はじめに
透析液は海外と日本では組成濃度が違ってきます。
海外の透析液の組成濃度は非常にバリエーションが豊富なんです。
今回はなぜ海外の方がバリエーションが豊富なのか、説明していきます。
さらに、海外と日本の透析液の組成濃度の比較もしていきましょう。
参考:特集「わかりやすい人工腎臓」透析液の変遷
海外と日本の比較
上図を見てわかるように、海外と日本における透析液では、組成濃度のバリエーション(幅)に大きな差異があります。
欧州では日本の透析液とは異なり、各種電解質の濃度に大きなバリエーションがあります。
欧州と海外の濃度比較を下記に示します。
※単位:Glu以外(mEq/L)、Glu(mg/dl)
- Na
- 欧州:130~140
- 日本:135~143
- K
- 欧州:0~3.0
- 日本:2.0~2.5
- Ca
- 欧州:0~4.0
- 日本:2.5~3.5
- Mg
- 欧州:0~2.5
- 日本:1.0~1.5
- Cl
- 欧州:90~120
- 日本:106.5~114.5
- HCO3-
- 欧州:0~40
- 日本:25~35
- 酢酸
- 欧州:2.5~10
- 日本:8~10
- Glu
- 欧州:0~200
- 日本:0~150
なぜ欧州では透析液組成濃度のバリエーションが豊富なのか次で説明します。
なぜ海外は濃度のバリエーションが豊富なのか?
なぜ欧州は透析液組成組成濃度のバリエーションが豊富なのか?
理由は2つです。
- 個人用透析装置が主流だから
- 透析液濃度の規定が薬局方により規定されているから
まず1つ目として海外は個人用透析装置が主流です。
多人数用透析液供給装置(CDDS)は存在しません。
個人用透析装置を連立させて、透析施設は運営しています。
なので、個人の状態に応じた透析療法を行うことが可能です
透析液も患者個々において変化させることが第一とされています。
日本ではCDDSを採用しています(CDDS+個人機数台という施設もあるが)。
CDDSでは、患者個々に合わせた透析液の選択はできません。
一律濃度の透析液がコンソールへと送られます。
そのため透析液の種類が少ないと考えます。
2つ目は、海外では透析液濃度の規定が薬局方により規定されています。
なのでその薬局方の範囲内においては、組成の変更が比較的容易です。
一方日本では、薬事法により管理されています。
薬事法は注射薬の規定により管理されているため、組成の改変が難しい要素が多くあります。
こういった2つの理由が挙げられます。
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