」は透析でよく出てくるので名前だけでも憶えておきましょう!

これは、セルロースビーズ表面の、孔のサイズに基づくふるい効果によって、選択吸着されています。

サイトカインの分子が大きくなるにしたがって、吸着量は低下します。

保険適応

リクセルは誰にでも自由に使用できるのではなく、以下の a~c にあてはまる透析患者がリクセル療法の保険適応となります。

a)手術または生検により、β2-MGによるアミロイド沈着が確認されている
b)透析歴が10年以上であり、以前に手根管開放術を受けている
c)画像診断により骨嚢胞像が認められる

ただし、リクセル療法は血液透析と併用しなければならず、また初回使用日を起算として1年間を上限とする。

1クール1年の治療終了後は透析アミロイドーシスの病態に応じて、更に1年を限度とした治療が可能となる。

3度目以降も同様の取り扱いとなる。

また、再度の治療導入のの際には b)および c)の要件を満たしていることを確認する必要がある。

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