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【図で学ぶ】アルブミンと膠質浸透圧

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はじめに

アルブミンの役割として血管内に水分を保つ役割があります。

これは膠質浸透圧の力が血管内に働いているからです。

この膠質浸透圧はアルブミンによって生じています。

今回はアルブミンと膠質浸透圧の関係を説明していきます。

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膠質浸透圧ってなに?

図1 膠質浸透圧のイメージ

膠質浸透圧とはアルブミンによって生じる浸透圧のこと

私たちの血管に水分が多く存在できているのは、アルブミンのおかげです。

アルブミンによって生じる膠質浸透圧の力で、水分を血管内に引きつけてくれています。

アルブミン1gで約20mlの水分を引き込みます

図2 体内分布

人間の体は約60%の水分でできています。

60%の内訳は以下の通りです。

  • 40%:細胞内液
  • 15%:間質液
  • 5%:血漿
図3 細胞内液と細胞外液
  • 細胞内液:細胞内に満たされてある水
  • 間質液:血漿と細胞の間にある水
  • 血漿:血管内の水分

間質液と血漿を合わせて細胞外液と言います。

細胞内液と間質液と血漿の、この3つの組織内にある水の割合は常に一定に保たれています。

これはアルブミンのおかげです。

アルブミンによって生じる膠質浸透圧の力で、血管内(血漿)の水分は一定に保たれます。

膠質浸透圧と静水圧

図4 膠質浸透圧

もう一度おさらいになりますが、アルブミンは間質液から血管内に水分を引っ張ってくれます(図4)

この力を膠質浸透圧と言います。

しかし、このままでは間質液の水分は減ってしまいます。

そうならないように、静水圧がかかっています(図5)

図5 静水圧

間質液の水分が減らないように、血圧によって血管内の水分が間質液に押し出されます。

これを静水圧と言います。

膠質浸透圧と静水圧この2つの力が釣り合うことで血漿と間質液の水分は一定に保たれています。

2つの力は常に釣り合っています(図6)

図6 膠質浸透圧と静水圧

血圧と膠質浸透圧の関係

図7 血圧と膠質浸透圧

血管内圧によって血漿と間質液の水分の移動も変わってきます。

膠質浸透圧はどこでも約25mmHgを保っています。

浸透圧を維持するために、動脈側では血管内から水分を噴き出します。

静脈側では血管内に水分を取り込みます。

動脈の血管内圧を30mmHgとし、膠質浸透圧は25mmHgとします。

この場合は血管内圧の方が高いので、血管外へ水分を押し出すようになります。

一方静脈では、血管内圧が15mmHgで膠質浸透圧は変わらず25mmHgです。

すると、血管内圧の方が小さいので、血管内へ水分を引き込むようになります。

血管内と間質液との間では、こういった水分移動をしています。

アルブミンは小孔を通過することができません。

その代わり水分を引き付けています。

図8 血管内外の物質移動

アルブミンによる膠質浸透圧の力によって水分移動がされます。

その際には水分移動だけでなく、様々な物質の移動もされています(図8)。

動脈では血管内圧の上昇によって水分が動脈から吹き出します

この際に酸素やグルコース、脂肪などの物質も一緒に血管外へと渡されます。

そして、アルブミンの浸透圧によって間質液が血管内へと引き込まれます。

間質液にはこの時、細胞が出した物質(二酸化炭素や代謝産物、電解質など)のゴミも溶け込んでいます。

これらのゴミも間質液を介して、血液中へと回収されていきます。

アルブミンの低下=膠質浸透圧の低下

図9 アルブミンの低下=膠質浸透圧の低下

アルブミンの低下=膠質浸透圧の低下=間質液増加=浮腫

アルブミンの低下はつまり、膠質浸透圧の低下のことを指します。

今まで膠質浸透圧のおかげで血管内の水分は保たれていました。

しかし膠質浸透圧が低下することによって、血管内に水分を引き込むことができません。

すると、血管内に水を引き込む力が弱まるので血管内の水分が間質液に漏れ出てしまいます。

こうなると、浮腫を生じるわけですね。

アルブミン値が低い患者に浮腫ができてしまうのは、こういうことです。

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