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透析と腹膜透析の比較一覧まとめ

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腹膜透析
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はじめに

腎機能を代替する治療法は「血液透析」と「腹膜透析」「腎移植」の3つになります。

腎移植は年間例がまだまだ少なく、実際はほとんどが血液透析か腹膜透析の二択になります。

今回の記事では、血液透析と腹膜透析の2つを比較します。

「透析方法」「症状・活動性」「食事療法」の3つに分けてまとめています。

またそれぞれさらっとですが解説しています。

透析方法の比較

1つずつ解説していきます。

日本での頻度

日本では腹膜透析の人口は約5%です。

腹膜透析が少ない理由は、「腹膜透析を実施できる病院やスタッフが少ない」「糖尿病性腎症では不向き」「ご高齢の方の導入が難しい」などの理由があります。

透析をする場所

血液透析の場合は病院で透析治療をします。

反対に腹膜透析では主に自宅での治療(手技)になります。

また自宅以外でも会社や外出先でも可能です。

操作をする人

血液透析では穿刺から最後の返血まで医療スタッフが担当します。

腹膜透析では患者自身が消毒やバッグ交換を行います。

通院回数

血液透析は1週間に3回病院に行って治療を行います。

腹膜透析は自宅で患者自身が治療をするので通院は少なくなります。

透析導入前の手術

血液透析でのシャント造設術は1時間程度です。

腹膜透析の腹腔鏡手術は約2時間です。

教育時間

血液透析ではシャントへ負荷をかけないような注意点や日常生活での注意点を指導します。さほど時間はかかりません。

腹膜透析では、患者自身がバッグの交換などを行うため、遅い人では6週間くらいかかってしまう方もいます。

抗凝固薬の使用

血液透析では毎透析ごとに使用します。

腹膜透析ではフィブリン析出時に使用します。

排液の中のフィブリン量が多いとカテーテルを閉塞し、透析液の注排液ができなくなることがあります。

その場合は、しばらくフィブリンの形成を阻止するヘパリンを透析液に混ぜて注液することがあります。

介助者

血液透析では治療中の介助は必要ありません。

腹膜透析では、目や四肢の不自由な方だと、バッグの交換や消毒などがうまくできないので、ご家族や訪問看護などの手助けが必要となります。

感染に対する注意

血液透析ではシャント感染に特に注意しなければなりません。

日常生活でシャント肢を不潔にしていると感染を起こし、最悪な場合はシャント閉塞をしなければならないこともあります。

腹膜透析ではお腹から出ているカテーテルが感染の原因になったりします。

感染によって腹膜が使えなくなると、腹膜透析ができなくなるので注意が必要です。

症状・活動性の比較

1つずつ解説していきます。

水分、老廃物の体内動態

血液透析では4時間の間に除水をしたり、必要物質の補充や排除が行われるため体内動態が大きくなります。

一方、腹膜透析では24時間かけてゆっくり行うので、体内動態は小さいです。

透析時の痛み

血液透析では毎治療ごとに2本穿刺をするので、痛みを伴います。

腹膜透析ではバッグの交換なので痛みはありません(感染がある場合は痛みを伴う場合がある)

心血管系への影響

血液透析ではシャントを作成するので心負荷は通常よりもかかってしまいます。

自尿の維持

血液透析を始めると自尿は急速に減少します。

腹膜透析の自尿の維持は大きな利点でもあります。

透析中の活動性

血液透析中では針が刺さっていて、それが機械と接続されているので、4時間ベッドで拘束されます。

旅行、レジャー

血液透析では旅行があると旅行先で透析を依頼しないといけません。

腹膜透析では、バッグやその他の道具を持っていけば旅行先でも透析をすることが可能です。

入浴

腹膜透析では、カテーテルの出口部を清潔に保たないといけないので、入浴する場合は保護材を使ったりします。

食事療法の比較

腹膜透析は血液透析よりも食事制限は比較的緩やかです。

カロリーでは腹膜透析の透析液にはブドウ糖が含まれており、患者さんは食事からだけでなく、透析液からもエネルギーを吸収しています。

エネルギーが過剰になると、脂肪に変わり肥満や高脂血症の原因となるので、食事のエネルギー摂取量が多くならないように、注意します。

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