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【腹膜透析】PDの種類 ~CAPDとAPD~

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腹膜透析
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はじめに

腹膜透析とひとえに言っても、いくつか方法があります。

大きく分けCAPDAPDの2種類の方法です。

また、APDはNIPDCCPDに分けることができます。

今回はとりあえず「CAPD」と「APD」を覚えていきましょう!

  • 「PDの種類」をコチラでもっとわかりやすく解説しています
13分の動画で解説しています

PDの種類

PDの種類は大きく分けて2種類です。

  • CAPD(持続携行式腹膜透析)
  • APD(自動腹膜透析)

割合はだいたい「CAPD:APD=6:4」です

この2つについてみていきましょう。

CAPD

CAPDとは持続携行式腹膜透析です。

  • Continuous : 連続(毎日行う)
  • Ambulatory : 歩行可能(バッグ交換時以外は自由に活動)
  • Peritoneal : 腹膜
  • Dialysis : 透析

ツインバッグを用いて、手動で決められた回数のバッグ交換を行う方法であり、PDの古典的かつ基本的な治療形態です。

方法・操作は簡便です。

日中のみ交換するDAPDという方法もあります。

CAPDの1日スケジュール

CAPDは、通常1日4回の透析液交換を手動で行い、24時間持続的に透析を行う方法です。

交換時間は生活パターンに合わせて相談して決めることができます。

また、患者さんの状態によっては1日2、3回もあります。

患者さんの尿量や残存腎機能に合わせて、「腹膜透析の量や回数」を適宜変更する方法をインクリメンタルPDといいます。

インクリメンタルPDは、少量の腹膜透析液、そして低頻度で開始し、尿量や残存腎機能が低下するのに合わせて、透析量や回数を増やす方法です。

APD

APD

APD(automated peritoneal dialysis):自動腹膜透析

自動腹膜透析装置(サイクラ―)を用いて、透析液交換を行う方法です。

先進国を中心に普及しています。

最大の特徴は、寝ている間に腹膜透析が行われるということろです。

APDの1日スケジュール

APDは寝ている間に3~5回ほど、透析液の交換を行います。

なので日中に交換を行う必要が無いので、日中は比較的自由に過ごせます。

APDは方法によってはNIPDCCPDに分かれます。

NIPD

NIPD(nocturnal intermittent peritoneal dialysis):夜間間欠式腹膜透析

NIPDは夜間のみ透析液の交換を行う方法です。

以下のような人に向いています。

  • ヘルニア
  • リーク(透析液の滲出)
  • 腰痛などの合併症
  • CAPDで日中の腹部膨満感が強い

しかし、小分子量の物質除去が不十分になりやすいので、実施は残存腎機能がある患者さんに限られます。

以下のような心配がある場合は、CCPDへの変更を検討します

  • 尿量や残腎機能の低下
  • データの悪化
  • 尿毒症症状の発現

CCPD

CCPD(continuous cycling peritoneal dialysis):持続周期的腹膜透析

NIPDに、日中の透析液貯留を加えた方法です。

主に残存腎機能低下に伴い、小分子の除去が不十分となった患者さんに用いられます。

なので、最も大きな透析量を確保できる方法です。

APDメリット

APDのメリットとしてまず、

  • 昼間の拘束時間が短い
  • 社会復帰しやすい

という点が挙げられます。

また、仰臥位で行うので腹腔内圧が低くなります。

それにより、多量の透析液を注液することができます。

ヘルニア患者さんのように、腹腔内圧上昇が望ましくない人にも可能です。

その他にも以下のようなメリットがあります。

  • プライバシー保持(日中のバッグ交換がない場合、他人からの心理的圧迫を避けることができる)

  • ボディイメージの向上(昼間の腹腔内貯留量を少なくしたり、貯留しないことにより体型が気にならなくなる

  • 介助者の精神的負担の軽減・疲労の軽減(小児、高齢者、身体障害者(知能障害者、肢体不自由者、視力障害等)で介助が必要な場合、介助者の負担を軽減できる)

  • 食欲増進(昼間の液の貯留を減らせることにより、腹部膨満感が解消され、食欲不振が改善する)

  • 除水量増加と腹膜クリアランスの向上(長時間貯留による除水量低下を防ぐ場合、昼間一時空にする。(腹膜の透過性が高い場合))

APDデメリット

  • APDサイクラーを設置するためのスペースや電源が必要
  • 就寝中の体位変換で、接続チューブやAPD回路がねじれる
  • それにより、APDサイクラーのアラームが鳴ることがある

物質除去の観点からいうと、1回あたりの貯留時間が短くなり、中~大分子量物質の除去効率が落ちることがあります。

加えて、頻回交換+短時間貯留では、Na除去量が少なくなることがあります。

APDの適応

腰痛ヘルニアといった腹腔内圧上昇による、合併症をもつ患者さんに適しています。

また、バッグ交換回数や透析量を増やす必要がある場合にも、良い適応となります。

APDは、注液量を増やすことが困難で、透析不足になりがちな患者さんに向いています。

PD方法のイメージ

最後にPDの方法イメージを上図に示します。

ぜひ参考にしてみてください。

今回の「PDの方法」に関しては、コチラの動画でもっとわかりやすく説明しています。

また動画では、この記事では説明できなかったハイブリッド療法残存腎機能に合わせたAPD処方も解説しています。

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