毎週月曜更新!次回のブログ更新は9/16(月)内容:なぜ透析中に低血圧が起こる?

【腹膜透析】出口部の処置・入浴

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腹膜透析
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はじめに

腹膜透析ではカテ出口部のケアは、腹膜炎を起こさないためにも非常に重要になります。

そのためには、処置や入浴方法が重要になります。

今回は、出口部のケアと処置・入浴を説明します。

  • 「出口部の処置・入浴」をコチラでもっとわかりやすく解説しています
9分の動画で解説しています

物品

出口の処置をするためには以下のような物品が必要です。

  • 生理食塩水
  • 消毒液(ポビドンヨード・クロルヘキシジン溶液・次亜塩素酸溶液 等)
  • 滅菌綿棒
  • ガーゼ
  • Yガーゼ
  • テープ
  • ゴミ袋

これらの物品が必要です。

また「出口部洗浄方法」や「カテーテル固定」「テープやガーゼ貼付」これらの方法は、施設によって異なります。

出口部の観察

客観性のある評価方法として、以下表の出口部の評価スコアの使用も推奨されます。

出口部の評価スコア
  • 出口部の評価スコアは4以上を感染とみなす
  • 4未満の場合は感染の疑いとする
  • ただし、膿性浸出液が見られる場合は、これのみでも感染とする

ダウングロス

ダウングロス

ダウングロスとは、カテーテル出口部周囲の皮膚が皮下の組織にのめり込んで、出口部が皮膚表面から深くなり、ポケット状になっている部位のこと

このダウングロスは、「カテーテルの固定不良」や、剥離した上皮の蓄積による「出口部感染」の原因となります。

出口部を洗浄する際は、ダウングロスまでしっかりと観察することが重要です。

皮下トンネルとカテーテルの観察

皮下トンネル部(赤線の箇所)を出口部に向かって指で押しながら、出口部から排膿が出ないことを確認します

圧痛を伴う場合は、トンネル感染の兆候があります。

感染を合併した場合、周囲の組織がもろくなり、カテーテルのカフが出口部側にずれることもあります。

またカテーテルの観察も重要になります。

以下のような点を確認します。

  • 接続チューブの緩み
  • カテーテル本体の傷や亀裂

何かおかしいなと感じたら、すぐに病院に電話しよう!

出口部洗浄方法例

カテ出口部以下のような順序で洗浄します(施設によって、またカテによって異なります)

  1. チューブを引っぱらないように、紐でとめる。
  2. 出口部洗浄は泡を用いる。出口部周囲の洗浄は、10×10cmの範囲を目安にする
  3. 出口部の洗浄は、出口部のカテーテルをつまみながら洗浄する
  4. カテーテルの下側も忘れずに洗浄する。
  5. 指腹に力を入れて、固定用のテープによる汚れが残らないようにしっかり洗浄する

画像引用:https://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/kid/kid/pd/pd02.html

カテーテルの固定

カテ固定のポイントは以下です。

  • カテーテルの向きは様々で、自然な向きを損なわないように緩やかに固定する
  • かぶれやすい方は、貼る位置を毎日変える
  • テープ2~3本で貼る方法を推奨する(テープの貼り方は様々です)
  • ハサミはカテーテルの近くでは使用しない(カテーテル損傷のリスクがある)
  • チタニウムアダプター部分のテープ固定は、金属が皮膚を刺激するため避ける

可能であれば、ハサミを使用しない方が望ましいです。

テープの貼り方

テープを2~3本使用します。

ガーゼから1~2cm下に、カテーテルをテープで動かないように固定します。

テープの種類

  • 3M ジェントルフィックス:粘着力は比較的弱いが、肌には一番優しい
  • カブレステープ:テープの強度がある
  • 優肌絆:ジェントルフィックスよりも粘着力が強い

痒みが無いように、また、軽減できるように自分あったテープを選択します。

入浴(オープンシャワーとクローズドシャワー)

オープンシャワーとは、出口部を水に直接さらす方法

最近では出口部を洗浄して清潔に保つことで、出口部の皮膚本来の防御機能を引き出すという考えから、オープン法を勧める施設が増えてきました。

PDカテーテルを留置して3〜4カ月以降の、出口部が固定した時期から、オープン法が可能になります。

クローズドシャワーとは、出口部を水に塗らさない方法

オープン法ではどうしても感染が心配という方や、出口部に感染兆候がある場合は、クローズド法で入浴します。

オープン入浴では感染予防のために、一番湯をすすめています。

殺菌効果のある洗浄剤を使うと、出口部の感染予防に更に効果的です。
(※ スパクリーンPD、ミルトンタブレット® → 両者の成分は同じ)

温泉、公衆浴場の浴湯は自宅の浴湯に比べて細菌が多く、オープン入浴はすすめられません。

クローズド入浴をすすめるサウナでは、発汗によって保護用具が剥がれることがあるので注意です。

出口部ケアと予防方法のポイント7つ

  1. いつも爪を短く切って、出口部ケアの前には必ず手を洗う
  2. 消毒が必要な方は、綿棒・ガーゼは滅菌されたものを使用する
  3. 出口部ケアは毎日行い、出口部周辺も清潔にしておく
  4. 出口部を毎日観察する
  5. カテーテルは自然の向きに合わせて、しっかりと固定する
  6. 出口部はなるべく通気性を良くし、乾燥させる
  7. オープンシャワーや入浴は、出口部の状況を病院に判断してもらってから行う

動画で詳しく見るならコチラ

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