はじめに
オーラルフレイルとは口腔機能が衰えることを指します。
透析患者にも関係があり、重要な老化のサインとなります。
今回はオーラルフレイルについて、診断やフローを解説していきます。
オーラルフレイルってなに?
オーラルフレイルとは、噛んだり飲み込んだり、話したりするための口腔機能が衰えること
重要な老化のサインで、フレイルと深い関係性があります。
噛む力や舌の動きの悪化によって、食べこぼし、むせる、固いものが噛めないなどの弊害が起きます。
さらに、滑舌の悪化によって相手に伝わらない、社会とのかかわりの減少が起きてしまいます。
上図のようにオーラルフレイルは悪循環をもたらしてしまいます。
噛めないと柔らかいもの食べるようになります。
すると、噛む機能が低下してさらに噛めなくなるという悪循環に陥ります。
オーラルフレイルのチェック
オーラルフレイルのは、上図のように点数化することで診断ができます。
- 0~2点:可能性は低い
- 3点:危険性あり
- 4点以上:危険性が高い
上記のような診断になります。
食から考える虚弱フロー
フレイル期になるまでは下記のような段階を踏みます。
前フレイル期
↓
オーラルフレイル期
↓
サルコ・ロコモ期
↓
フレイル期
【前フレイル期】
生活範囲の狭まり、精神面の不安定さから始まります。
口腔機能管理に対する自己関心度(口腔リテラシー)の低下を経て、歯周病や残存歯数の低下の徴候が現れる段階です。
【オーラルフレイル期】
口腔機能の軽度低下(滑舌低下、食べこぼしやわずかのむせ、噛めない食品の増加など)に伴う食習慣悪化の徴候が現れる段階です。
【サルコ・ロコモ期】
口腔機能の低下が顕在化(咬合力が低下したり舌運動が低下)し、加齢性筋肉減弱症(サルコぺニア)や運動器症候群(ロコモティブシンドローム)、低栄養状態に陥る段階です。
【フレイル期】
最終的に摂食嚥下障害や咀嚼機能不全から、要介護状態や虚弱(フレイル)、運動・栄養障害に至る段階です。
上図から見てわかるように、サルコ・ロコモ期までは回復する可能性があります。
しかし、いったんフレイル期に陥ってしまうと、回復するのは非常に困難な状態と言えます。
また、QOLが低下してくるほど、疾患や内服剤が多くなる傾向があります。
サインを早く見つけ、オーラルフレイルや蛋白質摂取を中心とする食の改善に取り組む必要があります
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