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異所性石灰化ってなに?CaとPの結合

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骨代謝・CKD-MBD
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はじめに

異所性石灰化いしょせいせっかいかって文字で見るとなんか難しそうな・・・。

って思うかもしれませんが、異なる所が石灰化していく→いろんな所が石灰化していくという意味です。

透析患者の病態と異所性石灰化は深く関わりがあります。

異所性石灰化は透析患者の骨代謝でよくみられるので、解説していきます。

  • 「異所性石灰化」を透析学習塾で動画で学習することができますよ
6分の動画で解説

異所性石灰化ってなに?

骨以外の軟部組織や臓器にカルシウムが沈着し様々な臓器障害を起こす、透析患者の合併症

透析患者では様々な合併症がありますが、この異所性石灰化も避けては通れない合併症の一つです。

なぜ異所性石灰化が起こる?

リンカルシウムが結合(リン酸カルシウム)して石灰化ができあがる

石灰化はリンとカルシウムが結合してできたもので、ハイドロキシアパタイトといいます。

これはリン酸カルシウムの一種です。

血液中のリンとカルシウムの積(P×Ca)が55を超えると、石灰化ができやすくなります。

例えば血液中のリンが7.0(mg/dl)、カルシウムが9.0(mg/dl)だとすると、P×Ca=63になります。

55を超えているので、石灰化は起こりやすくなります。

透析患者ではリン値が高くなる高リン血症になります。

リンが高くなると、Caと結合しやすくなり石灰化が起きてしまいます。

もちろんCa値も高くなることで、石灰化を助長します。(P×Caの積なので)

なので、PとCa値を適正にコントロールすることが重要です。

どこに沈着する?

  • 血管
  • 関節の周辺
  • 筋肉・皮膚
  • 目(結膜)
  • 肺・心臓の弁

異所性石灰化の異所性とは、様々な所という意味です。

なので石灰化は体の様々な臓器に沈着します。

血液中のリン、カルシウム値が高くなると、血液中に溶けきれなくなり、上記のような様々な場所に石灰化して沈着し、硬い骨のようになります。

下記画像は血管に石灰ができたときの図です。

血管の石灰化

血管が石灰化した場合は、その場所を穿刺しようとしても硬すぎて針が入りません。

沈着したらどうなる?

骨や歯以外の場所(異所)にリンやカルシウムがたまることを異所性石灰化と言います。

血管の石灰化は、血管が詰まりやすくなり、動脈硬化になります。

すると、心筋梗塞や脳血管障害、手足の壊疽につながり、生命に影響します。

また、血管以外にも下記のような様々な場所に石灰化が沈着し、症状を引き起こします。

  • 関節周辺や筋肉→筋肉痛や関節の運動制限
  • 肺→換気不全
  • 皮膚→皮膚のかゆみや潰瘍
  • 心臓→弁膜症や心筋収縮力低下
  • 血管→心筋梗塞や脳梗塞

血管と心臓弁膜のカルシウム沈着は、きれいに取る方法がありません。

そのため、心不全など心臓の合併症や血管系の疾患には特に注意する必要があります。

異所性石灰化の予防

では異所性石灰化を予防するためにはどうすればいいのか?

リンを基準値内に管理することが大切!

リンの管理が非常に重要です。

Ca値の管理も重要ですが、透析患者さんは低カルシウム血症が多いので、石灰化の予防という観点ではCaよりもリンの管理が大切です。

透析患者は腎不全の影響で尿が出ないのでリンが排泄できなくなります(高リン血症)

リンが高くなるのでリンを基準値内に抑えることが大事になります。

高リン血症の原因と対策

高リン血症には様々な原因があり、それぞれに対策が必要です。

  1. 食事療法
  2. 薬物療法
  3. 透析療法

1.食事療法

高リン血症の予防や改善の基本は食事療法です。

リンには有機リンと無機リンがあり、特に無機リンに気を付ける必要があります。

  • 有機リン:肉類・魚・豆類など
  • 無機リン加工食品に含まれる添加物、インスタント、菓子、飲料など

有機リンは「動物性」と「植物性」に分けられます。

動物性は肉類・魚などで、40~60%ほどが血液中に吸収されます。

植物性は豆類などで、20~40%ほどが血液中に吸収されます。

有機リンは体に必要なたんぱく質も含まれているので、過度に摂りすぎなければ、積極的に摂取したいところです。

しかし、無機リンは100%近くが血液中に吸収されるため、非常にリン値が上がりやすくなります。

また栄養もそれほど含まれていないので、極力避けるべきです。

無機リンでも食べたらいけないわけではない!

量を守って摂取することが大切です。

これら以外にも牛乳やチーズのような乳製品や、イクラや明太子のような魚卵、ちくわやはんぺんなどのような練り物は、リンが多いので注意です。

【詳しくはコチラで解説しています】

2.薬物療法

高リン血症を予防するには、リン吸着薬が必須です。

リン吸着薬は、便と一緒にリンを吸着させて体外に排出し、血清リンを下げる働きがあります。

リン吸着薬が不足している場合は、増量をしたりと正しい処方が必要になります。

リン吸着薬7種類は以下の通りです。

  1. カルタン
  2. フォスブロック
  3. レナジェル
  4. ホスレノール
  5. キックリン
  6. リオナ
  7. ピートル

これら7種類ともそれぞれ特徴があるので、その患者に合った処方が必要です。

【リン吸着薬7種類の解説はコチラです】

3.透析療法

リンは透析によって除去されます。

なので透析効率が落ちてしまうと、リンが体内に溜まってしまいます。

リンが高い場合は透析効率を上げて、透析するといいです。

透析効率を上げる方法は以下の通りです。

  • 血流量(QB)の増加
  • 透析時間の延長
  • 膜面積の増大
  • 透析液流量の増加

これらを適宜行い、リンの排出を促進することが大事です。

【透析効率の詳しい解説はコチラ】

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