はじめに
透析膜は「合成高分子膜」と「セルロース系膜」の2種類に分かれて、ATA膜はセルロース系膜に分類されます。
今回はATA膜を深堀りしていきます!
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ATA膜の特徴
- CTA膜を改良したもの
- 抗血栓性に優れる
- 膜へのタンパク吸着(ファウリング)の抑制
- PVP・BPAフリー
2014年にヘモダイアフィルタであるFIX(ファインフラックス)が販売されました。
FIXは以下の種類があります。
- FIX-E eco
- FIX-S eco
- FIX-U eco
その後2018年にダイアライザである「FA-F eco(Ⅱa型)」が販売されました。
まだ販売してから10年しか経ってなく、比較的新しい膜です。
断面構造
CTA膜とATA膜では膜の断面構造が違います。
【CTA膜】
・ 支持層のみでできている均質膜構造
・膜断面に凹凸がある
・膜厚:15μm
【ATA膜】
・ 緻密層と支持層でできている非対称膜構造
・膜断面がCTA膜よりも格段に少ない
・膜厚:25μm
ATA膜は新たな紡糸技術によって、従来のCTA膜よりも膜表面の凹凸が無くなった
なので、膜表面への蛋白付着量を小さくすることができます。
FIXとオンラインHDF
FIXはオンラインHDFで今最も注目されている膜です
なぜ注目されてるいるのか?以下の理由があります。
- 生体適合性が比較的良い
- アルブミン漏出量が少ない
- α1-MGが良く抜ける
特に後希釈HDFにはもってこいです。
FIXと後希釈の詳しい解説はコチラです
抗血栓性
ヒト血液を使用したin vitro実験では、ATA膜では長時間循環させてもTATが大きく上昇しないことが報告されています
TAT:トロンビン・アンチトロンビンⅢ複合体
なので、抗血栓性に優れているわけですね。
TATの上昇は「血液凝固の連鎖反応の亢進によるトロンビンの増加」「血栓形成の促進」
これらを引き起こしてしまいます。
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