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フレイルの基礎知識

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栄養関連、サルコペニア・フレイル
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はじめに

フレイルとは虚弱を意味します。

透析患者では筋肉量の低下社会とのつながりが薄くなることで、高頻度にフレイルに陥ってしまいます。

今回は透析とフレイルの関わりについて、基礎知識などを説明していきます。

  • 「フレイル」をコチラでもっとわかりやすく解説してますよ。
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フレイルってなに?

フレイルとは、健康と要介護の中間の状態のことを指します

加齢に伴う予備能力低下のため、ストレスに対する回復力が低下した状態です。

Frailty(虚弱)が語源で、2014年に日本老年医学会によって提唱されました。

透析患者では一旦フレイルになってしまうとなかなか抜け出せないので、日々予防することが大切です。

また健康とフレイルの間をプレフレイルと言います。

フレイルは下記のような割合で発症しています。

  • プレフレイル:40.8%1)
  • フレイル:8.7%1)
  • 透析患者のフレイル(70歳以上の維持透析):64.8%2)

1)日本人高齢者を対象とした調査(東京都健康長寿医療センターの調査)

2)日本フットケア学会雑誌 2018:16(3);121-124透析患者におけるサルコペニア・フレイルの現状と対策

透析患者のフレイルが非常に多いことが分かります。

透析患者はフレイルになりやすい、危険にさらされていることが分かります。

フレイルにおいては西高東低で、西に多く、東に少ない結果になってます。

透析とフレイル

透析患者は食事制限や透析治療によってフレイルになりやすい状態になります。

食事制限からフレイル進行になる流れは以下のようになります。

食事制限

筋肉量の減少

サルコペニア発症(転倒のリスクが増えて骨折することもある)

嚥下機能低下

誤嚥性肺炎(高齢者の肺炎の約70%が誤嚥性肺炎)

安静・絶食

身体活動量の減少

フレイル進行

透析治療による体への負担で運動機会も減少することから、フレイルになりやすい。

コロナとフレイル

コロナによって家に閉じこもることでフレイルが進む流れが増加している

外出機会が週に1回以下と回答した高齢者が増加しています。

  • 歩行機会の減少
  • 筋肉量の低下
  • 社会交流の減少
  • 認知機能の低下

高齢者が2週間の寝たきりになった時の、失う筋肉量は、加齢による7年間で失う量に匹敵するといわれています。

フレイルを構成する3つの要素

フレイルは「身体」「心理」「社会性」この3つの要素が複雑に絡み合っています。

これら3つの衰えによりフレイルが構成されます。

それぞれの中身を見ていくと以下のようになります。

・身体

  • 筋肉量の低下
  • ロコモ:運動器の障害
  • 口腔機能の低下に伴う低栄養

・心理

  • MCI:軽度認知障害
  • うつ、認知症

・社会性

  • 他者との関りの減少
  • 閉じこもり
  • 孤独、孤食

この中でフレイルの入り口になるのが社会性です。

これはめっちゃ重要なので覚えておきましょう。

フレイルと社会参加

社会とのつながりを失うことがフレイルの最初の入り口です(ここポイント)

社会とのつながりを失い、ドミノ倒しのようにフレイルが進行してきます。

社会とのつながりがなくなると、健康分野に大きく関わり、以下に影響が出てきます。

  • 活動量
  • 精神・心理状態
  • 口腔機能
  • 食・栄養状態
  • 身体機能

地域のボランティアや交流会、近所の人とお茶をするなどして、できるだけ社会参加をし、前向きな気持ち、活力を取り戻しましょう。

自分に合った社会活動はフレイルのリスクを回避します。

誰かと一緒にご飯を食べることもフレイルの予防になります

家族や友人と一緒に食事をすると、コミュニケーションをとりながら楽しく食べられます。

食欲が高まり、多様な食材を食べられて低栄養になることも避けられるので、ぜひ実践していきましょう。

フレイルの診断

フレイルの診断は次の5つの項目から表します。

項目評価基準
 体重の減少 半年で2kg以上の意図しない体重減少
 筋力の低下 握力:男性<28kg、女性<18kg
 疲労感 ここ2週間理由もなく疲れたような感じがする
 歩行速度の低下 歩く速さが1秒あたり1mを下回る
 身体活動 ①軽い運動・体操
 ②定期的な運動・スポーツ
 上記の2ついずれも週1回未満の場合
  • 3つ以上該当 : フレイル
  • 1~2つ : プレフレイル
  • 0 : 健康

フレイルサイクル

食欲が低下し食事量が低下すると、低栄養になりそこからサルコペニア(筋肉の減少)を発症します。

すると、運動をしなくなって基礎代謝量が減り、エネルギーを使わなくなるので、消費エネルギーが落ちます。

消費エネルギーが落ちると、食事量も低下していきます。

それによりまた、栄養状態が悪化するのが、フレイルサイクルです。

また精神的な憂鬱も加わり、さらに悪化させてしまいます。

フレイルサイクルの悪循環に陥ると、更に状況を悪化させてしまいます。

抜け出すのが難しくなるので、早い段階でフレイルに気付くことが重要です。

フレイルの予防3つ

フレイルの予防は以下の3つをできることから始めることです。

  1. 運動
  2. 栄養(食事)
  3. 社会参加

1.【運動】
できれば有酸素運動を取り入れることで、筋肉量の増加や血行促進にもなります。


2.【栄養(食事)】
特に蛋白質を意識して摂ります。

蛋白質は筋肉を作る重要な栄養素です。

3.【社会参加】
心の健康につながります。

会えない時は電話などで連絡を取っても効果があります。

先述しましたが、フレイルの入り口は社会参加がなくなることです

積極的に社会参加していきましょう!

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