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透析液水質基準まとめ《日本透析医学会「透析液水質基準 2016年版」》 ET・生菌採取スケジュール公開!

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水処理装置・透析液
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はじめに

近年on-lineHDFやIHDF療法の普及に伴い、透析液水質基準が新しく策定されました。

日本透析医学会(JSDT)2016年版が最新です。

透析液の水質基準を定める機関は2つあり、日本透析医学会と、日本臨床工学技士会です。

いろいろ周りに聞いてみた感じでは、「日本透析医学会」の方を採用している病院が多いかなと思いました。

私の病院でも日本透析医学会の方の基準で水質管理をしています。

2016年版透析液水質基準は日本透析医学会ガイドライン・提言の中にあります。

  • 「透析液水質管理基準【要約】」をコチラでもっとわかりやすく解説してますよ。
6分の動画で解説

水質管理の背景

1995年に日本透析医学会(JSDT)において清浄度基準が提示されました。

その後ハイパフォーマンス膜ダイアライザーとon-lineHDFの普及があり、清浄度基準の改定が1998年、2005年に行われました。

しかし、基準はエンドトキシン(ET)のみ改訂されて、細菌(生菌)に関して明確な基準は示されませんでした。

それに対して諸外国では生菌検出も明確に表記された水質基準が国際標準化機構(ISO)により基準が作成されました。

このISO基準をもとにJSDTは2008年に透析液水質基準、2011年にエンドトキシン補足フィルタ(ETRF)基準を示しました。

しかし、2008年の透析液水質基準は生物学的汚染物質(ET、生菌)のみを示していて、化学的汚染物質に関しては示していませんでした。

このような状況を鑑みて、2016年に最新の透析液水質基準が作成されました。

化学的汚染物質ならびに透析用水作成装置に関する管理基準を加えた透析液水質基準の改定を行いました。

これによって透析用水(RO装置)から、末端透析液(末端コンソール)までの清浄化が期待されるようになりました。

ET,生菌汚染基準

汚染基準を確認してみましょう!

①透析用水
ET 0.050EU/mL未満
生菌数 100CFU/mL未満

②標準透析液(standard dialysis fluid)
ET 0.050EU/mL未満
生菌数 100CFU/mL未満

③超純粋透析液(ultra-pure dialysis fluid)
ET 0.001EU/mL未満(測定感度未満)
生菌数 0.1CFU/mL未満

☟上記を表にまとめてみました☟

採取部位・採取日・測定頻度

採取部位
①透析用水:透析用水作成装置の出口後

②透析液:透析器入口👈透析膜入り口のことです

③オンライン補充液:補充液抽出部位👈on-lineポートから

採取日
「消毒の影響による水質の過大評価を避けるために、薬液消毒・熱水消毒などの工程から最大間隔をあけ、最も汚染リスクが高いと思われるタイミングに行う」

つまり、週の最後の透析終わりが最も汚染リスクが高いので、透析施設だとほとんどの病院が土曜の透析終わりのことを、この文章は表しているのだと思いますが、、、実際はどうなんでしょうか?

インスタでアンケート取ってみたところ、月曜の朝が78%、週の透析終わりが22%と、圧倒的に月曜の朝が多いことがわかりました!

土曜の透析終わりだと私の病院では、19:30頃に患者が帰られるので、そこから採液して測定、、、勤務時間を超えてしまい、働き方改革で残業ゼロを目指している施設は無理ですかね。(*_*;

現状は月曜の朝、プライミング前に採取していますし、前の病院も月曜の朝でした。

しかし、ガイドラインでは「週の終わりの透析後」みたいですね。(;^ω^)

測定頻度
①透析用水:3か月ごと(基準値内の場合)。基準値を満たしていない場合は1ヶ月ごと。 

②標準透析液:毎月、少なくとも末端透析装置1基以上が試験され各装置が少なくとも年1回試験されるように装置を順番に測定する。
☞つまり、配管末端のコンソールは毎月測定して、それ以外は年に1回測定でいいみたいですね。

③超純水透析液:(一部抜粋)毎月、少なくとも末端透析装置1基以上が試験され各装置が少なくとも年1回試験されるように装置を順番に測定する。
☞標準透析液とおなじですね。

④オンライン補充液:(一部抜粋)毎月、少なくとも末端透析装置1基以上が試験され各装置が少なくとも年1回試験されるように装置を順番に測定する。
☞上2つと同じですね。

標準透析液と超純水透析液の違いは何?定義を知っておこう!

✅標準透析液:血液透析を行う場合の最低限の水質です(on-line以外)

✅超純水透析液:オンライン補充液を作成する透析液・逆濾過透析液を積極的に用いる透析装置(全自動透析装置など)・プッシュアンドプルHDF透析装置(これやってる施設は相当珍しい、院長が物珍しいの好きか)・内部濾過促進型透析。基本的にすべての血液透析療法に推奨されます。

✅オンライン補充液:オンラインHDF/HF

ET、生菌の採取スケジュールの模擬を作成してみました!

ちょっと見づらくてすみません。( ;∀;)

模擬したのはRO装置・透析液供給装置(セントラル)・標準透析液コンソール2台・超純水透析液コンソール15台でスケジュール組んでみました。

17号コンソールは末端なので毎月測定です。

こんな感じのスケジュールで大丈夫ですかね?訂正あればコメントください!

何年かに1回改訂され、その都度基準値や測定頻度なども変更しないといけないので、これをきっかけに見直してみてください!

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