はじめに
透析をするにあたって必ず必要なのがVA(バスキュラーアクセス)の造設です。
ではVAってなにか?種類は何があるのか?
ポイントを抑えて解説していきます。
VAってなに?

バスキュラーアクセス(VA:Vascular access)とは、透析を行うために血液を出し入れする仕組みのことです。
透析を行うには、患者さんの血液を透析の機械に通さなければいけません。
そのためには、患者と透析機器をつないで、血液をやり取りする(患者の血液を透析機器に送る)交通手段が必要です。
その際に、患者の体に造設するもの(様々な種類がある)をVAといいます。
つまり、VAは血液の出し入れをするために必要な仕掛けみたいなものです。
透析患者にとって、VAが無くなると、透析ができません。
つまりVAは命綱みたいなもの、ということを知っておかなければなりません。
VAの種類

VAは4種類あります。
上図の4つを覚えてください。
シャントに分類される自己血管内シャント(AVF)と人工血管内シャント(AVG)と、シャントではない動脈の表在化とカテーテルです。
よく使用されているのはAVFで、90%以上の方がAVFで透析をしています。
↓VAの割合
- AVF:90%
- AVG:7%
- 動脈表在化:2%
- カテーテル:1%
では、VAとシャントの違いとは何かを次に解説します。
VAとシャントの違い

- VA:血液透析を行うために必要な手段すべてのこと
- シャント:動脈と静脈を直接つなぎ合わせて作成されたもののこと
シャントじゃないVAを非シャントとも呼びます。
つまり、上図でも示しているように、VAの中に『シャント』『動脈表在化』『カテ』があります。
さらに、シャントは『自己血管内シャント(AVF)』『人工血管内シャント(AVG)』に分かれ、カテは『長期カテ』『短期カテ』に分かれます。
動脈表在化とカテは血管を吻合していないので、非シャントに分類されます。
VAが必要な2つの理由
- 約200mlの血液を(1分間に)確保しないといけないため
- 動脈に頻回に穿刺するのが困難なため
透析では1分間に約200mlの血液を取り出さないといけません(4時間継続して)。
しかし静脈ではそんなに高流量の血液を取り出すことができないので、シャントを作成し、動脈血を静脈に流してあげます。
動脈に直接針を刺せばいいんじゃないか?と思うかもしれませんが、それにはリスクが伴います。
表在化の手術をしていない私たちの普通の動脈は、深いところにあります。
なので穿刺が非常に困難で、失敗したときのリスクを考えると、浅い目視で見える静脈に穿刺をするのが安全です。
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