毎週月曜更新!次回のブログ更新は9/16(月)内容:なぜ透析中に低血圧が起こる?

【シャント診察】触診《狭窄部の見極め》

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はじめに

シャント診察は以下の3種類あります

  • 視診(視て):視て異常がないか確認。狭窄部はないか、異常がないかなど
  • 聴診(聴いて):聴診器でシャント音を聴く。正常音、狭窄音、拍動音の区別をする
  • 触診(触って):シャントを触ってスリルはあるか。拍動になっていないか、狭窄していないか

シャント診察ではこの3種類を実施することが大事です。

今回は触診について解説していきます。

  • 「シャントの触診」を透析学習塾で動画で学習することができますよ
6分の動画で解説

触診で何が分かる?

触診によって以下のようなことが分かります。

  • スリル
  • 凹み
  • 熱感
  • 押したときの痛み
  • 狭窄部位

触診をすることによって、血流の勢いがどうか、感染にかかっていないか、血管に狭窄があるかなど様々な情報を得ることができます。

シャント診察は「視診」「聴診」「触診」ありますが、この中でも触診が一番大事です。

スリルってなに?

スリルがあるとかないとか言いますが、どういう意味でしょうか?

スリル=振動

シャント血管に皮膚上から触れると、振動が伝わってきます。

この振動のことをスリルと言います。

血液が血管壁を振動させているということです。

スリルは圧較差が大きいところで良く触れます(シャント音と同じ)。

なので圧格差の大きい吻合部が一番スリルを感じます。

そして中枢に行くにつれてスリルが小さくなります。

上図のように、動脈血流入により血管壁が振動します。

そして中枢に流れ、層流になるにつれ振動は減弱します。

グラフトのスリルは、分かる人はわかりますが、基本的にわかりずらいです。

理由は血管よりも、材質が硬いのと、層流に近いからです。

シャント挙上試験

シャント挙上試験とは、シャント肢を持ち上げて血管の凹み具合を見る方法です

正常な血管だと脈打ちます。

しかしシャント挙上試験では狭窄があると、狭窄部から中枢に血管が虚脱します。

触診中の痛み

触診中の痛みは感染しているかもしれない

特にグラフトは膿が出ることもしばしばあります。

早期発見でシャント閉塞を防ぐことができるので、触診では痛み等がないかも確認しましょう。

【見極め】吻合部付近の狭窄

触診によって狭窄を発見することができるので、部位の特定もしてみましょう!

上図の番号と照らし合わせながら見てください。

2番に狭窄があるとすると、上図の①~④を触診した場合以下のような情報が得られます。

【①吻合部から狭窄部の触診】

  • 動脈と同じ拍動、硬い感触
  • 流速が遅く乱流はほとんどない
  • 血管は硬い

【②狭窄部の触診】

  • 突然スリルに変わる
  • すぐ近く(中枢側)に乱流が出現している

【③狭窄部より中枢側の触診】

  • スリルがある
  • 柔らかい

【④さらに中枢側の触診】

  • スリルは弱い
  • 乱流から層流に変化
  • 血管も柔らかい

【見極め】分岐血管の狭窄

上図のように②番が狭窄している時の血管の情報を以下に示します。

方法は①番を圧迫した場合と②番を圧迫した場合の吻合部血管をみます。

【①を圧迫した場合】

  • 圧迫後の吻合部付近のスリルが低下
  • 圧迫により狭窄のある血管に血流が集中して、血管内圧が上昇する

つまり圧迫していない静脈に狭窄があることがわかります。

【②を圧迫した場合】

  • 圧迫後も吻合部付近のスリルにほとんど変化なし

つまり圧迫している静脈に狭窄があることがわかります。

こういった見分け方をします。

参考:https://kitauraclinic.jp/column/ 透析でのシャント狭窄の見つけ方。

【関連動画】

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