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【透析】再循環ってなに?《原因と対策》図で分かりやすい

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シャント合併症
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はじめに

透析では再循環といったトラブルが起こることがあります。

再循環とは「きれいになった血液を再度脱血し、再度浄化されるといった現象を繰り返すこと」を言います。

今回は透析での再循環について、原因と対策を図多めで説明していきます。

  • 「再循環」をコチラでもっとわかりやすく解説してますよ。
11分で解説

再循環ってなに?

再循環とは透析膜を通過して浄化された血液を再度脱血し、再度浄化されるという流れを繰り返す現象のこと

つまり返血した血液を脱血してるということです。

再循環のことをリサキュレーション(Recirculation)とも言います。

同じ血液をずっと浄化しているので、透析効率が下がってしまいます。

通常の透析では脱血された血液は、透析膜で浄化されて、その浄化された血液は血管内に返血されます。

そしてまた古い血液を浄化して、透析膜を通過し、きれいになった血液を返血して、浄化が続いていきます。

しかし再循環では、きれいになった血液をまた脱血しているということになります。

個人的には再循環のカットオフ値は以下のような感じかなと思っています。

  • AVF:5%以内
  • グラフト:10%以内

再循環の原因

  1. 静脈側中枢の狭窄
  2. シャント血流量の低下等による脱血不良
  3. 穿刺間の距離が近い
  4. 動静脈回路の逆接続

これらの原因があるので1つずつ解説していきます。

1. 静脈側中枢の狭窄

静脈側中枢の狭窄

返血の先(中枢側)が狭窄していると血液が送れずに、その血液が脱血されてしまいます。

これによりいくらかは再循環されることが予想されます。

対策としてはVAIVTなどの狭窄部位の修復が必要です。

また狭窄部位を追い越しての穿刺ができれば再循環は起きません(下図)

2. シャント血流量の低下等による脱血不良

図のように吻合部狭窄などで脱血不良が起きてしまうと、再循環になることもあります。

例えば脱血圧がかなりマイナスな時や、ピローが凹んでいるときは、陰圧がかかっています。

過度な陰圧により、返血の血液を脱血のA針が吸ってしまうこともあります。

しかしこれは、AとVの針がかなり遠かったり、分岐している血管に1本ずつ穿刺してたら起こらないとは思います。

対策としてはVAIVTなどの、狭窄部の修復が根本解決です。

また過度な陰圧のために起こるので、血流量を落とすことが挙げられます。

また、穿刺部位が近いことも理由にあるので、穿刺部を話すことや、分岐血管に穿刺することが考えられます。

この脱血不良による再循環は、一見すると、脱血が十分とれていて問題ないと思ってしまいます。

しかし、実は再循環により脱血が取れているように見えていただけかもしれません。

このような場合は、A側とV側の穿刺部の間の血管を指で押さえて遮断します。

これをして、脱血が取れなくなると、返血の血液を脱血して補っていた、ということになります。

つまり再循環の可能性が高いです。

3. 穿刺間の距離が近い

穿刺間が近い

穿刺の間隔が近いと、再循環になる場合があります。

ガイドラインでは、A,V間は5cm以上離すのが良いよという風に記載もあるので、可能ならば5cm以上離すのが望ましいです。

※ 慢性血液透析用バスキュラーアクセスの作成および修復に関するガイドライン(日本透析医学会 2011年)第4章(1)GL-2

対策は穿刺部の距離を離すことです。

4. 動静脈回路の逆接続

回路の逆接続

AとVの回路を逆に接続してしまうと、再循環が生じてしまいます。

これは分岐部のない1本血管に多いです。

なので、針がうまく刺さっても回路を接続するまでは気を抜かないことが大事です。

新人さんに多いミスなので、先輩が気付いてあげるといいですね。

対策としては、血管走行の理解、シャントカルテをしっかり読むことです。

また、ダブルチェックを強化することでいち早く気付くことができます。

再循環するとどうなる?

再循環すると以下のようなことが起こります。

  • 透析効率の低下
  • 濃縮による回路内凝固
再循環による効率の低下

再循環ではきれいになった血液をまたキレイにしているので、透析効率が低下してしまいます。

老廃物は古くなった血液をキレイにする、というのを繰り返して血液がきれいになっていきます。

図1にように100返血して、返血した血液全てを脱血したとすると、AV間しか血液はきれいになっていないということになります。(上図のオレンジ矢印の範囲)

ただ注意点としては見かけ上は透析効率は上昇しているように見えます(数値は上がっているということ)(血液がきれいになっているように見えてるってこと)

なぜかというと、きれいになった血液を採取しているからです。

再循環率にもよりますが、採血ではBUNやKがかなり低く出てしまいます。

次に、濃縮による回路内凝固では、除水が入っている場合に限ります。

除水が0だと濃縮は起こりません。

再循環は、透析膜で除水した血液をまた脱血して除水しているので、回路内が凝血してしまいます。

再循環に気付かず、透析をして2時間くらい経って静脈圧が上がり、濃縮してたというのは全然あり得ることです。

再循環率

再循環率はAVFとグラフトで基準値は違います(個人的に)

  • AVF:5%以内
  • グラフト:10%以内

再循環率は、返した血液がいくら脱血されたかというのを%で表しています。

例えばQB100で回していて、90は古い血液、10は返血した血液とします。

100のうち10は返血した血液が混入しているので、再循環率は10%になります。(下図)

グラフトの再循環

グラフトの再循環

グラフトでは血流を間違えることによる穿刺間違い(つなぎ間違い)に注意しなければなりません。

Aの吻合部とVの吻合部がどこかを必ず確認して穿刺、回路のつなぎをしましょう。

グラフトのA吻合部は、ほとんどが橈骨側(親指側)です。

しかし、まれに尺骨側(小指側)にAの吻合部を作成してる人がいます。

この場合は下図のような穿刺になります。

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