はじめに
透析患者には便秘の方が多くいて、約40%の人が便秘と言われています。
便秘による腸内環境の乱れは、免疫力悪化、大腸疾患、がんなどの重篤な疾病の発生リスクを高めます。
なぜ便秘になるのか、その理由も解説していきます。
便秘の原因4つ
- 大腸の運動が弱い
- 食物繊維の不足(制限)
- 水分制限
- 薬の服用
では一つずつ解説していきます。
①大腸の運動が弱い
透析患者さんでは正常な人と比べると、大腸な運動機能が弱い傾向にあります。
台帳の機能が弱くなる原因は以下の通りです。
- 運動不足(透析患者ってよりも高齢者がそう)
- 自律神経障害(糖尿病)
- 動脈硬化
加齢や運動制限などにより、腸の動きや腹筋が弱くなると、便秘になりやすくなります。
また、腹筋が弱いことでいきめなくなります。
また糖尿病の合併症で自律神経障害になると、腸の動きに影響が出ます。
②食物繊維の不足(制限)
食物繊維は腸内環境を良くすることで知られていますが、透析患者はカリウムの制限があります。
食物繊維が豊富なものには、カリウムが含まれています。
食物繊維の制限=カリウムの制限
食物繊維を含む『野菜』『乳製品』『豆類』『海藻類』を十分な量摂取できないのが問題です。
透析患者の食事では、カリウムとリンが永遠のテーマになってきます。
このカリウムとリンを抑えながら、食物繊維を摂取するようにしましょう。
食物繊維は多いけど、カリウムが少ない食品は以下のようなものがあります。
- ぜんまい(ゆでる)
- インゲン豆
- きくらげ(ゆでる)
- あずき
③水分制限
透析患者では体重が過度に増えないように、水分制限があります。
この水分制限により、便の中に十分な水分を含ませることができなくなり、便秘に繋がります。
また、便が出ても硬い便になり、気持ちよく排便できない、便が残るような感じ(残便感)があります。
また、透析での除水も影響してきます。
透析では除水により、1回で2~3Lの水分が失われます。
これにより腸内の水分も失われるので、便の水分量や腸管の血流も減少します。
虚血状態になると腸の動きが鈍くなるので、便秘になります。
④薬の服用
透析患者は様々な薬を内服していて、その影響で便秘になることも考えられます。
便秘になりやすい薬は以下のような薬です。
- リン吸着薬(特にレナジェル・フォスブロック)
- カリウムを下げる薬(アーガメイトゼリー・カリメート)
- コレステロールを下げる薬
リン吸着薬のレナジェルとフォスブロックは、セベラマー塩酸塩です。
このセベラマーは、便秘の出現頻度が高い(約40%)のが特徴です。
生活習慣で気を付けること
- カリウム、リンに注意しながら食物繊維を摂取する
- 運動をする(適度に)
- 1日3食を摂るようにする➡特に朝食後は便意が高まるので、朝食をしっかり摂りましょう。
- 乳酸菌やビフィズス菌を増やし腸内細菌を良くする➡ヨーグルトはリンが多いので量に注意する
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