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#13 透析配管 排水基準

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配管洗浄
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はじめに

透析の配管洗浄では、酢酸や次亜を使用します。

これらはpHが高すぎたり低すぎたりするため、そのまま下水に排水されてしまうと、排水管の劣化等を引き起こします。

今回は透析排水処理について解説します。

透析配管洗浄はシリーズで解説しています。

#1から順にみていくことで、もっと理解が深まりますよ!

排水基準

透析施設から公共下水道へ排水する場合、下水道法施行令ならびに各自治体下水道条例で定める下水排除基準を順守しなければなりません。

  • 下水道供用区域 ー 下水道法(国土交通省) ー 自治体条例
  • 下水道供用区域外 ー 水質汚濁防止法(環境省) ー 自治体条例

これらは、下水を適正に処理して安全に川や海に排水するための基準です。

透析では多くの排水を排出する。

排水の管理では2つの項目を特に守らなければなりません。(日本透析医学会 2019年版 透析排水基準 記載)

  1. pH(水素イオン濃度):5を超え9未満
  2. 温度:45℃未満

これらの基準を守ります。

透析排水に適切な処理が行われなければ、配管の腐食や劣化が進み、下水道管が損傷してしまいます。

この1.の水素イオン濃度(pH)については次に解説します。

水素イオン濃度(pH)

pHとは水素イオン濃度(指数)のことで、水溶液中の酸性、アルカリ性を示す物理量のことです。

日本透析医学会 2019年版 透析排水基準ではpH5~9の間で排水しなければいけません。

6~8が中性を示します。

  • 6~8:中性
  • 8より上:アルカリ性
  • 6未満:酸性

となります。

つまり、強い酸性やアルカリ性の排水を規制する基準です。

pHの測定回数は1月に1回、望ましくは1週に1回以上pHが最小と予想されるタイミングで測定をします

基準の超過

これらpHなどの排水基準を超過した排水を行うとどうなる?

  • 下水道管や排水桝の損傷の原因になる
  • アルカリ性と酸性の排水が混ざり、塩素ガスを発生させる危険性がある

基準を超過した場合どうなる?

行政指導文書等の交付により、原因の調査や、水質の改善等が促される

違反が繰り返された場合どうなる?

改善命令(行政処分)を受け、それに従わない場合は罰則を受けることがある

排水が原因で下水道設備に損傷が発生した場合はどうなる?

法令に基づき原状回復費用が請求される場合がある

洗浄剤とpH

透析の配管に使用される洗浄剤は主に3つです。

「次亜塩素酸Na」「過酢酸」「酢酸」の3つです。

それぞれ酸性とアルカリ性のpHになっています。

  • 次亜塩素酸Na:アルカリ性
  • 過酢酸:酸性
  • 酢酸:酸性

この中で特に過酢酸と酢酸は、強い酸性で下水道に使用される配管を腐食させる懸念があります。

もう一度おさらいになりますが、排水基準pHは5~9です。

それに対し酸性とアルカリ性のpHは

  • 過酢酸や酢酸の酸性:2~3
  • 次亜塩素酸Naのアルカリ性:10~11

となるので、酢酸や次亜はpH5~9の範囲から逸脱するため、 中和処理装置で適正な排水処理を行わなければいけません。

もしpHが逸脱したままの排水がつ続くと、下図のように下水道が損傷してしまいます。

東京都下水道局HPより画像引用

生物化学的酸素要求量(BOD)

BOD(Biochemical Oxgen Demand)とは生物化学的酸素要求量のことを言います。

BODとは、水中に含まれる有機物が微生物によって分解されるときに消費される溶存酸素量を表したもの

下水道法の排水基準は600mg/Lです。

排水基準を超過した排水で、BODの高い排水が下水に流入すると、終末処理場の生物処理に負荷がかかります。

そして下水処理が不完全になり、放流水の水質が悪化する可能性があります。

透析排水の処理方法

法令に適した透析排水を排出するには2つの方法があります。

  1. 中和装置などの除外施設の設置
  2. 排水基準を満たすための適切な洗浄剤の使用

1.の中和装置などの除外施設の設置では、強い酸やアルカリを中和装置によって排水基準であるpH5~9の間に処理する方法です。

2.の排水基準を満たすための適切な洗浄剤の使用では、排水基準に適合した洗浄剤も発売されています。

しかし、洗浄力や炭カル溶解力が劣ることがあるので注意が必要です。

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