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血小板(Plt)を解説《透析とHITの関係性》HITの症例

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はじめに

透析患者の血小板変動は、よくあるのは体外循環に伴う血小板減少です。

しかしまれに、急激に血小板が減少するHIT(ヘパリン起因性血小板減少症)になることもあります。

今回は血小板の基礎知識やHTとは何か、解説していきます。

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血小板の基礎知識

透析患者の血小板基準値:15~35万個/μL

血液凝固に関係する血球で、多くは減少症です。

日常的にはウイルス感染による一過性の場合です。

透析患者の血小板異常は、体外循環に伴う血小板減少や、ヘパリン使用による起因性血小板減少症(HIT:heparin induced thrombocytopenia)が考えられます。

なぜ透析開始後低下するのか?

血小板が直接透析膜に粘着するためです。

透析開始数十分で血小板の低下がみられます。

透析膜と接触して活性化された血小板は、体内で除去されます。

終了時には血小板は元に戻ります。

ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)ってなに?

HITとは「ヘパリンにより血小板が活性化され、血小板減少とともに新たな血栓・塞栓性疾患を併発する病態」のことです。

HITの診断を下記に示します。

ヘパリン投与中もしくは投与後の血小板が、3050%以上低下し、播種性血管内凝固(DIC)、薬剤、重症感染症など、他に血小板減少をきたす原因がないこと。

つまり言い換えると

血小板減少をきたす病気にかかっていないのに、血小板値が前採血よりも後採血のが3050%低下していたら、HITが疑われますよ、ということです。

透析とHIT

  • ヘパリン透析で十分量のヘパリンを投与しているにもかかわらず、回路内凝血がみられる、透析後に血小板の減少がみられる場合、HITの可能性があります
  • ヘパリンでも低分子ヘパリンでも同様に起きます
  • HITの使用可能な抗凝固薬はアルガトロバン
  • ナファモスタットでも可

HITは血小板の減少があるのに、回路内が残血する、相反する病態ともいわれています。

HIT患者で血小板回復後もアルガトロバンを使用した方が良いのか?

血小板回復後もHIT抗体(PF4)が陰性になるまではアルガトロバンを使用します。

HIT抗体(PF4)が陽性期間中はヘパリン投与は禁忌です。

血小板が回復した後も、抗体が陰性になるまで待ちます。

抗体が陰性になれば、ヘパリンの使用は可能です。

HITの症例2件

  1. 透析導入から15年経過してHITになった例
  2. HITに伴う偽性肺塞栓症(PPE)になった例

透析患者でHITになった例を2件紹介します。(考察あり)

①透析導入から15年経過してHITになった例

58歳、男性、慢性糸球体腎炎、末期腎不全、透析患者、抗凝固剤は導入時よりヘパリン使用していました。

導入後15年目から好酸球増多症出現。その9ヵ月頃からダイアライザー・回路内に残血出現。

透析と開始直後に一過性の胸部不快感と血圧低下あり、アスピリン服用で残血とショックは消失したが掻痒感出現の為、アスピリン中止しました。

その後再度残血・ショック症状出現。透析後の著名な血小板減少+HIT抗体陽性でⅡ型のHITと診断されました。

抗凝固剤をフサン(ナファモスタット)に変更した後、残血・血小板減少・ショック軽快し、好酸球増多症も軽減されました。

《考察》
HITはヘパリンの重大な副作用の一つです。

従来の出血性合併症とは相反する血栓性合併症として注目されています。

好酸球増多症はHIT発症より先行しており、アレルギー関与も疑われました。

透析患者のHITはほとんどが導入時に発症するが、症例のように15年目に初発しました。

さらに好酸球増多症を伴う透析中のショック症状を認める症例もあるため、透析導入後長期間が経過していても、HITに留意する必要があります。

②HITに伴う偽性肺塞栓症(PPE)になった例

67歳男性、糖尿病性腎症、低分子ヘパリンを使用した透析施行。

透析開始から11日後、5回目の透析開始から30分後に突然呼吸困難訴え低酸素血症発症。

直ちに透析中止し酸素投与し改善しました。

終了時血小板数 80×109/Lまで低下。

翌日回路に残血見られHITが疑われました。

その後HIT抗体陽性判明。

臨床経過と検査所見からHITに伴う偽性肺塞栓症PPEと診断されました。
《考察》
HITに伴う動静脈血栓・塞栓症は肺梗塞・心筋梗塞・脳血管障害などを引き起こしますが、一方で肺血管内に明らかな血栓が認められていない病態もありPPEと呼ばれます

HITに伴うPPEは急性呼吸不全を呈し、透析導入から7~10後、透析開始から30~60分以内に発症します。

ヘパリンを使用した透析時に呼吸困難などの症状が出た場合は、本合併症の可能性も考慮し、ヘパリン投与の中止や抗凝固剤の変更など、適切な処置が必要となります。

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