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アルブミン(Alb)を解説《役割・生命予後・透析との関係性》

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はじめに

アルブミンは透析患者さんにとって非常に重要となってくる数値です。

良く用いられるのは栄養指標です。

今回はアルブミンの役割や、低い際の原因など解説していきます。

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アルブミンってなに?

アルブミンとは、血液中で最も多く含まれるたんぱく質の一種です。

血液中のたんぱく質の約60%を占めます。

  • 分子量:66,000
  • 基準値
    • 健常人:4.0~5.0(g/dl)
    • 透析患者:3.5以上
  • 半減期:約18
  • 肝臓で合成される

基準値は3.5以上と書いてますが、個人的には透析患者さんは3.2以上あればいいかなと思っています。

高値と低値

高値の疾患はほとんどありませんが、相対的な増加として妊娠や血液濃縮があります。

低値の場合は、合成の低下(肝硬変炎症性疾患)・ネフローゼ・栄養障害が考えられます。

Albは肝臓で合成されるので、肝硬変や肝炎などの症状があると、合成が低下して低値を示します

また炎症性疾患でもAlb値は低下します。

理由、流れは以下のような感じです。

炎症が起こる

肝臓でのアルブミン合成抑制

それと同時にトランスサイレチン(プレアルブミン)合成抑制

急性相タンパク(CRP)の合成に傾く

アルブミン低値になる

アルブミンの役割4つ

アルブミンは体の中で様々な役割を果たしています。

  1. 血管内の浸透圧の維持
  2. 物質の運搬・保持
  3. 体内組織へのアミノ酸供給
  4. 抗酸化作用

①血管内の浸透圧の維持

血管内の浸透圧維持には、ナトリウム(塩分)だけでなく、アルブミンが大きな役割を担っています。

アルブミンは血管内で膠質浸透圧として働き、血管内容量を維持してくれる働きがあります

上手のように血管外(細胞外液)から血管内に水分を引っ張ってきてくれます。

透析では除水の影響で血管内容量が低下してしまいます。

すると、プラズマリフィリングが起こり、血管内容量を維持してくれます。

この血管内外の水分移動にはアルブミンが大きな役割を果たしています。

もしアルブミンが少ないと、プラズマリフィリングが遅くなり、透析中の血圧低下につながってしまいます。

アルブミンの量が低下して、浸透圧が維持できないと血液中の水分が血管外に漏れます。

すると、肺やお腹に水が溜まったり、顔や下肢に浮腫が生じます。

アルブミン1gで20mlの水を保つことができるよ!

【プラズマリフィリングはコチラの記事で解説】

②物質の運搬・保持

アルブミンは様々な物質と結合する性質を持っています。

アルブミンと結合する物質は以下の通りです。

カルシウム・亜鉛などの金属イオン・水に溶けない脂肪酸・ホルモン・薬剤・毒素など

これらの物質を保持し、体の必要とする目的部位まで運搬する働きをします。

また、毒素と結合して、毒を中和する働きがあります。

③体内組織へのアミノ酸供給

アルブミンは、体内の器官や組織の新陳代謝などに必要な、アミノ酸の供給源としての役割をしています。

また、体内のタンパク貯蔵量が減少すると、血清アルブミン濃度も減少します。

④抗酸化作用

アルブミンは、細胞外での重要な抗酸化物質です。

様々な活性酸素を中和したり、その産生を抑える働きをしています。

アルブミンと透析患者の生命予後に関する報告(現場の意見あり)

①血清アルブミン濃度は、透析導入時に有意に低下して、導入6ヶ月以降にはそれ以上に比べ有意に上昇する

➡実際に、透析導入して食生活もかなり良いのに、アルブミンが低いことがあります。

すると6ヶ月後くらいから、アルブミンが上昇してくるといったケースはあります。

②透析導入時12ヶ月前から導入1ヶ月の間では、血清アルブミン濃度と尿蛋白量との間に、有意な負の関数を認める

➡つまり、血清アルブミン濃度が上昇すると、尿蛋白量が減少。

血清アルブミン濃度が減少すると、尿蛋白量が増加した、といった意味です。

③透析導入時の低アルブミン血症に関する有意な因子として、尿蛋白量と両眼失明が挙げられた

➡尿蛋白量と両眼の失明は、導入時の低アルブミン血症に関与するんですね。

④透析導入時、導入1ヶ月後の血清アルブミン濃度の低下によって、導入後の死亡リスクの有意な増加を認めた

⑤透析導入1ヶ月前から導入時の間における、血清アルブミン濃度の低下は、CRP高値、Ht低下と関連していた

透析患者とアルブミンの関係

透析患者でアルブミンが低いと、こういったことが考えられます。

  1. 栄養状態が悪い
  2. 体液過剰になっている
  3. 肝臓の疾患
  4. ダイアライザが大きすぎる
  5. オンラインHDFでの補液量が多すぎる
  6. 炎症がある

1.栄養状態が悪い

アルブミンは蛋白質なので、摂取タンパクが少ないと数値が下がってきます。

なので栄養状態をチェックします。

チェックする項目は以下のようなことです。

  • ご飯を食べているか
  • ご飯の内容
  • 栄養の指標となる「TP」「リン」「BUN」「nPCR」をチェック

特に赤身肉は豊富なたんぱく質があるので、摂取するべきです。

2.体液過剰になっている

体液過剰になると、Albが相対的に減少します。

患者さんがDWに達していない場合があるので、確認します。

チェックする項目は以下のようなことです。

  • 「Na」「Cl」「TP」「Hb」などをチェック
  • 適切なDWの再考

3.肝臓の疾患

Albは肝臓で合成されるので、肝疾患があると合成がストップされ、Alb値が下がります。

チェックする項目は以下のようなことです。

  • 肝臓の疾患があるか
  • ASTやALTをチェック

4.ダイアライザが大きすぎる

体格の割に大きすぎるダイアライザを使えば、栄養障害になります。

個人的な目安は下図です。参考程度に…

このダイアライザの大きさもそうですし、物質が抜けやすいダイアライザもあります。

これには機能分類を把握しておくことが大切です。

【ダイアライザの機能分類はコチラで解説しています】

5.オンラインHDFでの補液量が多すぎる

補液量が多いということは、濾過圧が多くかかっているということになります。

濾過圧が多くかかりすぎると、アルブミンなどの大きな物質も抜けやすくなります。

過度になりすぎると、栄養障害になります。

6.炎症がある

炎症の亢進はアルブミンの低値につながります。

上記でも記載しましたが、炎症とアルブミン低値の流れは以下のような感じになります。

炎症が起こる

肝臓でのアルブミン合成抑制

それと同時にトランスサイレチン(プレアルブミン)合成抑制

急性相タンパク(CRP)の合成に傾く

アルブミン低値になる

CRPや白血球が上昇していないか、確認する必要があります。

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