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#8 透析配管洗浄 次亜と過酢酸の違い

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配管洗浄
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はじめに

透析配管洗浄では次亜や過酢酸が使用されます。

今回は似たような効果を発揮する次亜と過酢酸の違いについて解説していきます。

透析配管洗浄はシリーズで解説しています。

#1から順にみていくことで、もっと理解が深まりますよ!

各洗浄剤の発揮特性

まずはじめに、次亜と過酢酸の違いを知る前に、透析の配管洗浄でめちゃめちゃ大事な各洗浄剤の発揮特性を知っておく必要があります。(上図を覚えて!)

透析で除去しなければいけない汚れに対して発揮する力3種類と、その汚れを落とす洗浄剤3つを覚えてください

ココがめちゃくちゃ重要なところです!

↓透析の汚れに対して発揮する力3種類

  • 除菌力 → 菌を殺す
  • 洗浄力 → 有機物の除去
  • 炭カル溶解力 → 炭酸Caの除去

↓洗浄剤3つ

  • 塩素系(次亜系)洗浄剤 → 除菌力と洗浄力
  • 過酢酸系洗浄剤 → 除菌力と炭カル溶解力
  • 炭酸Caスケール洗浄剤 → 炭カル溶解力

炭酸Caスケール洗浄剤と上図の炭カル溶解剤は同じ意味です。

次亜と過酢酸の発揮特性の違い

  • 次亜:除菌力・洗浄力
  • 過酢酸:除菌力・炭カル溶解力

次亜と過酢酸は両方除菌力があります。

次亜には洗浄力があって、炭カル溶解力はありません。

過酢酸は炭カル溶解力はあるけど、洗浄力は弱いです(一応あるけど、弱い)。

なので、お互いの欠点を補うような形で2つを併用します

  • 除菌力 → 次亜と過酢酸
  • 洗浄力 → 次亜
  • 炭カル溶解力 → 過酢酸

というような感じの役割を担っています。

消毒分類

過酢酸系洗浄剤は高水準消毒になります。

次亜塩素酸ナトリウムの抗菌スペクトルは高水準消毒に匹敵しますが、有機物の存在下で効果が低下しやすいので中水準消毒に分類されています。

除菌効果

出典:Beverge Japan No.175 51~56(July1996)
  • 薬剤濃度:200ppm 
  • 作用温度:20℃ 
  • 5D時間:菌数5桁低下に必要な処理時間

表を比べるとわかることは、消毒薬にも相性の良い菌と悪い菌があるということです。

過酢酸は、次亜に比べて芽胞菌の処理時間が早い。

一方、次亜は過酢酸に比べて真菌(カビ)の処理時間が早い。

つまり…

過酢酸は芽胞菌に対して効果を発揮しやすく、次亜は真菌に対して効果を発揮しやすい

ということです。

プライミング液を流す排液ラインがカビることあるよね。
その時次亜を流すよね!

あれは次亜はカビに強いから!

【まとめ】次亜と過酢酸の違い

次亜も過酢酸も除菌効果はありますが、次亜はカビ(真菌)に強く、過酢酸は芽胞菌に強いです。

また、過酢酸は洗浄力が弱いので、洗浄力の強い次亜と組み合わせて使用します。

2つとも1剤化は不可能です。

なぜかというと、次亜は炭カル溶解力が無く、過酢酸は洗浄力が弱いからです。

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