はじめに
穿刺は1発で決めるというのが一番理想です。
しかし実際は失敗してしまこともよくあります。
その際の針先修正方法を解説します。
エコー下ではなくブラインド穿刺の針先修正方法です。
針先修正の方法
まず始めに、内筒がある場合は基本、内筒を前後に動かすという行為はNGです(添付文書にも記載されています)。
なので、基本はやらないというのを認識してください。
しかし普通にやっている施設は山ほどあります。
なので、参考程度にしてください。
なぜ内筒がある状態で前後に動かしたらいけないかというと、内筒を動かすことで外筒を突き破る恐れがあるからです。
外筒を突き破るとどういったことが起こるかというと、
- 外筒の破片が血流に乗って肺塞栓を起こす危険がある
- 外筒を突き破った状態で針を抜こうとすると、血管に引っかかって抜けない場合がある(実際針が抜けずにopeした事例あり)
こういったことが起こるので、非常に危険な行為というのは知っておきましょう。
そして基本はやらないようにしましょう。(施設の考えに沿うようにしましょう)
この知識があるうえで参考にしてくださいね。
では本題に入ります。
今回は一番起こりやすい「穿刺して外筒を進めようとしたけど、外筒が入らない(内筒有)」というケースを想定して解説します。(下図)
これが一番多いです。
こういった場合は、(細かい注意点、ポイントは後で解説します)
①外筒を引く(内筒を戻さずに)
↓
②外筒の側孔が出ないように注意しながらギリギリまで引く
↓
③内筒を戻す
↓
④再穿刺する
この順序です。
一つずつ解説していきますね。
【①外筒を引く(内筒を戻さずに)】
外筒を送ろうとして、あれっ入らない!と思ったときは焦らず落ち着いてください。
まず外筒を引きます。この時内筒は、全て戻さないでください。
もし外筒を引く前に内筒を戻してしまうと、血管や周囲の組織を傷つけてしまいます。
外筒が進まないということは、血管の中に針が入っていないということです。
また、こういったケースの外筒が入らないという事例は、ほとんどが刺しすぎです。(深く刺しすぎてる)
なので、血管内に針が無いのに内筒を戻してしまうと、血管や周囲の組織を傷つけてしまいます。
【②外筒の側孔が出ないように注意しながらギリギリまで引く】
外筒には側孔といった穴(孔)が空いています。(下図)
外筒を引きすぎて側孔が空気中に出てしまうと、血液がピャッと出てきます。
すると患者さんや穿刺者、穿刺介助者に血液がかかってしまうのでこれはかなり注意してください(感染者なら大変なこと)。
側孔が出ないギリギリまで針を引いてください。これはめちゃめちゃ重要ポイントです。
ここで血液が散ってしまう方は、ぶっちゃけ針の修正方法がかなり下手な人です。
側孔が外筒のどの位置にあるか把握しておきましょう。
どのくらいの長さ引いたら出てくるのかを、日々の感覚で身に付けてください。
針の長さが何mmかも頭に入れておきましょう(長いのが38mm、短いのが25mmです)(下図)
【③内筒を戻す】
外筒を側孔が出ないくらいまでギリギリまで引いたら内筒を入れます。
ギリギリまで外筒を引いて、内筒を入れたら、患者さんも痛くありません(たまに痛がる人もいますが)。
【④再穿刺する】
ここまで出来たら後はリトライするだけです。
もう一度刺してみましょう。
画像でまとめました。
また、①と②の外筒を引く際にプツンという感覚があります(ない血管もある)。(下図で説明しています)
この感覚があったら、外筒をそのまま入れてあげます。
このプツンという感覚は、血管外から血管内に入った感覚です。
この感覚を逃さないためにも日々の穿刺で、手の感覚を大事にしてください。
現場で働いて見ていると、この針の修正方法の正しい手技を身に付けている方は半分くらいですかね?
若手はほとんどできていません。
なので針の修正方法も、しっかり指導してあげることが必要かなと思います。
針の修正が下手な人は
- 血管や周囲組織を傷つけてしまう
- 患者さんが痛がる
患者さんが痛がったりしてしまうと、信頼関係が崩れ、あの人には穿刺してもらいたくなわぁと言われることもあります。
なので信頼関係構築のためにも正しい手技を身に付ける必要があります。
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