はじめに
ダイアライザにはBPAという物質が含まれています。
また最近ではBPAが含まれていない「BPA Free」のダイアライザも製造されています。
ではBPAとは何なのか、含まれているとどういった障害があるのかを解説していきます。
BPAってなに?
BPA:ビスフェノールA
BPAとは環境ホルモン(内分泌攪乱化学物質)の一種であり、主にプラスチック(ポリカーボネート樹脂やエポキシ樹脂等)の原料として利用されています。
プラスチックの材料や添加剤として使われるBPAは、環境ホルモン問題のきっかけになった化学物質です。
食品用容器や缶詰めの内面塗装から容器内の飲食物へ移行することがあり、微量ですが、人間が摂取する可能性がある物質です。
つまり有毒なものです。
透析患者だけでなく、私たちは私生活でBPAを摂取していて、避けることはできない化学物質です。
ダイアライザにはこの化学物質であるBPAが添加されています。
定義
【定義】
動物の生体内に取り込まれた場合、本来その生体内で営まれている正常なホルモン作用に影響を与える外因性の物質
1998年環境庁(現環境省)発表 環境ホルモン戦略計画SPEED′98より
日本ではBPAの人体への毒性は調査中ですが、欧州・米国・中国では2011年にBPAを含有する哺乳瓶の使用を禁止しています
環境ホルモンと疑われている物質の数
68種類
➡スチレンモノマー・ビスフェノールA(BPA)・フタル酸-2-ジエチルヘキシル などなど…
環境ホルモンという大枠の中にBPAがあります。
BPAの人体への影響
- 内分泌疾患
- 不妊症
- 男性の精子の減少
- 乳がんや前立腺がん
- 心血管疾患
- 糖尿病
- 肝臓酵素異常
※可能性がある、リスクが上昇すると示唆されています
疫学調査により、成人への尿中ビスフェノールAの濃度が高いと、こういった影響が出てくるリスクが上昇すると報告されています。
BPAの透析患者への影響
PES膜を3か月用いた患者は血清BPA濃度が低下し、それに伴い、炎症マーカー、酸化ストレスマーカーの値が低下しました。
という報告があります。
BPA FREEダイアライザ
ニプロ社の「PESシリーズ」やCTA膜の「FBシリーズ」、ヘモダイアフィルタの「FIXシリーズ」はBPAが入っていません。
ダイアライザにecoって書いてるのご存知ですか?
これは地球にエコ、生体にエコという意味です。
このecoという文字が入っているダイアライザはBPAが含まれていないという意味です。
ecoって書いてますね!
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