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オンラインHDFの臨床効果6つ

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HDF・IHDF関連
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はじめに

オンラインHDFはHDとHFの両方の利点(特性)を合わせ持った治療法です。

小さい分子と大きい分子の除去、両方に優れているといった利点があります。

また、2019年の調査では、HDFは全体の42%施行されていて、ほとんどの施設が標準的に使用しています。

今回は、オンラインHDFモードを実施することによって、どのような効果があるのか解説します。

  • オンラインHDFの臨床効果6つとデメリット2つを「透析学習塾」で動画で学習することができますよ
5分の動画で解説

臨床効果6つ

  1. 血圧の安定
  2. 貧血の改善
  3. 痒み、イライラ感の減少
  4. 食欲の改善
  5. 合併症の予防
  6. 尿毒性心膜炎の予防

オンラインHDFは前希釈も後希釈も臨床効果は同じと言われています。

では一つずつ解説していきます。

1.血圧の安定

オンラインHDFは透析中の血圧が下がりにくいといった報告があり、透析中の血圧維持を目的に行うことができます。

これにはドナン効果という力が働いています。

【ドナン効果はコチラの記事で詳しく解説しています】

普段の血圧も安定して、血圧の薬の減量に繋がります。

【なぜオンラインHDFは血圧低下の予防になるのか?】
オンラインHDFは、大量の等張性置換液が直接血液中に補充されるので、血漿浸透圧の維持効果が大きいです。

除水を0と考えると、HDFでは補充される置換液と同量の除水がされるので、体内へのナトリウム負荷(ナトリウムによる細胞外液の増加)は一見ないように思われます。

しかし、実際には除水されるナトリウム濃度(血漿水)は、アルブミンの影響により血液中のナトリウム濃度よりも低くなります(これをドナン効果といいます)。

なぜかというと、アルブミンはマイナスに荷電していて、ナトリウムはプラスに荷電しています。

血液中ではこれら2つはひきつけあうからです。

Naが体内に入るのなら、高Na血症にならない?

血液中のナトリウム上昇がみられないのは、間質や細胞内から血管へ水分が自由移動(プラズマリフィリング)するからです。

これは浸透圧によるプラズマリフィリング促進です。

したがってオンラインHDFでは除水量を増加しても、プラズマリフィリングの促進により循環血漿量が維持されやすくなります。

ドナン効果は前希釈でも後希釈でも同じように行われます。

しかしこれは絶対ではないです。

補液しているみたいに、循環血液量が増えるわけではありません。

なので、オンラインHDFをしてても血圧が下がることはあります。

2.貧血の改善

透析をすると貧血傾向になりますが、改善することがあります。

これは超純粋透析液を使用することによって、炎症を最低限にとどめることができ、低Hbを改善する効果があります。

汚い透析液を使用すると、貧血を進めてしまいます。

汚い透析液を使用することで炎症が起こる

炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-1β、IL-6、IFNβなど)が分泌される

炎症性サイトカインが肝臓に作用し、肝臓でヘプシジンの合成が亢進する

ヘプシジンによって「鉄の再利用の阻害」や「小腸からの鉄の吸収を阻害」する

これにより、鉄の利用障害が起き、Hbの合成ができなくなる

貧血になる

3.痒み、イライラ感の減少

老廃物の除去(α1-MG付近の分子量)により症状が減少するといった結果が報告されています。

α1-MGとは分子量33,000の低分子蛋白質です。

このα1付近の分子量は透析患者の痒みやイライラの、原因物質になると言われています。

透析患者では尿が排出されないので、α1が血中に溜まってしまいます。

また、オンラインHDFでのα1-MGの理想除去率は35%が良いと言われています。

また、レストレスレッグス症候群がある患者さんでは、40%の除去(アルブミン5g以上)が必要と言われています(下図)

また、α1の除去率を高めようとすると、同時にアルブミンも抜けてしまいます。

なので、アルブミンの漏出が許容される範囲で少しでも多く、α1を除去する必要があります。

4.食欲の改善

老廃物の除去(特に中~大分子)が優れているため、体調がよくなり食欲が改善することがあります。

食欲を抑制する物質レプチンの除去を促進します。

レプチンの分子量は16,000

β2-MG(11,800)よりも大きい分子ですね。

HDよりもオンラインHDFで濾過圧をかけてあげることによって、レプチンの除去率を高めることができます。

5.合併症の予防

合併症の原因とされるβ2-MGα1-MG付近の分子量などの比較的大きい分子を取り除き、合併症を予防します。

合併症の予防というと、かなり広い意味ですが、β2-MGが原因でなる透析アミロイドーシスや、α1-MG付近の分子量が原因でなるかゆみやイライラなどの予防です。

長期透析患者さんで見られる透析アミロイドーシスの予防もします。

透析アミロイドーシスとは、代表的なものでは手根管症候群です。

手根管症候群とは、アミロイドという蛋白質が、手首にある横手根靭帯に蓄積して、手がしびれたり痛みが出るといった病気です。

透析歴20年の長期透析患者の50%に手根管症候群が認められます。


そして、このアミロイドの原因物質がβ2-MGです。

つまり、β2-MGを長期的に除去することによって、透析アミロイド症も回避できるということです。

透析治療は日々進歩していて、昔よりも長生きが実現できます。

もし50代から透析をスタートすると、長く続く透析人生の中で、この合併症の予防は非常に大事です。

6.尿毒性心膜炎の予防

透析不足によって起こる尿毒性心膜炎を予防します。

腎不全状態では体内に毒素が蓄積します。

透析不足が起こり、毒素が溜まると心膜の内臓層と壁側層に炎症が起きてしまいます。

透析患者の心膜液貯留は、全身浮腫の部分症状として貯留する場合と、心膜腔に限局して貯留する場合があります

慢性腎不全患者における尿毒症性心外膜炎の発生頻度は、1930年代にはRicherらによって約44%と報告されていて、1970年代では35%、2001年には約20%と減少傾向にあります。

参考文献:J Cardiol 2004 Jul; 44(1): 27– 31 心タンポナーデを合併した尿毒症性心外膜炎の1例

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