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【透析穿刺STEP3 】 シャント診察《視て 聴いて 触っての極意》

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穿刺
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はじめに

穿刺をする前には必ずシャント診察をします。
シャント診察で重要なのは診て 聴いて 触ることです。

  1. 視診(視て):目で視て異常がない確認。狭窄部はないか、感染はないか。
  2. 聴診(聴いて):聴診器でシャント音を聞く。正常な音かどうか。
  3. 触診(触って):シャントを触ってスリルはあるか、拍動になっていないか、狭窄はないか。

この3つを徹底することが重要です。
シャントがどういった状態なのか、合併症はあるのか判断することができます。

この中で一番大事なのは触診です。
シャントに携わるドクター様は触診が一番大事!と口をそろえて言います。

  • 「シャント診察」を透析学習塾で動画で学習することができますよ

視診

視診はシャントを視ることです。
視診で何が分かるのか?

  • くびれはあるか
  • 張りは強いか、弱いか
  • 瘤の状態はどうか
  • 内出血はないか
  • シャント肢が浮腫んでいないか
  • 側副血行路の発達
  • 感染はないか

などを確認します。

〔くびれ〕
血管にくびれがある場合、狭窄があるかもしれません。
そこの部分は血管が細くなっているということです。

右写真 名古屋協立病院HPより

〔張り〕
血管に張りがない場合、血流量が減少しているか、またはDWが合っていないかの目安になります。
駆血してみて血管の張りがどの程度か確認してみましょう
また、シャント肢が浮腫んでいて血管に張りがない状態なのか、シャント肢は正常で張りがないのか、確認する必要があります。

〔瘤〕
シャント瘤が大きくなっていないかどうか(パッと見なんとなくでも大丈夫です)、皮膚はテカテカしていないかどうか確認します。
また瘤の色も確認するようにしましょう。

土屋総合病院より

〔内出血〕
内出血がある場合なぜ内出血しているか考えましょう。
・前回失敗したのか→そこら付近は避けて穿刺する
・こけたり、打ったりしたのか→受診するか、内出血がひどいようなら抗凝固薬を変更するか

〔浮腫み〕
シャント肢が浮腫んでいる場合、静脈高血圧症やDWが合っていない可能性があります。
静脈高血圧症ではよく鎖骨下静脈の閉塞が原因で起こります。
静脈高血圧症が進行すると、穿刺困難になるケースもあるので早期に解決が必要です。

偕行会HPより

〔側副血行路の発達〕
側副血行路とはシャント本管に何らかの原因で血液が流れない時、余った血液が他の血管に流入することです。
シャント本管以外に分岐して血管が発達している可能性があります。

側副血行路は本管が狭窄閉塞している場合に起こる可能性があります。
またシャントが正常でもできる可能性があります。この場合は穿刺場所の新たな発見になります。

〔感染〕
シャント感染がないかどうか見ます。
シャント感染は主に穿刺部にでき、変色している(紫っぽい黒っぽい)のでわりとすぐ見分けることができます。

視診はこういった異常をいち早く発見するために有効です。

聴診

聴診のマスターはコチラ

聴診では聴診器を用いてシャント音を聴き、正常かどうか判断します

まずシャント音とは何か?

シャント音とは動脈(高い圧)から静脈(ほぼ0に近い圧)へと血液が流れ込む際に生じる雑音のことです。
つまり血管壁が振動することによって生じる振動音です。

川で例えると、通常音はしませんが川幅が変わったり、流れが速くなったり、落差が合ったり、途中石があったりすると音が生じます。
つまりシャント音も同じで流速が変わったり、血管が細くなったりして圧較差が生じたときに発生します。

実際のシャント音は東京医科大学病院のHPで聴くことができきますよ。

正常音

正常なシャント音は連続した低い音が聴取できます。
音で例えると、ザーザー、ゴーゴーです。


通常では流れの速い吻合部で一番音が大きく、中枢に行くにしたがって音が小さくなっていきます(音が落ち着く)。
正常音は血液が層流として流れているので、低い音が聴取できます。

異常音

異常音では高音、断続音が聴取されます。
音で例えるとピーピー、ザッザッです。

  • 狭窄音:ピーピー、キューキュー、ピューピュー、シュンシュン
  • 無理やり通過する音:シャーシャー
  • 閉塞寸前の音(拍動音):ザッザッ(音が途切れていてかなり狭くなっている)

つまり、狭窄があると乱流が発生するため圧較差ができ高い音が聴取されます。
また狭窄があるということは周波数帯域の高い音になるので高音になります。

聴き方

聴き方にもポイントがあります。

  • 吻合部から中枢に向かて聴く
  • 音が聴こえなくなるまで聴く

この2つを必ず守りましょう

またグラフトではA吻合部よりもV吻合部の方が音が大きくなる傾向があります。

なぜかというと、Vの吻合部は(Aよりも細い)静脈に吻合しているので圧較差が大きく生じ、乱流が発生しやすくなります。
なので、音が大きく若干高めに聞こえやすいです。

狭窄音=狭窄ではない

狭窄音がしていると狭窄なのかというと、必ずしもそうではありません。

狭窄音というのは音が高いってだけです。正常な場合でも高音は出ます。
どういった場合に高音になるのか?

  • シャント血流が速すぎて乱流が起こっている
  • 相対的狭窄(前後の血管径が太すぎて狭窄部位が狭窄しているように見える)
  • 穿刺部がガタガタになっていて狭窄音として聞こえる(特殊なパターン)

というような理由があるので、狭窄音がした場合はまず、透析中に問題はないのか?
脱血不良や静脈圧上昇が発生していないかを精査して、判断するようにしましょう。

触診

触診は本当に大事です!
冒頭にも説明しましたが、触診が一番大事です。

触診によって何が分かるのか?

  • スリル
  • 凹み
  • 熱感
  • 押したときの痛み

一つずつ解説していきます。

スリルって何?

スリルというのは振動のことです。
シャント血管に皮膚上から触れると振動が伝わってきます。この振動のことをスリルと言います。
血液が血管壁を振動させています。

シャント音が圧較差が大きいところは音が大きくなるのと同じように、スリルも圧較差が大きいところはスリルが良く触れます。
なので、吻合部が一番スリルを感じるところです。

触診による狭窄の見つけ方(吻合部)

吻合部付近の狭窄は指1本で見つける

指の腹で、吻合部付近に軽く触れ、指の位置を徐々に中枢側に移動させながら、拍動やスリルの変化を診る。(上図)

触診による狭窄の見つけ方(分岐血管)

分岐血管の狭窄は一方の静脈を圧迫する圧迫法で見つける

分岐血管のどちらか一方を圧迫して、静脈を1本の形にして、吻合部付近の拍動やスリルの変化を診る。(上図)

凹み 熱感 痛み

シャント肢が凹む場合、静脈高血圧症による浮腫みが著名になってきているか、DWが合っていない可能性があります。

また熱感や押したときの痛みは感染徴候があるかもしれません。

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