次回は12/6(月)更新! 内容:IHDFについて解説!《臨床効果・補正UFR・問題点・P-IHDF・基本設定》

ドライウェイト(DW)の指標について解説!《CTR・hANP・BNP・PWIなど》

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DW(ドライウェイト)

【この記事でわかること】
✅DWの指標がわかる
✅DWの決定を総合的に評価することができる

DWは透析にとって永遠の課題ですよね…。

この患者さんはDWを上げたらいいのか、下げたらいいのか、除水はどうするのか、悩むことありますよね(*_*;

今回の記事はDWを決定するうえで、指標になる項目を解説し、知識を拡げよう!というやつです。

DWを決めるうえで大切なのは、たびたび見直しをすることです。

透析患者さんは私たちと同じように、太ったり痩せたりして、DWが合わなくなることがあります。

そのたびに再設定することが大事です。

DWは何かの検査値でピタッと決められるものではなく、様々な検査、測定値、患者さんの状態で総合的に判断します。

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DWってなに?

DWとは、透析終了後に目標とする体重のことです。

【DWの定義】2011年ガイドライン
「体液量が適正であり、透析中の過度の血圧低下を生ずることなく、かつ長期的にも心血管系への負担が少ない体重」
と定義されています。

簡単に説明すると、透析中に大きな血圧低下がなく(ショック状態にならない)、長期的に心血管系イベント(心筋梗塞・脳梗塞など)が少なくなる目安ということです。

もっと簡単に説明すると、体の中に余分な水分が溜まっていない状態です。

DWが正しいということは、血圧の正常化や患者さんのQOLの向上、生命予後に繋がります。

先ほども書きましたが、DWの指標はコレ!というのがありませんので、総合的に判断してください。

大事なことは「今」の体から、余分な水分を取り除いたら何kgになるか、ということです。

「何年か前の体調のいいとき」など、「過去」はあまり参考にはなりません(*_*;

DWの指標

DWは様々な指標や検査結果から総合的に判断します。

①体調や血圧・浮腫
②CTR(胸部レントゲン)
③hANP(ハンプ)・BNP
④下大静脈径(IVC径)
⑤PWI(血液濃縮率)
⑥クリットラインモニター(CLM)

これらを参考にします。

①体調や血圧・浮腫

検査値や測定値を見るのは重要ですが、数値だけではなく患者さんの体調や浮腫も大事です。

まず体調は、透析後に強い倦怠感や、体が重いなどの全身に現れる症状がないことです。

これらの症状がある時は、DWがきつい(引きすぎ)可能性があります。

また、透析中や直後の下肢つりがないかどうかも、判断の目安となります。

【問題点】
患者さんが「楽」と思う体重と、医学的にみてDWが適正というのは、少し違うのでそこは注意してください。

次に「血圧」ですが、平常時の血圧が高くないこと、透析中や透析後に急激な血圧低下がないことが重要です。

具体的な数字で言うと平常時の血圧は最高血圧140~160が、最も死亡リスクが少ないみたいですね。

それ以下でも、透析中の血圧低下など問題がなければ、大丈夫です。

また、透析歴が長い人は「慢性低血圧」になり、常に100切っている方もいますので、あくまで目安として。

次に「浮腫」です。患者さんの外見にも目を向けてみましょう。

浮腫の見方
✅いつ見る➡透析前後
✅どこを見る➡顔(主にまぶたに強くあらわれます)や足
✅下肢の浮腫は顕著に表れるので、足背部やすねの部分を押してみて、皮膚が沈み、戻りが遅かったらむくみが強いと言えます。

また、透析後(自宅に帰った後)もむくみが気になるかどうか聞いてみましょう。

浮腫みが気になる場合は、DWを下げていった方が良いかもしれません。

②CTR(胸部レントゲン)

CTRとは、胸郭の横幅に対し、心臓の横幅がどれだけあるかという比率を求めています。

これによって、心臓が大きくなっているかどうか(水が溜まっているかどうか)がわかります。

✅基準値➡男性50%以下、女性55%以下
✅頻度・いつ➡月に一回透析前または透析後(ほとんどの病院が月に一度です)
✅吸気時に撮ります(胸郭が開いた状態で撮る)

・CTRが大きくなっていると、心臓が大きくなっている➡水が溜まっている➡DWを下げてもっと除水しないと

・CTRが小さすぎると、体の水が枯渇している➡DWを上げてもOK
という指標になります。

ただしこれはあくまで指標で、CTRには重要な点と様々な問題点があります。

【CTRの重要点・問題点はコチラ!】

③hANP(ハンプ)・BNP

hANP(human atrial natriuretic peptide):ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド
✅呼び方:ハンプ
✅透析後に採血
✅透析患者の基準値:25100(pg/dl)

ハンプは、心房から分泌されるホルモンで体液量の増加によって分泌されます。

なので、体液量が多くなる→体液量多いよーと心房からハンプが分泌されるので、100以上であればDWを下げ(体液量が多いから)、25以下であればDWを上げる(体液量が少ないから)というものです。

25~60が適正範囲と考える文献もありますが、上限は100でいいと思います。

BNP(brain natriuretic peptide ):脳性ナトリウム利尿ペプチド
✅呼び方:ビーエヌピー
✅透析後に採血
✅透析患者の基準値:150200(pg/dl)

BNPは脳性と書いてありますが、心室から分泌されるホルモンで、心室の筋肉が進展した場合に値が高くなります。

最初はこのホルモンが脳で見つかったので、脳性という名前になりました。

心不全の重症度マーカーに使用されます。

✅BNPが高い→DWを下げる
✅BNPが低い→DWを上げる

といった指標となります。

値が150~200であれば透析患者として心機能(左心機能)コントロール良好です。

④ 下大静脈径 (IVC径)

下大静脈径基準値(透析患者):610mm(透析後で呼気時)

超音波エコーで測定する方法で呼気時の下大静脈径を指標にします。

22mm以上でうっ血(水が溜まっている)の可能性が高くなります。

⇩IVCに関しての詳しい内容はコチラをご覧ください⇩めちゃめちゃわかりやすいです。
透析note【臨床工学技士 秋元のブログ】透析患者さんのIVC径の基準値をわかりやすく解説します

⑤ PWI(血液濃縮率)

✅PWI(Plasma Water Index)
✅透析前後の血漿タンパク質(TP)の濃度変化から、循環血漿量変化率を求める方法
25でDWが適正と判断

・PWIが5以上➡血液濃縮率が大きい➡除水過剰➡DWがきつい➡DWを上げる検討

・PWIが2以下➡血液濃縮率が小さい➡さらに除水可能➡DWを下げる検討

といった考え方です。

PWIは検査値から計算可能です。

PWI=タンパク濃縮率 ÷ 体重変化率

①タンパク濃縮率= 1-(透析前TP ÷ 透析後TP)
②体重変化率=(透析前体重-透析後体重)÷ 透析前体重

で求められます。

・透析前TP:5.8
・透析後TP:7.0
・透析前Wt:53.0kg
・透析後Wt:50.0kg
だとすると、PWIは3.03となりますので、計算してみてください!

⑥ クリットラインモニター (CLM)

透析中の除水によって起こる血管内容量(ブラッドボリューム)の変化を、経時的に評価することができる装置です。

透析中では除水によって血管内の血液量は減少しますが、プラズマリフィリングによって充填され、血管内のボリュームは保たれています。

しかし、除水がきつすぎると、除水量に対してプラズマリフィリングの量が追いつかず、血管内容量(循環血液量)が少なくなります。

CLMは、除水速度とリフィリングレート(プラズマリフィリングの速さ)のバランスを見ることができます。

✅基準値:-15%以内

しかし、-25%などの血管内容量の少ない(濃縮率が大きい)状態でも適正とされる場合があります。

また、-5%などの濃縮が小さい場合でも、血圧が下がったりなどの症例もありますので、個人差はあります。

個人差はあるものの、CLMは非常に有力な情報となります。

ドライウェイトの指標でコレという決定的なものはありません。

検査値や患者さんの状態など総合的に判断して決定してください。

【DWの基礎知識はこちら】


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