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CKD-MBDってなに?【検査・症状・治療】FGF23についても解説

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骨代謝・CKD-MBD
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はじめに

腎臓は、骨・副甲状腺・腸管と密接な関係性をもち、体内のミネラルバランスを保持しています。

腎臓は副甲状腺ホルモン(PTH)などのホルモンの調節を受けて、CaやPを尿中に排泄しています。

その一方、活性型ビタミンDの産生臓器として働き、腸管でのカルシウム吸収、骨代謝の維持にも関与しています。

なので、慢性腎臓病患者では活性型ビタミンDの産生不能や、体内のリンの蓄積(リンの排泄能低下)から、さまざまな骨病変、ミネラル代謝異常が出現します。

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9分の動画で解説

CKD-MBDってなに?

CKD-MBDとは日本語に訳すと慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常と言います。

  • CKD(Chronic Kidney Disease):慢性腎臓病
  • MBD(Mineral and Bone Disorder):ミネラル骨代謝異常
  • CKD-MBD:慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常

CKD-MBDは、透析患者の代表的な合併症であり、透析療法が必要となる以前の保存期から発症します。

CKD-MBDは以下のような疾患が組み合わさっています。

  1. Ca・P・PTHの代謝異常・ビタミンDの代謝異常
  2. 骨代謝異常
  3. 血管・軟部組織の石灰化

CKD-MBDは、これら3つが組み合わさった全身性疾患であり、生命予後に影響を及ぼすため、これらを適正に管理することが重要視されています。

CKD-MBDの検査

CKD-MBDに関連する検査項目は、CaPPTHです。

これらを基準値内にすることが大事です。

参考:慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン

これらを基準値内にすることで、CKD-MBDの予防をすることができます。

大事な順から、「P,Ca,PTHの順から見る」という風に、ガイドラインに記載されています。

症状

CKD-MBDの症状図
  • PTHの過剰分泌➡線維性骨炎(骨から血液中へカルシウムが移動し、骨がもろくなる:骨粗鬆症)を引き起こし、骨痛や、骨病変、骨折の原因となります。
  • Caの低下➡PTH分泌を促進
  • Ca・Pの過剰分泌➡異所性石灰化(骨や関節、血管にカルシウムが沈着し、動脈硬化や弁膜症、関節炎などを引き起こす)

上記のようにこれら症状を長期的に引き起こせば、生命予後を悪化させます。

治療

治療は大きく分けると4つに分かれます。

  1. 食事療法
  2. 薬物療法
  3. 副甲状腺の外科的治療
  4. 透析療法の変更

1.食事療法

CKD-MBDを発症させないためには、高リン血症を予防することが大事です。

高リン血症の予防や改善の基本は食事療法です。

リンには有機リン無機リンがあり、特に無機リンに気を付ける必要があります。

  • 有機リン:肉類・魚・豆類など
  • 無機リン加工食品に含まれる添加物、インスタント、菓子、飲料など

有機リンは「動物性」と「植物性」に分けられます。

動物性は肉類・魚などで、40~60%ほどが血液中に吸収されます。

植物性は豆類などで、20~40%ほどが血液中に吸収されます。

有機リンは体に必要なたんぱく質も含まれているので、過度に摂りすぎなければ、積極的に摂取したいところです。

しかし、無機リンは100%近くが血液中に吸収されるため、非常にリン値が上がりやすくなります。

また栄養もそれほど含まれていないので、極力避けるべきです。

無機リンでも食べたらいけないわけではない!

量を守って摂取することが大切です。

これら以外にも牛乳やチーズのような乳製品や、イクラや明太子のような魚卵、ちくわやはんぺんなどのような練り物は、リンが多いので注意です。

【詳しくはコチラで解説しています】

2.薬物療法

薬物療法では、高リン血症を予防するリン吸着薬、血液中のCa濃度を上昇させ適正に保つ活性型ビタミンD3製剤、PTHの分泌を低下させるカルシウム受容体作動薬の3つがあります。

これらの薬を患者の状態に合わせて適宜処方します。

リン吸着薬
消化管の中で食べ物と含まれるリンと結合して、便と一緒に排泄します。

そうすることで、血液中のリンの濃度を下げる薬です。

【リン吸着薬一覧はコチラ】

活性型ビタミンD3製剤
腸からのカルシウム吸収を促進して、血液中のカルシウム濃度を保ち、低カルシウム血症を予防します。

低カルシウム血症を予防できれば、PTHの過剰分泌も抑制することができます。

【活性型ビタミンD製剤の記事はコチラ】

カルシウム受容体作動薬
PTHの分泌を低下させる薬剤です。

二次性副甲状腺機能亢進症では、カルシウム受容体(CaSR)の数が減ってしまい、血中カルシウム濃度が適正でもPTHの分泌が抑制できなくなってしまいます。

カルシウム受容体作動薬は、カルシウム受容体の細胞外カルシウムに対する感受性を増強することで、PTHの分泌を低下させます。

【カルシウム受容体作動薬一覧はこちらの記事です】

③副甲状腺の外科的治療

副甲状腺を取り除く「副甲状腺摘出術(PTx)」や、副甲状腺にアルコールを注入して細胞を死滅させる「経皮的エタノール注入療法(PEIT)」などがあります。

通常は体に負担の少ないPEITから始めます。

④透析療法の変更

リンは透析によって除去されます。

なので透析効率が落ちてしまうと、リンが体内に溜まってしまいます。

リンが高い場合は透析効率を上げて、透析するといいです。

透析効率を上げる方法は以下の通りです。

  • 血流量(QB)の増加
  • 透析時間の延長
  • 膜面積の増大
  • 透析液流量の増加

これらを適宜行い、リンの排出を促進することが大事です。

【透析効率の詳しい解説はコチラ】

また、カルシウムを調節するためには、カルシウム濃度の高い透析剤へ変更します。(透析患者は基本低カルシウム血症なので)

各透析剤の組成

「FGF23」ってなに?

CKD早期の骨ミネラル代謝異常は、リン蓄積によって始まると考えられています。
この初期の病態においてFGF23(fibroblast growth factor 23)」が重要な役割を担っています。

FGF23は、骨細胞由来のホルモンです。
腎臓での役割は、リン利尿を促進する一方、活性型ビタミンDの産生を抑制します。

CKD患者の初期では、リンが血液中に溜まるとFGF23が反応してリン値が適正に保たれます(リンの利尿作用があるので)。

しかし、FGF23は活性型ビタミンDの産生も抑制するので、PTH分泌亢進の要因となります。

このような状況でCKDがさらに進展すると、PTHやFGF23によって抑えられていた、リンが上昇し始め、それに伴い低カルシウム血症も出現します。

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