人工透析ってなに?
人工透析とは、「腎臓の働きの一部を人工的に補う治療法」のことです。
腎臓の働きが10%以下になると血液の濾過が十分に行えず、水分や老廃物のコントロールができなくなってしまいます。
そのような場合に、人工的に血液の浄化を行うのが「透析治療」です。
腎臓が悪くなる(慢性腎不全)と、透析治療を受けなければいけませんが、腎臓は体の中で様々な役割をしています。
腎臓の役割6つ
【腎臓の役割6つ】
①水分・塩分の排泄➡体に溜まった水分・塩分を尿として排泄
②酸・電解質の排泄➡体内を弱アルカリ性に保つように調節
③老廃物の排泄➡体に溜まった老廃物を尿として排泄
④造血ホルモンの産生➡赤血球を作るホルモンを産生
⑤ビタミンD活性化➡カルシウムの吸収を促す活性型ビタミンD3を作る
⑥血圧の調整➡レニンを分泌して血圧を調整する
慢性腎不全になると、これらの機能は回復できません。
なので、以下のような体の異常があらわれます。

※1 尿毒症とは「腎機能が著しく低下し、様々な老廃物や尿毒物が体内に蓄積することによって引き起こされる症候群」のことです。
慢性腎不全になるとあらわれる症状です。
【尿毒症症状とは】
倦怠感・食欲低下・悪心・嘔吐・全身けいれん・頭痛・心不全・肺水腫・息切れ
などの症状が現れます。
これらの異常は、そのままにしておくと生命の危機につながるので、腎臓に変わってその役割を果たしてくれる治療法が必要になってきます。
それが透析療法になります。
透析は腎臓の機能を回復させる治療法ではありません。
そのため、途中で腎移植を受けない限りは、生涯続ける必要があります。
透析治療は完全に腎臓の機能を代替できるというわけではありません。
なぜかというと透析治療は1週間に12時間程度しか腎臓の機能を補うことができないからです。
健全な腎臓は24時間休むことなく働き続けます。
しかし、腎不全になると週に3回4時間程度の治療が約束されます。
健全な腎臓が1週間に168時間休むことなく役割を続けます。
それに対し透析治療は、週に3回4時間なので、たった12時間しか腎臓の機能を補助できません。
また、透析では補えない腎臓の機能もあります。
そのため多くの場合、透析に加えて薬の内服も必要になります。
決まったタイミングで決まった量の薬を内服しないといけないので自己管理が非常に重要になります。
多くの透析患者さんは以下の薬を内服しています。
【薬の内容】
✅ESA製剤➡貧血予防の薬
✅活性型ビタミンD製剤➡低カルシウム血症の予防
✅リン吸着薬➡高リン血症の予防
これに加えて、血圧を調節する薬や、もとも持病があればその薬、心臓や肝臓・血糖値を調節する薬など、、、。
多い患者さんは、1回で10錠以上内服しています。
より良い透析治療をおくるためには、食事の内容や塩分・水分などの摂取量に気を付けるなど、自己管理も非常に重要です。
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