毎週月曜更新!次回のブログ更新は9/16(月)内容:なぜ透析中に低血圧が起こる?

腹膜透析の基礎知識

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腹膜透析
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はじめに

皆さんは透析と聞くと「血液透析」が最初に思い浮かぶのではないでしょうか?

透析は血液透析と腹膜透析があります。

腹膜透析とは何か?

今回は腹膜透析の基礎知識を解説していきます。

  • 「腹膜透析の基礎知識」をコチラでもっとわかりやすく解説しています
誰でも手に入るスライドはコチラ

腹膜透析(PD)ってなに?

画像参考:画像:https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_308.html

腹膜透析(PD)とは、腹膜を介して体の余分な水分や老廃物を、血液中から取り除く治療法のこと

腹膜透析は略してPD(Peritoneal Dialysis)と言われます。

  • Peritoneal:腹膜
  • Dialysis:透析

血液透析は透析膜(ダイアライザ)を介して透析をするのに対し、腹膜透析は自分の体に中にある腹膜を介して透析をします。

腹膜を利用して老廃物を除去したり、必要な物質を補充しています。

末期腎不全時の腎代替療法は以下の3つです。

  1. 血液透析(HD)
  2. 腹膜透析(PD)
  3. 腎移植

なので透析の方法を2種類あります。

「透析」と聞くと、ほとんどの人が最初に思い浮かべるのは「血液透析」じゃないでしょうか?

透析はいろいろ制限があって、大変で不自由というイメージです。

例えば「穿刺痛そう」とか「仕事の制限」「旅行の制限」など…

しかし透析には腹膜透析もある、ということを知っておきましょう。

腹膜透析の特徴や流れを以下に示します。

  • 腹膜に透析液を出し入れするチューブを入れる
  • 4~6時間お腹に透析液をためる
  • その間に血液中の老廃物が透析液中に出る
  • その液を排出することで血液がきれいになる
  • 透析液との浸透圧差で除水もされる

参考:【腹膜透析とは】通院回数や食事制限、心臓への負担が少ない透析法デメリットも確認し自分に合った方法を選ぼう – かぽれ (ca-pore.com)

PDの割合

透析の種類は「血液透析」と「腹膜透析」の2種類があることは分かったと思います。

それぞれの割合は以下の通りです。

  • 血液透析:97%
  • 腹膜透析:3%

と、圧倒的に腹膜透析の方が少ない、という結果になりました。

これが普通なのか?海外の腹膜透析の割合をみてていくと…

  • 香港:70%
  • アメリカ:10%
  • カナダ(欧州):20~30%

という風に日本がいかに少ないかがわかります。

海外では、腹膜透析は血液透析と比較して、遜色のない治療法という認識です。

腹膜透析の流れ

腹膜透析の流れ:注液 → 貯留 → 排液

透析液を腹膜に貯める(注液)

4~6時間ほどお腹に透析液をためる(注液)

透析液を排液する(排液)

また透析液をためる(注液)

腹膜透析はこの流れの繰り返しです。

この繰り返しによって、腹膜の毛細血管を介して、血液中の老廃物が液中ににじみ出ます。

これによって血液中の老廃物が除去され、血液が浄化されてきれいになります。

腹膜透析の構成

PDの基本的構成です。

  1. カテーテル
  2. チタニウムアダプター
  3. 接続チューブ(お腹のチューブ)
  4. 透析液バッグ
  5. 排液バッグ

透析液バッグから腹腔まで、外界と交通しないクローズドシステムになっています。

つまし、このシステムによって雑菌の侵入を防いでいます。

腹膜ってなに?

腹膜透析は腹膜を介して透析をします。

じゃあ腹膜ってなにか?これを解説していきます。

画像引用:https://www.baxterpro.jp/pd/principle/index

腹膜とは、小腸・肝臓・胃など包み、それら臓器を支える役割を持っている膜状の組織層のこと

腹膜は「壁側へきそく腹膜」と「臓側ぞうそく腹膜」に分かれます。

  • 壁側腹膜:腹腔を覆う
  • 臓側腹膜:腸管とその他の内臓を覆う

腹膜は、内部臓器の動きを滑らかにして、保護する働き、役割があります。

腹膜からの物質吸収も「血行性」と「リンパ行性」の2種類があります。

  • 血行性:水・電解質・ブドウ糖
  • リンパ行性:膠質・脂肪・不溶物質
画像引用:https://osteopathy-naoseikotsuin.com/post-4739/

腹膜の血液供給も壁側腹膜と臓側腹膜で違ってきます。

  • 壁側腹膜:腹壁の血管から血液供給を受け、その血流の大部分は下大静脈へ流入する
  • 臓側腹膜:腹腔動脈と腸間膜動脈から血液供給を受け、静脈系は最終的には門脈に収束する

腹膜透析には、すごく大事なPDファーストといった考え方があります。

またPDの「比較研究」や「入院~手術~退院」までの流れはコチラで動画解説しています。(スライド誰でも手に入ります)

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