はじめに
穿刺をする際には駆血帯を使用します。
駆血帯にはゴム駆血とベルト駆血の2種類があります。
それぞれどのような特徴があるのか見ていきましょう。
【シャント駆血の関連記事はコチラです】
ゴム駆血
ゴム駆血の特徴は以下の通りです。
- しっかり駆血をすることができる
- 患者によっては痛みを感じることがある
- ピンチ付では皮膚をつまむ可能性がある
- ベルトよりも手技が難しい
- ラテックスアレルギーの人には使用しない方がいい
- 消毒が容易
- 材質の劣化がある
では一つずつ解説していきます
ゴム駆血はしっかり圧をかけて締めることができるので、確実に静脈を怒張させることができます。
分厚めの衣服の上からでもしっかり血管を駆血することができます。
しかし患者さんによっては、締まりすぎて痛みを伴う場合があります。
なので、適切な強さで駆血しましょう。
駆血によって痛みがある患者には、皮膚から直の駆血ではなく、服を一枚挟んで駆血するなど工夫をしましょう。
ちなみに私は駆血の強さは、下図のようにピンチすぐに程よく筋が入っている程度を目安にしています。
ゴムに装着されてあるピンチで患者さんの皮膚をつまむ可能性があるので、注意です。
またベルトはワンタッチなのにも関わらず、ゴム駆血は手技習得が必要です。
意外とコツがありそのコツを習得していないと、患者さんの皮膚に摩擦が生じたりして、痛みを伴います。
ゴムのラテックスがアレルギーの方では使用を控えた方がいいでしょう。
今ではラテックスフリーのゴム駆血も出てきていますが、いまだにラテックス含有もあるので注意です。
あとは消毒が容易です。
使ったらすぐアル綿で拭きます。
中性洗剤で漬けているという施設もあります。
ゴム駆血は材質の劣化があります。
劣化があると締りが悪くなってしまったり、無駄に強く締めないといけないので、患者さんは痛いかもしれません。
ベルト駆血
ベルト駆血の特徴は以下の通りです。
- 駆血の強さの調節が容易
- 締めが弱くなる時もある
- 皮膚に優しい
- 手技が簡単
- 消毒がすぐにはできない
ベルト式はカチッとワンタッチではめて、微調節がしやすい特徴があります。
また、ワンタッチというところから誰にでも簡単にできて、手技が非常に簡単です。
ゴム駆血とは違い、締める幅が広いので圧力が分散されます。
なので患者さんの皮膚に優しく、痛みを軽減することができます。
しかし、それがデメリットになる場合もあります。
患者さんが衣服を着ていた場合、衣服の上から締めると、締りが弱くなりきちんと締められない場合があります。
そうなると、血管の怒張が弱くなり、穿刺ミスにつながることもありますので注意です。
消毒がすぐにはできないので、感染の点から患者さんへの使い回しはできるだけ避けた方がいいように思います。
ベルトなどの布の駆血は、表面を拭いてすぐ使うというのはできません。
汚れを溜め込んでしまうので、感染面ではゴムよりも不利になります。
まとめ
【関連記事】
コメント