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糖尿病透析患者の低血圧【起立性低血圧と透析低血圧】

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合併症
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糖尿病透析患者の低血圧は、透析とは直接関係のない起立性低血圧と、透析中に起こる透析低血圧の2つです。

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起立性低血圧

起立性低血圧とは臥位から座位、または座位から立位などの体位変換をした際に突然血圧低下が起こるものです

糖尿病の代表的な合併症でもある末梢神経障害が原因で引き起こされます。

普通の人なら急に体位変換をすると、末梢神経がすぐに働き、ふらつきなどが起こらないように血圧を調節してくれます。

しかし糖尿病患者ではそれができません。

対策

✔ 降圧薬の投与を過剰にしない

✔ 日常生活で急激な体位変換をしない

✔ DWを少し高めに設定する

降圧薬の投与を過剰に行えば、ベースの血圧が低くなってしまい常にふらつきが起こることもあります。

糖尿病患者では血圧は一般の人の少し高め(上の血圧140~160mmHg)程度にすることで、生活しやすくなり、予後も良いとされています。

血圧が高すぎると、血管合併症のリスクが高くなるし、低すぎると倦怠感があったりして生活がしずらくなります(QOLが下がる)

急激な体位変換を避けることも重要です。

要は身体を「慣れさせる」ということです。

寝た状態から急に立つのではなく一旦座位を経由する。

また起き上がるまでの動作をゆっくりにする。

DWを少し高めに設定することも必要になってきます。

糖尿病透析患者では、透析後半に血圧が下がりやすかったり、透析後起き上がってロッカーに変えるまでに起立性低血圧になりしんどかったり。

透析がいやになっては元も子もないですよね。

DWをきっちり守ることも必要ですが、「生活の質(QOL)」を優先した「生活体重」を重視することもあります。

透析低血圧

透析低血圧は、透析中の除水に伴い血圧が低下するものです。

除水は血液の中の血漿を濾過して排液するので、循環血液量が少なくなり血圧が下がります。

除水した水分(血漿濾過水)は血管外から血管内に水分が補充されますが、その量が追い付かなくななると血圧が下がってしまいます。

これは糖尿病患者でも非糖尿病患者でも起こりますが、糖尿病患者の方が起こりうる条件が整っています。

【糖尿病患者が透析低血圧になりやすい理由】

🌸 ネフローゼ症候群になっている(みんなじゃないけど)
🌸 神経障害がある

ネフローゼ症候群では、血圧に維持に必要なたんぱく質(アルブミン)が尿として排泄されてしまいます。

なので低たんぱく血症になってしまいます。

アルブミンは血管外から血管内に水を引き寄せる力(膠質浸透圧)があります。

そのアルブミンが血液の中に少ないということは、血管内への水分移動(プラズマリフィリング)の量や速度が落ちてしまいます。

その結果、循環血液量が維持されず血圧が落ちてしまいます。

神経障害は糖尿病患者の代表的な合併症

透析をして血圧が下がると交感神経を亢進させて、血圧を上げようと作用します。

糖尿病患者ではこれが作用しなくなるので、血圧が下がりやすくなります。

対策

①透析間の体重増加を少なくする

②透析中にアルブミン製剤を投与

③透析前に低血圧改善薬を使用

透析間の体重増加を少なくすることで除水量を少なくして、血圧低下を防ぎます。

透析中のアルブミン製剤はプラズマリフィリングを促進させ、循環血液量を維持します。

低血圧改善薬は「リズミック」「ドプス」などの薬剤です。

透析前に内服することで透析中の血圧低下の予防になると言われています。

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