はじめに
ダイアライザの血液と透析液は向流に流れています。
なぜ向流で流れているのか、並流に流すとダメなのか?
説明していきます。
向流と並流
現在のダイアライザは向流で流れています
- 向流:血液と透析液は、反対向きに流れる
- 並流:血液と透析液は、同じ向きに流れる
向流
では、なぜ向流で流しているのか?
理由は膜の全ての位置で濃度を等しくさせるためです
これによって、溶質の移動が全ての位置で生じるので、より多く老廃物を除去できます。
向流で流していると、血液と透析液の入り口、出口の濃度は以下のようになります。
- 血液入口:濃い
- 血液出口:薄い
- 透析液入口:濃い
- 透析液出口:薄い
つまり透析膜のどこの位置でも濃度は均一です。
これによってより多くの老廃物を除去することができます。
並流
一方、並流で流したらどうなるか。
並流では、血液と透析液の濃度がだんだん等しくなっていき、 溶質は移動しにくくなる
よって、これ以上の溶質除去ができません。
もし並流で流したら、透析膜の濃度は以下のようになります。
- 透析膜上部:濃い
- 透析膜下部:薄い
つまり濃度に偏りが生じます。
この濃度の偏りによって、老廃物除去が向流より劣ってしまいます。
向流と並流の濃度差
【向流】
血液と透析液で常に濃度差があるため、溶質の移動は透析膜内の全ての位置で生じており、より多くの溶質を除去することができます
【並流】
透析膜内を流れるうちに、血液と透析液の濃度差が徐々に等しくなっていき、溶質は移動しにくくなります
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